
中小企業診断士の難易度って難しすぎの印象だが果たしてどうなのだろう。
こうした疑問に答えます。
結論から言うと、中小企業診断士の難易度は低下していくことが予想されます。
なぜ中小企業診断士の難易度は低下していくといえるのか。
本内容では、中小企業診断士試験のこれまでの難易度について解説して、続いて今後難易度が低下していくといえる理由を解説していきます。
目次
1.中小企業診断士の難易度は!?他の資格と比較してみた
司法書士 | 税理士 | 弁理士 | 中小企業診断士 | 社労士 | 行政書士 | 宅建 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
偏差値 | 76 | 75 | 75 | 67 | 65 | 62 | 57 |
難易度の偏差値は「資格の取り方」を参考にしています。
士業全体で比較するとちょうど中間あたりの位置にいます。
社労士よりはやや難しめの感じです。
社労士よりも難しめの理由は試験が7科目と多すぎることと、2次試験に論述問題があることが理由にあると思います。
なお、中小企業診断士では、1次試験を突破すると、養成課程と呼ばれるスクールのようなものを受講すれば2次試験を免除することができます。
参考:「中小企業診断士の養成課程とは?養成課程と登録養成課程の違いや試験倍率を紹介!」
ただし、養成課程の研修が終了するまでに早くて半年、遅くて2年かかりますし、スクールに通う費用は200万円以上と高額です。
このため、養成課程は受講せずに2次試験を受験して合格することが理想的といえます。
では中小企業診断士試験はなぜ高いと思われるのか。以下に解説していきます。
2.中小企業診断士の難易度が高い理由
中小企業診断士の難易度が高いと言われる理由としては以下のことが考えられます。
- ⓵合格に必要な勉強時間が長い
- ②年度ごとに試験科目に難しい科目がある
- ③暗記だけでは対応できない問題がある
⓵合格に必要な勉強時間が長い
中小企業診断士の試験科目は7科目もあり、中小企業診断士に合格するために必要な勉強時間は約1,000時間と言われています(https://www.foresight.jp/chusho/column/selfstudy/)。
ここで1,000時間の勉強時間は、社会人が1年間に使える勉強時間と同じくらいです。
このため、1年間しっかりと勉強するくらいの勉強量が重要です。
参考:「中小企業診断士の勉強時間はどれくらい?独学可能?勉強法まで徹底解説!」
②年度ごとに試験科目に難しい科目がある
中小企業診断士の試験科目の数は多く、科目数は7科目あります。
- ⓵経済学・経済政策
- ②財務・会計
- ③企業経営理論
- ⓸運営管理
- ⑤経営法務
- ⑥経営情報システム
- ⑦中小企業経営・政策
中小企業診断士の試験では、これらの科目ごとの難易度が年度ごとに変わる傾向にあります。
前年度の過去問から試験の傾向を読めず、過去の傾向を分析しながら科目の勉強時間の配分を決めることが難しいです。
例えば、平成25年度では、経済学・経済政策がもっとも難易度が高い傾向でしたが、平成30年度では、経済学・経済政策の難易度はもっとも低い傾向にあるようです。
③暗記だけでは対応できない問題がある
法律系の資格は基本的に暗記重視型の傾向にあり、暗記が得意な方であれば短期間で合格しやすいと思います。
かくいうわたくしも暗記が得意であり、弁理士試験は1年弱の勉強量で合格しました。
一方、中小企業診断士の2次試験では、事例問題の1つに財務会計の問題があります。
この問題では、計算問題が出題され、なにをどのように計算するかを考え、正確に計算する力が求められます。
一発勝負の試験なのでプレッシャーが半端ではないですが、このなかで、計算問題が出題されるのは厳しいかなと思います。
とくに受験生の方は文系の方が多いと思うなら、ここがもっともハードルが高い要因と思います。
3.中小企業診断士の難易度は低下するといえる理由
以上のとおり、中小企業診断士はこれまでは難易度は難しすぎでしたが今後は低下するといえます。
中小企業診断士の難易度が低下するといえる理由は以下のとおりです。
⓵令和2年度の合格率が上昇した(1次試験合格率)
②政府関係者は中小企業診断士の数を増やしたいという意図がある
③補足すると、中小企業診断士も間違った勉強法でなければ努力して合格できる
⓵令和2年度の合格率が上昇した(1次試験合格率)
近年の合格率で見ると以下のとおりです。
1次試験合格率 | 2次試験合格率 | |
平成28年度 | 17.7% | 19.2% |
平成29年度 | 21.7% | 19.4% |
平成30年度 | 23.5% | 18.8% |
令和元年度 | 30.2% | 18.3% |
令和2年度 | 42.5% | 18.4% |
参考:https://studying.jp/shindanshi/about-more/more-difficulty.html
合格率だけで見ると、1次試験合格率が年々増加傾向にあることがわかります。
2次試験合格率に変化がないものの1次試験合格率が一気に増加したことにより、試験全体の合格率は高くなっております。
今後は少なくとも1次試験の合格率は上昇傾向(少なくとも維持)にあることはほぼ間違いないといえます。
ではなぜこれほど合格率は上昇したいのか。
②政府関係者は中小企業診断士の数を増やしたいという意図がある
背景に、地方に中小企業診断士の数が不足しており、公的支援が滞るという問題が起きていることが挙げられます。
中小企業診断士の受験生の多くが大都市圏の企業出身者であり、たいていは中小企業診断士の資格を取得後に、そのまま企業に勤務を続けるため、地方の中小企業診断士の数が一向に増えないという問題が起きているようです。
そこで、政府関係者は中小企業診断士の数を今後増やしていくために、中小企業診断士の難易度を低下させようとしているとのことです。
このため、今後も中小企業診断士の試験について難易度は低下していくことが予想されます。
③中小企業診断士も間違った勉強法でなければ努力して合格できる
また、これは理由と直接的な関係はありませんが、士業の資格勉強は、勉強法が決まっていて、決まった勉強法にそって努力すれば合格できる試験といえます。
勉強に必要なものはテキストか通信講座を利用すればOKです。
・テキストを利用する場合
- 1次試験用「中小企業診断士 最速合格のためのスピードテキスト」
- テキストは全部で7冊。新品でそろえると合計¥20,000弱。
- 2次試験用「中小企業診断士 最短合格のための第2次試験過去問題集」
- テキストは¥5,000ほど。全部あわせると¥25,000かかる。
ちなみに通信講座を利用しても予算は40,000円ほどしかかかりません。
おすすめの通信講座は過去記事で紹介しているのでご参考に。
「【2021年】中小企業診断士試験の通信講座のおすすめを徹底比較」
中小企業診断士の難易度のまとめ
中小企業診断士の難易度が低下するといえる理由は以下のとおりです。
⓵令和2年度の合格率が上昇した(1次試験合格率)
②政府関係者は中小企業診断士の数を増やしたいという意図がある
③補足すると、中小企業診断士も間違った勉強法でなければ努力して合格できる
おすすめの通信講座は以下の記事で紹介しています。