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特許事務員を雇うメリットはあるのか!?特許事務所の所長が解説!

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悩み太郎

特許事務所を開業したいけど事務員は雇う必要があるのでしょうか。

士業男子やまさんも独立開業しているみたいですね。

リアルな意見を聞きたいです!

狐太郎

おやおや悩める子羊さん。独立開業しようかお悩みのようですね。

それでは小生があなたに特許事務員を雇うことのメリットとデメリットをわかりやすくお伝えしましょう。

ぜひ参考にしてみてください!

悩み太郎

お前誰やねん…

弁理士が開業をする上で成功のために2つの大きなハードルがあると言われています。

一つ目は集客。そして二つ目は事務員を雇うことです。

筆者も先輩の独立弁理士から、集客と事務員の雇用は大変であることをよく聞かされました。

集客については言わずもがな。しかし果たして事務員の雇用は必要なのか。

雇わずとも自分で事務処理をすませればいいのではないのか。

今回はこうした疑問に現役の特許事務所所長である筆者が答えます。

弁理士やま

この記事を書いている人

  • 特許事務所を独立開業。
  • 現在、2021年公開商標公報事務所ランキング第12位(京都第1位。関西第3位)←NEW(2021/7/3)(https://jp-ip.com/ranking/35733/2)
  • ※資格勉強法を発信。資格スクエアのYoutubeチャンネルにて勉強法を発信。
  • 弁理士の勉強法は「弁理士試験の勉強時間を1,500時間で合格するための勉強法」の記事で解説。

1.特許事務員を雇うメリットとデメリット

弁理士が特許事務員を雇うメリットとデメリットをまとめると以下のとおりです。

メリット デメリット
特許事務 事務手続きの代行により負担が減る。
結果的にメインである出願手続きの業務に注力できる。
未経験者を雇う場合は半年以上の教育が必要。
未経験者のスキルが不十分な場合、かえって負担が増える場合も。
経験者を雇う場合は報酬が高くつく。
結果的にサービスの価格を下げることが難しい。
また就業時間外に対応を依頼することができない。
期限管理 期限管理を特許事務に委ねることにより負担が減る。
結果的にメインである出願手続きの業務に注力できる。
特許事務員も人間でありヒューマンエラーが生じることがある。
英語を使う業務 外国の代理人との対応を委ねることにより負担が減る。
英語が苦手な弁理士にとっては自分の弱点を補ってもらえる。
経験者を雇う場合は報酬が高くつく。
また就業時間外に対応を依頼することができない。
集客 事務員の数が増えることで「安心」「信頼」の程度が高まり、大手クライアントから仕事をもらえやすくなる。 事務員の数が増えると人件費が高くつく。

メリットは、弁理士の負担が減りやすいことと大手クライアントからの集客です。

悩み太郎

ん!?能力の高い弁理士なら一人事務所であっても大手クライアントから仕事をもらえるんじゃないの!?

弁理士やま

残念ながらそういう傾向にはないんです。

一人事務所で大手企業から仕事をもらっているところは聞いたことがありません。

また、これは聞いた話ですが、ある大手企業が特許事務所を選ぶ基準として、「特許事務員の数」を優先するようです。

理由は事故を起こしたくないから。特許事務員の数が企業の知財を安心して特許事務所に任せられる指標と考えているようです。

このため、もしあなたが独立開業で大手企業をクライアントにもちたいのであれば、特許事務員の数を増やすことが重要となります。

実際に、大手企業の受注先の特許事務所はほとんどが大手特許事務所です。

しかし、大手企業の出願依頼件数は、大手特許事務所をいくつか絞ってもまだまだ十分に依頼できない場合もあります。

そこで中小規模の特許事務所にも依頼する場合があります。そのおこぼれを頂くために特許事務員の数を増やす、というわけです。

悩み太郎

なるほど。じゃあ士業男子やまさんは今後は大手企業から仕事をもらうために特許事務員の数を増やすのですか!?

弁理士やま

いえ。増やさないです。というかそもそも募集しないです。わたしは大手企業から仕事をもらうことはほぼ諦めました。

おまけに大手企業から仕事をもらうメリットの1つに内外案件をもらえることがあげられますが、コロナ終息後は知財にかける予算もカットしていくでしょうし、内外案件は内製化する傾向にあるとわたしは予想しています。

あなたが独立開業で大手企業から仕事をもらいたい場合はいずれは特許事務員の数を増やしていく必要があると思います。

一方で、いやわたしは大手企業から仕事をいただかなくてもいいという人は特許事務を募集しなくてもよいと思います。

その理由を以下に解説していきます。

2.弁理士が特許事務員を雇わなくてもよい理由

理由は単純です。

特許事務の仕事をあなたが自分でやればいいだけだからです。

実際に筆者も特許事務の仕事を兼業しています。

よく弁理士が事務の仕事は大変だと言われますが、内外案件はおいといて、内内案件や外内案件であればそれほど大変というものでもないでしょう。

というか弁理士の実務の方がはるかに難しいです。実務ができるなら事務の仕事も難なくこなすことができるでしょう。

問題は期限管理ですが、期限管理はエクセルなどを使って手作業で作業してもよく、システムを導入すれば簡単に期限管理を行うことができます。

 

筆者はさらにRuby,Railsにて事務手続きのシステム化を構築しつつあり、今はそれほどの労力は使わず特許事務の仕事や期限管理を行っています。

例えば、請求書の作成にしても必要項目を入力するだけで自動的にPDFデータの請求書(印鑑あり)を出力できるようなツールを作っています。

 

もちろん事務員を雇うことで事務の手間を省くことができますが、未経験者など能力が十分でない人を雇う場合は教育する必要がありかえって負担がかかります。

また教育してもうまく対応できなくても、「ほなさいなら~」と言うこともできません。簡単にはやめてもらうこともできないのです。

また経験者を雇うとしても、就業時間外で仕事を依頼することができませんし、経験者を雇うとその分人件費も高くなります。

また特許事務員も人間ですからヒューマンエラーは必ずおこります。完全にミスなく対応できるというものではありません。

おまけに事務員をパートタイムであっても、正規であっても雇う場合は、労働法を知っておく必要があります。労働法を勉強するぐらいなら特許事務を勉強して自分でやってほうがはやいと思います。

そして特許事務も自分もやることでクライアントからの報酬はほぼ100%自分のものになります。

これが一番大きく、さらにサービス価格も安くすることで集客を有利にすすめることもできます。

以上の理由から大手企業をクライアントにもつことを目指さないのであれば特許事務員は雇わなくてもいいんじゃないかと思います。

あと補足すると、事務の仕事なんてできるのかなあと悩んでいる弁理士の方はそもそも独立に向いていないと思います。

事務に限らないことですが、HPの作成や営業チラシの作成まで「外注」に頼らずなんでもできるまさに「べんり屋」タイプの弁理士なら独立開業に向いていると思います。

3.特許事務員の雇うことのまとめ

以上をまとめると以下のとおり。

大手企業をクライアントにもちたいのなら特許事務員を雇い数を増やしていく。

 大手企業をクライアントにもつ必要がないのであれば特許事務員を雇わず自分でやる。

これが独立開業で導き出した筆者の結論です。

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