弁理士

商標の申請・登録でAIができることとできないことは?開発者が解説

投稿日:

悩み太郎

商標の仕事はAIで置き換わると言われるけど本当なのかな?

そうすると商標弁理士って今後苦しくなるんじゃないの?

こうした疑問に答えます。

弁理士やま

この記事を書いている人

  • ①弁理士試験(短答・論文必須・口述)1発合格
  • 特許事務所を独立開業。特許事務所サイトはこちら
  • ③Rubyで商標出願オンラインサービスを開発(開発期間2か月弱)
  • ⓸集客・売り上げがいまちでありすぐ撤退し方針転換
  • ⑤そして現在、2021年公開商標公報事務所ランキング第11位(京都第1位。関西第2位)←NEW(2021/2/5)(https://jp-ip.com/ranking/35733/2)
  • ※資格勉強法を発信。資格スクエアのYoutubeチャンネルにて勉強法を発信。
  • 弁理士の勉強法は「弁理士試験の勉強時間を1,500時間で合格するための勉強法」の記事で解説。

弁理士の仕事の中に商標の先行調査・申請代行・登録までの手続きがありますが、これら商標の仕事はAIに置き換わりやすいと言われています。

確かにこれら商標の仕事はAIに置き換わりやすいのですが、全てではありません。置き換わりやすいものと置き換わりにくいものがあります。

そこで本内容では、商標の仕事の中でAIに置き換わりやすいものと置き換わりにくいものについて解説していきます。

後半では商標弁理士の将来性についても解説していきます。

本内容の構成

1.商標の仕事の中でAIに置き換わりやすいものは?

2.商標弁理士の将来性について

3.商標とAIのまとめ

1.商標の仕事の中でAIに置き換わりやすいものは?

 

まずAIについて簡単に解説すると、AIは、プログラミング言語でコードを書いて実装することにより実現します。

プログラミング言語はさまざまですが、AIの実現に適したプログラミング言語として有名なのはPython・rubyであり、Pythonが最も適した言語ですが、商標出願のオンラインサービスを作るのであればrubyでも可能です(筆者経験済み)。

では、商標の仕事のうち、どの部分がAIに置き換わるかというと以下のとおりとなります。

先願調査 AIに置き換わりやすい
出願書類の作成 AIに置き換わりやすい
中間処理(拒絶理由に対する応答案の作成) AIに置き換わりにくい
登録・更新の手続き AIに置き換わりにくい

以下順番に解説します。

⓵先願調査

先願調査では、登録したい商標と、先願商標との類似性を判断します。

類似性によって、登録可能性が高い・低いの判定をします。

先願調査では「特許庁」には先願商標について膨大なデータがありますので、そこからデータをもらってAIに学習させて類似性を判断することができます。

調査結果と、審査官が判定する結果とは必ずしも一致するわけではないですが、精度は高いものと思います。

文字商標だけでなく画像商標にも適用でき、先願調査はAIに置き換わりやすいと言えます。

筆者が構築したサービスでは文字商標限定で、文字列の類似度を計算するgemをRails(Rubyのフレームワーク)に導入したりしました。

参考:「文字列の類似度を計算するgem

計算の結果類似度が80%以上なら登録可能性が低い、50%以上なら登録可能性はまあまあ、みたいな感じです。

これは特許庁からあらかじめ(登録したい)商標の文字を検索すると、似たような先願商標のデータが表示され、それをまとめたExcelデータを入手できるので、そのExcelデータを読み込んで、上記のgemで判定して類似度が高いものを一瞬で抽出できます。

これは先願調査としてはしょぼいかもしれませんが、現在公開されている商標オンラインサービスの先願調査システムはおそらくもっと機能性は高いと思います。(あくまでこんな感じでAIで置き換えることができますよ。と言う意味の一例で。)

②出願書類の作成

これは簡単にAIに置き換えることができます。

お客さんが入力する入力フォームを作成し、お客さんが出願情報(出願人の名前・住所・登録したい商標・指定商品・役務とその区分)を入力してもらうと自動で願書を作成するというものです。

rubyで簡単に作ることができます。

ただし、ここではお客さんがお手軽に入力しやすいようにインターフェイスを作ることが重要です。

例えば、お客さんが指定したいような商品・役務を提示してお客さんがチェックボタンを入力するだけで指定できるようなインターフェイスが理想です。

③中間処理(拒絶理由に対する応答案の作成)

これは現状、AIで置き換わることが難しいです。

応答案のフォーマット自体は簡単に作れると思いますが、拒絶理由に対して適切な応答をAIで導き出すことは現状困難です。

.もちろん、類似群コードが重複した指定商品・役務を削除する削除補正ぐらいのレベルであればAIでもできますが、補正なしで意見書のみで対応する場合、AIで置き換えることは難しいと思います。

このため、中間処理についてはまだまだ商標弁理士に頼らざるをえません。

⓸登録・更新の手続き

登録・更新の手続きについてはほぼ事務作業ですので最もAIに置き換えやすい部分といえます。

AIでシステムを作り上げれば、事務員を雇う必要はないので手数料を大幅に安くできます。例えば更新手数料を3000円くらいに設定して営業をかければ同業弁理士から仕事を奪うこともできるかもしれません。(筆者はやってないですが…)

2.商標弁理士の将来性について

以上のとおり、商標の仕事のうち中間処理以外はほぼAIに置き換わるといってよいと思います。

実際に、AIを用いたサービスを展開している特許事務所・サービス会社は、現在商標出願ランキングで1位と2位です。

>>「2021年公開商標公報 事務所ランキング

弁理士やま
ちなみに筆者の特許事務所は第11位です!京都で1位!!

このデータの興味深いところは、商標公報のランキングでは大手はそれほど上位に入っていないのに対し、特許公報のランキングでは上位はほぼ大手であるという点です。

つまり、新規参入者は商標で台頭できるけど、特許では難しいということを意味しており、特許の分野はAIで置き換わることが難しいということにつながると思います。

では、1位と2位と同じく、AIを組み合わせた商標オンラインサービスをやるべきかというとそれは不要かと思います(筆者も失敗を経験済み)

1位2位が強すぎて、AI商標の後参者が入る余地なしと思います。

つまり内内商標はもはや終焉のように思います。特に独立を目指す場合ここをやると廃業率高いと思います。

独立弁理士で失敗・廃業しやすい人の特徴は?

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商標をやるなら内外商標・外内商標がおすすめかと。3位以降の大手以外も外内の割合は高めの傾向と思います。

あるいは商標やめて特許をやるとか。

ただし、外内の場合事務を雇うとコスパ悪くなるのでプログラミングはできるようになったほうがよいと思います。

士業がプログラミングできるメリットは2つだけ

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3.商標とAIのまとめ

商標の仕事のうち、どの部分がAIに置き換わるかというと以下のとおりとなります。

先願調査 AIに置き換わりやすい
出願書類の作成 AIに置き換わりやすい
中間処理(拒絶理由に対する応答案の作成) AIに置き換わりにくい
登録・更新の手続き AIに置き換わりにくい

本内容では弁理士に関する情報を他にも発信していますのでご参考に!

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