
弁理士試験って2~3年かかるし、合格しても数百万円年収が上がるだけか。
資格をとることは割りに合うの?
こうした疑問に答えます。

この記事を書いている人
- ①弁理士試験(短答・論文必須・口述)1発合格
- ②中小規模の特許事務所に入所
- ③中小規模の特許事務所に入所
- ④大手法律事務所に入所
- ⑤現在特許事務所を独立開業
- ⑥2021年公開商標公報事務所ランキング第11位(京都第1位)←NEW(2021/2/5)(https://jp-ip.com/ranking/35733/2)
- ※資格勉強法を発信。資格スクエアのYoutubeチャンネルにて勉強法を発信。
- 弁理士の勉強法は「弁理士試験の勉強時間を1,500時間で合格するための勉強法」の記事で解説。
弁理士の平均年収は700万円前後と言われています。くわしい年収の話はこちらで解説中。
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弁理士の年収は働き方で4つのタイプがある【稼ぎ方も解説】
続きを見る
筆者はもともと零細ブラック企業出身ということもあり、年収700万円はとても魅力的だったのですが、大企業に勤めているサラリーマンにとって、正直平均年収700万円は微妙のように思う方も多いと思います。
「なんだ…弁理士って合格に2~3年かかるわりには割りに合う資格といえないじゃん。」と思うかもしれません。
しかし、弁理士をとることのメリットは年収の高さではありません。(こういうと弁理士は稼げない・・・と思われるかもですが正しい方向で努力すれば稼げます。くわしくは「弁理士で稼げない人の特徴は3つのタイプに分かれると思う」の記事をご参考に。)
そこで、今回は弁理士をとることの本当のメリットについて、弁理士である筆者の考えを語っていきたいと思います。
本内容の構成
1.弁理士をとることの本当のメリットは1つだけ
2.サラリーマンが弁理士を目指すタイミングは?
3.弁理士のメリットのまとめ
1.弁理士をとることの本当のメリットは1つだけ
弁理士をとることのメリットは、「サラリーマン生活をしなくてよい」ということです。
以下は、関連ツィート。
個人的に僕は、弁理士という仕事は、大企業に入ったけど向いていなかった、あるいは大企業に入れなかったけど勉強はコツコツ真面目にやってきた人たちのための救済措置的な資格だと思っている。
— やま (@syohyo_kozo) January 5, 2021
社会人のほとんどはサラリーマンになります。
しかし、サラリーマンの生活に向いていない人は意外と多いんではないでしょうか。
- 毎日朝9時に出勤。満員電車…
- 頻繁に行われる会議。
- 仕事はチームワーク。協調性が求められる。
- 出張。移動時間で半日を過ごす。
- 転勤もありうる。
- 年功序列制。若いうちは給料安め。
- 定期的に行われる飲み会。
筆者はサラリーマン生活を否定しているわけではないです。
大企業に勤めることが社会人にとって1番ベストな選択肢だと思いますし、新卒で大企業に就職し、20代で結婚し、その後30歳前後で役職について昇進していくことがいわゆる人生の勝ち組であり、羨ましい人生だと思います。
しかし、会社の環境がどれほど素晴らしいものであってもサラリーマンの生活が合わない人もいるわけです(かくいう筆者もその一人。企業知財部に出向したときに「ああ。サラリーマン向いていないわ。」と思いました。出向先の環境はとても素晴らしいところでしたが・・・)
そして、そうしたサラリーマンの生活が向いていない方のための救済措置的な位置づけが「弁理士」なのです。これが弁理士をとることのメリットです。
弁理士をとれば、先ほど例示したものは逆転します。(これはブログで何度も言ってますがもう一度。)
サラリーマン生活 | 弁理士生活(特許事務所勤め) | |
出社時間 | 朝9時など決まった時刻 | フレックス制度採用。時間をずらしてOK 最近はリモワも多い? |
会議の有無 | チーム会議や打ち合わせ会議が多い | 業務の進捗報告が週1あるかどうか 大手の場合はそれすらないところが多い |
仕事 | チームワーク。協調性が求められる | 基本的に個人プレー。 自分の裁量でやりやすい。 |
出張・転勤の有無 | いずれもあり。 | ほぼなし。 打ち合わせの面談で出張することはあるが、 今はスカイプ面談などが主流であることが多い。 |
制度 | 年功序列制 | 実力主義制 但し一部の特許事務所は年功序列制 |
飲み会・縦の関係 | あり | ほぼなし。 誰とも会話しないこともある。 これがよいかの悪いのかは人それぞれだが・・・ |
なお、サラリーマン生活をしなくてよいのなら、弁理士に限らず「士業」一般に言われることでは?と言われるかもですが、その中でも仕事が安定しているのが「弁理士」といえます。
行政書士は求人先がないですし、社労士・司法書士は事務所の規模が大きくなかったり、事務所に入所しても給料が安かったりする場合が多いと聞きます。
これに対し、弁理士は独立開業せず、特許事務所に勤めても年収700万円くらいは稼ぐことはできますし、30代で年収1,000万円以上稼ぐことも可能です。年収の稼ぎ方はこちらの記事で解説しています。
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弁理士の年収は働き方で4つのタイプがある【稼ぎ方も解説】
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このため、これから弁理士を目指そうと考えている方にとっては、年収が高くなるかどうかを判断基準とするよりも、こうしたサラリーマンを辞められることで弁理士をとることが理にかなうかどうかを考えてみることをおすすめします。
あわせて読みたい記事。
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弁理士に向いている人は大きく2つのタイプに分かれると思う
2.サラリーマンが弁理士を目指すタイミングは?

う~ん・・・。サラリーマン向いてなさそうだし弁理士目指そうかなあ。
しかし、資格勉強もしないといけないし、特許事務所へ転職もしないといけない・・・
動くタイミングはいつにすべきか悩むなあ。
弁理士を目指すタイミングの選択肢は以下の3つが考えれます。
- ⓵とりあえずサラリーマンをしながら弁理士の資格勉強をする
- ※⓵についてはさらに2つのタイプがあります。
- ⓵-A「短答」試験に合格したら特許事務所へ転職する。
- ⓵-B「弁理士試験」に合格したら特許事務所へ転職する。
- ②サラリーマンを辞めて弁理士の資格勉強をする(資格浪人)
- ③サラリーマンを辞めてまずは特許事務所へ転職する。働きながら弁理士の資格をとる。
ちなみに筆者は①を途中で辞めて②に切り替えました。
筆者の場合は零細ブラックなので参考にならないかもですが、辞めてもリスクはそんなになかったから(続けようがやめようが地獄には変わらない)です。
しかし、大企業となるとそうではありません。大企業を辞めることは大きなリスクですし、「やっぱり弁理士に魅力なくなった」と言って出戻りは困難です。
そこで、筆者としては、①-Aの選択肢をとることが1番リスクが低くおすすめではないかと思います。(大企業などやめるともったいないことにリスクある方限定。)
筆者も短答試験に合格した時点で転職活動を始めました。
短答に合格すると、弁理士のポテンシャルが認められ、未経験でも転職しやすくなりますし、「短答」合格の有無で初年度の年収の提示額も違ったものとなると思います。
また短答だけなら1年合格も十分に可能ですし、モチベーションも持続しやすいです。
③でも問題はないと思いますが、事務所選びを慎重にしないといけず、合わない事務所に入ってしまうと悲惨になります。
参考記事を貼っておきますので、あわせてご覧ください。
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【2021年】特許事務所でやめとけと思う事務所ランキング
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特許事務所ではどこがブラックでどこがホワイトなのか?
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3.弁理士のメリットのまとめ
以上、弁理士をとることのメリットは、「サラリーマン生活をしなくてよい」ということです。
本ブログは弁理士について様々な記事を発信しています。
目次はこちらです。興味があればご覧ください。
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弁理士とは?弁理士試験から仕事・独立開業まで解説
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