
知財の資格を知りたい。
その中で自分に合った資格を見つけたい。
こうした疑問に答えます。

この記事を書いている人
- ①弁理士有資格者。
- ②試験勉強法を発信。資格スクエアのYoutubeチャンネルにて勉強法を発信。
- ③弁理士の勉強法は「弁理士試験の勉強時間を1,500時間で合格するための勉強法」の記事で解説③
知財の資格には以下の5つがあります。
- ①弁理士
- ②知的財産管理技能検定
- ③ビジネス著作権検定
- ④知的財産翻訳検定
- ⑤AIPE認定知的財産アナリスト
本内容では、5つの知財の資格について、「受験資格」「難易度」「メリット」「転職の有利度」「コスパランク」を筆者の独断と偏見で紹介していきます。
本内容の構成
1.知財の資格を5つ紹介
2.知財の資格の中でおすすめは?
3.知財の資格のまとめ
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1.知財の資格を5つ紹介
知財の資格には以下の5つがあります。
- ①弁理士
- ②知的財産管理技能検定
- ③ビジネス著作権検定
- ④知的財産翻訳検定
- ⑤AIPE認定知的財産アナリスト
以下順番に解説していきます。
①弁理士
受験資格 | なし |
難易度 | 「A」 |
メリット | ・知的財産の出願業務など独占業務ができる。 ・「弁理士」の肩書がつく。信頼度が上がる。 ・転職・独立に有利。 |
転職の有利度 | 特許事務所への転職に有利。 ただし企業知財部への転職は難しい。 |
コスパランク | 「A」 |
弁理士は難易度は高めと言われていますが受験資格もなく、資格に合格すれば独立・転職に有利となり高年収につながります。
参考①:「弁理士試験の難易度と合格率はぶっちゃけ気にしなくてもよい理由」
参考②:「弁理士の年収は働き方で4つのタイプがある【稼ぎ方も解説】」
このブログではよく言っていますが、士業の中でも弁理士のコスパは最強ランクと思っています。
「コスパのいい資格はどれか?9つの士業をランキング形式で徹底比較」
もし知的財産を本業とするのなら弁理士を目指すことをおすすめします。
②知的財産管理技能検定
受験資格 | 1級:知財業務の実務経験4年以上 または2級技能検定合格者(1年以上の実務経験必要) 2級:知財業務の実務経験2年以上または3級技能検定合格者 3級:特になし |
難易度 | 1級:「B」、2級:「C」、3級:「D」 |
メリット | 「知的財産管理技能士」の名称独占資格。 合格者限定の交流会に参加できる。 |
転職の有利度 | ほぼ期待なし。 ただし社内のキャリアアップに有効と思われる。 |
コスパランク | 「C」 |
受験資格情報についてくわしくは以下のサイトをご覧ください。
>>「受験資格」
知的財産管理検定とは、発明・意匠・商標・著作物を正しく保護・運用する業務を正しく行えるかどうかを検定するものです。
資格に合格すると「知的財産管理技能士」の名称を名乗ることができます。
1~3級まであり、1級の合格率は10%以下とレベルが高く、2級あたりまであれば十分といえます。
対象は企業知財部であり、知的財産を幅広く勉強できるとともに、資格をとることで知的財産に関する知識が十分にあることが認められ社内のキャリアアップにつながりやすいです。
また、知的財産管理検定に合格すれば、知的財産管理技能士会の勉強会や交流会に参加することができます。
知的財産管理検定の合格者はほとんどが企業知財部出身の方であり、弁理士や特許技術者が検定に合格して勉強会や交流会に参加すれば人脈の幅が広がり、集客につながりやすいというメリットもあります。
一方、転職の有利度については、特許事務所で特許事務を志望する方であれば有利であると思いますが、それ以外の場合転職で有利となることはないと思います。
③ビジネス著作権検定
受験資格 | 特になし(BASIC・初級・上級の3つのタイプがある。) |
難易度 | 「E」 |
メリット | 「著作権」について知識を深めることができる |
転職の有利度 | なし。著作権を学びたいクリエイター向け。 |
コスパランク | 「E」 |
著作権に関する民間資格です。
知財の業務で著作権を担当するケースはほとんどなく実務者がとるメリットはあまりないと思います。
どちらかといえば自身の作品を保護する目的のために著作権を学びたいクリエイター向けの資格と言えます。
④知的財産翻訳検定
受験資格 | 特になし。1級~3級まである。 |
難易度 | 1級「B」2級「C」3級「D」(1級の目安はTOEIC700以上) |
メリット | 特許翻訳を学習することができる。 転職に有利。肩書がつく。 |
転職の有利度 | 特許事務所で翻訳希望であれば有利。 またフリーランスでも肩書があれば仕事をとりやすい。 |
コスパランク | 「C」 |
知的財産翻訳検定は、特許翻訳のスキルを検定するものです。
特許の分野は電気・電子工学、機械工学、化学、バイオテクノロジーとさまざまですが、自分にあった分野を選択して受験することができます。
1級は相当難しいですが、資格に合格すると十分な特許翻訳のスキルを有すると認められ、特許事務所への転職、フリーランスでの活動に有利となります。
また、英語に限らず、中国語・ドイツ語の検定もあるようです。
参考:「公式サイト」
⑤AIPE認定知的財産アナリスト
受験資格 | 弁理士・知的財産管理技能士(1級・2級)など特定の資格を有すること |
難易度 | 「?」受講してレポートを提出し、提出したレポートで評価される。 |
メリット | 「知的財産アナリスト」の名称独占資格。 経営戦略の立案やファイナンスについて学ぶことができる。 |
転職の有利度 | ほぼ期待なし。知名度もなく期待できないと思われる。 ただし社内のキャリアアップに有効と思われる。 |
コスパランク | 「D」 |
知的財産アナリストは、知財の適正管理を通して企業経営をサポートします。
経営戦略の立案やファイナンスについて学ぶことができるので、知財コンサルタントに興味があれば受講してもよいように思います。
ただし転職などについては、知名度もなさそうですし期待できないように思います。
2.知財の資格の中でおすすめとまとめ
おすすめは以下のような感じです。
- ①弁理士「おすすめ度:A」➤知的財産を本業にしたいなら1択。
- ②知的財産管理技能検定「おすすめ度:C」➤キャリアアップしたい企業知財部向け。
- ③ビジネス著作権検定「おすすめ度:E」➤クリエーター向け。実務者は取る意味ほぼなし。
- ④知的財産翻訳検定「おすすめ度:C」➤特許翻訳を本業・副業とするならとって損はない。
- ⑤AIPE認定知的財産アナリスト「おすすめ度:C」➤知財経営・コンサルタントもやりたいなら。
②~⑤については、おすすめは対象でしぼられる感じです。
知的財産に興味があって本業としたいなら弁理士1択です。
>>参考:「弁理士試験の概要・ガイドの合格まとめ記事」