弁理士

弁理士と弁護士で迷ったら弁理士を選べと思う理由

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悩んでいる人

知財をやりたい。弁理士と弁護士のどちらに進もうか迷うな。

どっちがおすすめなんだろう。

こうした疑問に答えます。

士業男子やま

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弁護士は士業の王(キング)であり最強の資格です。

弁護士になれば弁理士に登録できますし、いわば弁護士は弁理士の上位互換のようなものです。

法律事務所に勤めていましたが、弁理士である筆者はいろんな面で弁護士の足元に及びませんでした。

しかしながら、知財をやりたくて「弁護士」と「弁理士」で迷っているなら「弁理士」をおすすめします。

なぜ下位互換である弁理士をおすすめするのか。本内容でくわしく解説します。

本内容の構成

1.弁理士と弁護士の違い

2.弁理士と弁護士で迷ったら弁理士をおすすめする理由

3.弁理士と弁護士のまとめ

1.弁理士と弁護士の違い

弁理士と弁護士でできることとできないことをまとめると以下のとおりです。

弁理士 弁護士
知財の出願業務 〇(弁理士の独占業務) △(弁理士に登録すればできる。)
知財の係争業務 〇(弁護士の独占業務)

弁護士の場合、司法試験に合格すれば弁理士の資格ももてることになります。

弁護士だけでなく弁理士も登録することで、知財の業務のすべてを行うことができます。

一方、弁理士は知財の業務範囲のうち係争業務については有償でサービスを行うことができません。

係争業務とは、行政庁に対する不服申し立て・侵害訴訟の代理業務が挙げられます。(参考:弁護士法第72条)

 弁護士法 第72条

 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

例えば、弁理士は拒絶査定不服審判や無効審判の請求を代理することは可能ですが(独占業務(裁定業務))、審判が認められない場合、行政庁に不服を申し立てることはできません。

また、弁理士は知財の侵害訴訟を代理することもできません。あくまで弁護士がメインであり、補佐人という位置づけです。

(なお、弁理士は付記試験に合格すると付記弁理士として訴訟代理人ができますが、単独で代理することができず、弁護士と共同でないとできません。)

このため、弁理士のメイン業務はほぼ出願業務だけということになります。出願業務についてはこちらをご参考に。

>>「弁理士の仕事内容の現実は?【1日の仕事スケジュールもここだけ公開】

このように、弁理士は弁護士と異なりやれる業務範囲が限定的です。

そうすると弁護士の方がやれる範囲も広がるし、弁護士を目指した方がいいんじゃないかと思われるかもしれませんがコスパを考えると筆者は弁理士を推します。 

2.弁理士と弁護士で迷ったら弁理士をおすすめする理由

知財をやりたくて弁理士と弁護士で迷ったら弁理士をおすすめする理由は以下のとおりです。

①登録までの時間が早くすむ。➤最短1年。弁護士は最短2年でしかもハードル高し。

②登録までの費用が安くすむ。➤弁理士30万(事務所に出してもらえば0)。弁護士は数百万(法科大に入る場合)。

弁理士でも仕事も年収も安定。➤年収は劣るが仕事に困ることはほぼない。

④プライベートの時間をとりやすい。➤弁護士の方が忙しい印象。

⑤係争案件はあまり仕事がない。➤知財はほぼ出願業務。

⑥仕事があっても弁護士と共同でやればよいだけの話。➤単独にこだわらなくてもよい?

筆者は正直係争案件にあんまり興味がないので「弁理士」で十分でした。

順番に解説していきます。

①登録までの時間が早くすむ。

弁理士 司法試験(弁護士)
受験資格 なし 法科大学院修了者
司法試験予備試験合格者
必要な勉強時間(よく言われる時間) 3,000時間 6,000時間
合格から登録までの流れ 1か月ほどの研修を修了すること 司法修習(1年)
考試に合格すること
登録までの最短期間 1年 2年以上

受験から登録までをまとめると上のとおりになります。

必要な勉強時間が2倍くらい差があるので、難易度も2倍くらい違ってくるのではないでしょうか。

しかも法科大学院の場合は修了に2年間必要ですし、法科大学院を修了しない場合、予備試験からスタートであり、3年以上かかることになります。

これに対し、弁理士試験の場合、受験資格はなしのため、最短で1年で合格可能です。

実際に筆者は2年で合格しました。(短答1発合格、論文必須1発合格、選択試験不合格➤院卒なので翌年免除、口述試験1発合格)

勉強時間は1,500時間ほどであり、司法試験に比べるとそれほどの難易度ではないと思います。

参考①「弁理士試験の勉強時間を1500時間で合格する勉強法を合格者が解説する

参考②「弁理士試験の難易度と合格率はぶっちゃけ気にしなくてもよい理由

②登録までの費用が安くすむ。

弁理士 弁護士
試験勉強にかかる費用 25万~40万 法科大学院の学費200~300万(相場)
司法試験対策の費用 20~40万(相場)
研修費用 18万 司法修習では、
逆に月額135,000円給付される
入会費 3万5800円 日弁連の登録費用 3万円
各地域の弁護士会の登録費用
3~60万円(地域によってばらばら)
年会費 18万 平均60万(地域によってばらばら)
筆者の感想 筆者の場合、40万ちょい。
研修費用・入会費・年会費は特許事務所に負担してもらった。
法科大学院に通う場合は合計400~500万くらい必要。

弁護士の費用については以下の記事を参考にしました。

参考①「弁護士になるには費用はどのくらい?いち社会人が司法試験合格 司法修習修了まで

参考②「弁護士会の会費はむちゃくちゃ高い、高い学費、高い会費に見合う仕事なのか?

弁理士の場合も高いなあと思ったのですが弁護士はレベルが違います。

司法修習では毎月135,000円の給費が出ますが、アルバイトなど禁止だそうです(ばれたら…想像しただけで恐ろしい…)。

おそらくどこかの法律事務所へ入所すれば入会費・年会費などは負担してもらえるでしょうが、法科大学院に通うと学費が数百万円必要です。

弁理士も高いといえば高いですが、士業の中ではまだましな方ですし、コスパよしといえます。

仕事・年収・プライベートも安定

一般的に弁護士の方が年収は高い傾向ですし仕事の幅も広く一見すると弁護士の方がおすすめのように思えます。

確かに年収は高めですが、それは大手法律事務所に入所した場合のようでして、中小規模の法律事務所の場合はそれほどでもないようです。(あくまで印象。)

また、中小規模の場合、年会費など負担してくれるのかどうか微妙なところもあります。

また大手法律事務所に入所すると確かに年収は高いものの激務が待っているようです。

一方で、弁理士の場合、弁護士ほど年収は高くはないですが、実務に慣れていけば、800万円あたりで残業毎日1時間以下で、仕事とプライベートをうまく両立させることができます。

これは、弁理士の業務が出願業務に限定されるがゆえに、かえって出願業務を毎日やり続けることで生産性が向上していき、仕事の処理速度も速くなり、早く仕事を済ませてプライベートを充実させるというワークライフが可能となるものと思います。

出願業務に限定されますが、出願業務のニーズは一定量ありますし(特に特許)、食いっぱぐれることもないと思います。

弁理士の年収については「弁理士の年収は働き方で4つのタイプがある【稼ぎ方も解説】」の記事もあわせてご覧頂ければと思います。

④係争案件はあまり仕事がないし、あっても弁護士と共同でやればOK

また、知財の業務のほとんどは出願業務でして、係争業務ってそれほどないんじゃないかと思ってます(単に筆者のまわりに仕事の案件がまわってきてないだけかもしれませんが笑)

また、係争案件をやりたいと思ったなら別に単独でやらなくても弁護士と共同でやればよく、係争案件を単独でやるために司法試験を受験するのはどうみてもコスパがよくないように思います。

3.弁理士と弁護士のまとめ

以上、弁理士と弁護士についてまとめました。

筆者は弁護士に憧れもありますし、なれるものならなってみたいですし尊敬もしていますし、士業最強だと思いますが、コスパでいうなら弁理士の方をおすすめします。

参考①他の士業のコスパランキング:「コスパのいい資格はどれか?9つの士業をランキング形式で徹底比較

参考②弁理士試験の勉強法:「弁理士試験の勉強時間を1500時間で合格する勉強法を合格者が解説する

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