
特許事務所に転職したい。
しかし特許事務所の面接ってどんな感じなのだろう。
企業の面接より難しいのだろうか。筆記試験もあるけどどんな問題が出るのか教えてほしい。
こうした疑問に答えます。

この記事を書いている人
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- 特許事務所を2所と大手法律事務所を1所経験。知財の転職まとめ記事は「知財の転職・求職情報のまとめ記事【体験談あり】」。
- 現在、現在特許事務所を開設。
- 試験勉強法を発信。資格スクエアのYoutubeチャンネルにて勉強法を発信。
- 弁理士の勉強法は「弁理士試験の勉強時間を1,500時間で合格するための勉強法」の記事で解説。
筆者は特許事務所と法律事務所の転職を3回経験しました。転職活動を3回行い、結構な数の特許事務所と法律事務所を受けてきました。
そこで、本内容は、筆者の経験にもとづいて、特許事務所の面接の傾向と対策と筆記試験の傾向と対策について解説していきます。
筆者は特許技術者と弁理士として特許事務所の転職を受けましたので、今回の記事は特許技術者と弁理士を目指している方向けに書いています。
本内容の構成
1.特許事務所の転職活動の内定までの流れ
2.特許事務所の筆記試験の傾向と対策
3.特許事務所の面接試験の傾向と対策
4.特許事務所の面接と筆記試験のまとめ
1.特許事務所の転職活動の内定までの流れ
特許事務所の転職活動の内定までの流れは上図のとおりです。
①履歴書提出
職務経歴書も必要。企業と異なり、手書きでなくてもOK。
メールに履歴書と職務経歴書を添付して送ってもOKなところが多い。
②筆記試験
特許事務所によってさまざま。未経験でも経験者でも必須の試験であり重要性は高い。具体的な試験内容は後述。
③面接試験
通常1回のみ。2回目以降は所長と顔見せ面接かあるいは年収交渉のための面接が多い。
筆記試験と1回目の面接試験は同じ日に行われることが多い。
④企業知財部の転職との比較
特許事務所 | 企業知財部 | |
弁理士資格の有利度 | 大 | 小 |
筆記試験の有無 | 有 | 無 |
面接の回数 | 1回~2回 | 2回以上 |
職歴の重要性 | 無くてもOKのところもある | ほぼ必須(企業経験) |
企業知財部の転職と比較すると、特許事務所への転職は易しい傾向にあります。
また、特許事務所への転職活動を始めた場合、開始から内定をもらえるまで大体1か月くらいであり、企業と比べると早く決まります(面接回数が少ないためと考えられます。)
では続いて具体的に「筆記試験」と「面接試験」の傾向と対策について解説していきます。
2.特許事務所の筆記試験の傾向と対策
特許事務所の筆記試験としては以下のようなものがあります。
- ①特許法の簡単な知識問題
- ②理系の専攻科目の問題(大学院の院試レベル)
- ③英文レターの作成(和訳と英訳)
- ④技術文献・特許文献の和訳(経験者向け)
- ⑤簡単なクレームドラフティング(経験者向け)
- ⑥拒絶理由に対する応答(経験者向け)
- ⑥やたら問題数が多い総合問題(①~⑤等を含む)
特許事務所によって試験問題はまちまちです。
このため、あらかじめ筆記試験を受験した知り合いに聞いてみるとよいと思います。(試験問題の内容は変更することはあまりないと思います。)
ちなみに筆記試験は誰もいない個室で行われます。たいてい試験が終わったら声をかけにいったり、試験終了時間に面接官が戻ってくることが多いです。
このため、カ〇ニングをやろうと思えばできるんじゃないの?と思いますがやっちゃだめですよ!
一般的に、未経験者の場合、①特許法など知財の簡単な知識問題と③英文レターの作成(和訳または英訳)の両方の問題が多いです。
弁理士試験の短答試験に合格した方であれば、前者は余裕で回答できます。
後者については、たまにスマホでわからない単語を調べてもいい場合があります。(単語を知っているかどうかより英文法の基礎知識があるかを確認していることが多いです。)
また、理系のバックグラウンドを確認するために理系の専門科目の知識問題を筆記試験としているところもあります。
筆者の経験では数か所ありましたが、レベル的に院試レベルで相当難しい印象でした。
さらに経験者の場合では④特許文献の翻訳と⑤簡単なクレームドラフティングを筆記試験として出題するところもあります。
特にクレームドラフティングについては、あらかじめ問題を知っている場合と知らない場合では大きく差がでてきます。
また、本格的に拒絶理由に対して意見書を書かせたり、事例の拒絶理由に対して解消する方法を論述させるところもあります。
意見書の提出は1週間など時間をもうけてその間にメールなどで提出する必要があります。
最後にやたら問題数が多い総合的な問題を制限時間内に解かないといけない筆記試験のタイプもあります。
これは知識の理解度などを見ているよりも、たくさん処理しないといけないことに対し、「要領」よく対処できているかどうかを見ている試験のようです。
手っ取り早い対策としては、すでに筆記試験を受けた方に問題の内容を聞いてみることです。
たいていの場合、試験問題の内容は何年たっても変わらないと思います。聞いたうえで準備をたて、筆記試験にのぞまれたほうが上手く行きます。(大学のときに先輩に過去問を教えてもらうみたいな感じに似ています。)
あるいは転職エージェントに登録すると、具体的な問題は教えてもらえないですがどういう問題が出るのかを教えてもらえるところもあります。(筆者も2か所目の特許事務所は転職エージェントを利用したのですが、そこで筆記試験がどんな問題がでるのか教えてもらいました。)
3.特許事務所の面接試験の傾向と対策
特許事務所の面接試験は具体的に以下のような感じです。
- 1回目の面接で上司と所長(あるいは副所長と所長)(大手の場合所長はパートナー)が出てくる。
- 自己PR(学生時代の専攻科目と職務経歴について)。どちらかというと内面・人間性より、何の専門のバックグラウンドを見ている。
- 英語力(TOEICや英検の資格は書いた方がいい。)も見ている。
- やる気(意外と重要。おそらく特許事務所は離職率が高くやめてほしくないからか!?)を見ている
- 特許法などの知識がどのくらいあるか
- 前職の年収
特許事務所の面接では内面・人間性はあまり深く見られない傾向にあります。
筆者は、新卒で「大人しいから落とした」と人事に言われたことがありましたが笑、このような理由で落とす事務所はないと思います。
筆者は、新卒の就活で面接50社くらい?お祈りであり、未経験で特許事務所へ転職した時も難しいだろうなあと思っていたんですがなんと2~3所目くらいでいきなり内定もらえました。
職務経歴はなくても「やる気」があれば内定をもらえるところもあります。
実際に、筆者の場合、1か所めの面接で所長から筆者の職務経歴が不十分であり、内定の要件を満たしていないと言われました。
しかしそれに代わるものとして「やる気」が重要とその所長は言っていました。
経験的に内定をもらうためには「素直さ」「謙虚さ」「やる気」の3つのアピールが重要と思います。
また、面接の場は「採用してもらえる」という受け身の立場ではなく、自分がこの特許事務所でやっていけるかどうかを見極めるところでもあります。
特に中小の特許事務所は所長が絶対的な権限をもっていることが多く、所長との相性はとても重要です。
自分が所長と人間的に合っているかどうかとか所長の指導のやり方などどんどん質問していくことをおすすめします。
4.特許事務所の面接と筆記試験のまとめ
以上、特許事務所の面接と筆記試験についてまとめました。
本記事では特許事務所を含む知財の転職の情報も発信しています。
まとめ記事はこちら。「知財の転職・求職情報のまとめ記事【体験談あり】」
また、面接が苦手と言う方や年収の交渉が苦手と言う方は転職エージェントを利用することもありです。
特にリーガルジョブボード(無料)では特許事務所の内部情報も詳しく役に立つと思います。