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行政書士の申込者数がここ5年間で最高らしいな。
今後も受験者数は増えていくのだろうか。
受験者数が増えると試験の難易度が難しくなったりしないのだろうか。
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こうした疑問に答えます。

この記事を書いている人
- 行政書士有資格者(弁理士試験合格のため)
- 弁理士で独立開業。
- 経験に基づいた試験勉強法を発信。資格スクエアのYoutubeチャンネルにて勉強法を発信。
行政書士の申込者数はここ5年間で最高を記録しています。
>>「「コロナ禍」も影響か 令和2年度「行政書士試験」申込者 過去5年最高 5万4847人」
とはいうものの一昔前と比べると、申込者の数はまだまだ少なく、「微増」といった感じです。
行政書士の申込者の推移は以下のとおり。
H23 | 83,543人 |
H24 | 75,817人 |
H25 | 70,896人 |
H26 | 62,172人 |
H27 | 56,965人 |
H28 | 53,456人 |
H29 | 52,214人 |
H30 | 50,926人 |
R1 | 52,386人 |
R2 | 54,847人 |
H23年~30年までは大幅に減少していました。
しかし今後は行政書士の受験者数は増加することが予想されます。
筆者は、今後2~3年間に、60,000~70,000人あたりまで爆増すると予想しています。
なぜそこまで増加するといえるのか。本内容では行政書士の受験者数が爆増するといえる理由と、増加した場合の試験の難易度は高くなるのかについて解説していきます。
本内容の構成
1.行政書士の受験者数が今後爆増するといえる理由
2.行政書士の受験者が爆増したら試験の難易度の影響は?
3.行政書士の受験者が爆増したら今後は食えるのか?
4.行政書士の受験者のまとめ
Contents
1.行政書士の受験者数が今後爆増するといえる理由
行政書士の受験者数が今後爆増するといえる理由は以下のとおりです。
①コロナ禍はあと1~2年続くと考えられるから(➤暇になった➤とりあえず資格をとろう➤じゃあ行政書士とろうという人が増加。)
➤時間に余裕ができ、資格をとろうとする人が増加。
②雇用情勢が変化したから(2018年~)(➤俺もリストラされるかも…➤保険に資格とっとくか➤じゃあ行政書士とろうという人が増加。)
➤早期退職・リストラのリスクに備えて保険の位置づけで資格をとろうとする人が増加。
③行政書士は食えないのは嘘であることがばれてきたから(➤実は食えるのか…➤じゃあとろうという人が増加。)
➤一発逆転を狙って資格をとろうとする人が増加。
※年齢別としては、20代はほぼ変わらず、30代以降から大きく増加すると予想される
以下では、それぞれの理由についてさらに深堀して解説していきます。
①コロナ禍はあと1~2年続くと考えられるから
現在2021年1月6日。コロナの終息にあたり治療薬としてワクチンが使えることが重要ですが、ワクチンが使えるまでにあと1~2年は必要と言われており、コロナ終息は2022年以降のようです。
参考:「「コロナ禍」はいつまで続く?:2022年終息説ほかいくつかのシナリオ」
コロナ禍では、自宅でひきこもることが多く、時間に余裕も生まれますし、自己啓発などの理由で資格をとろうと考える人は増えます。
特に高齢の方は、コロナ感染のリスクが若年者よりも高いため、自宅でひきこもる方が多く、資格をとろうとする方は多いです。
そうすると、高齢の方はどんな資格をとるのか?という話ですが、実は「行政書士」くらいしかありません。(行政書士の登録者のうち50歳以上の割合は過半数以上。)
というのは、高齢の方にとって、転職のための資格というよりも自分が独立するための資格というのが重要であって、独立のために「行政書士」というのはとても便利な資格であるからです。(参考:「行政書士のメリットはたった1つだけ|デメリットとやめとけと思う人も解説」)
おまけに行政書士の試験科目というのは、専門的すぎず「民法」「行政法」など勉強して損はない科目ばかりであり、高齢の方でも勉強がしやすいという理由も考えられます。
行政書士の申し込み期間は7~8月。コロナ感染が本格的に問題になったのは2~3月以降です。
コロナ感染が本格的に問題になった時期と、行政書士の申し込みの時期の間隔は小さく、今年の行政書士の申し込み者が増えた要因はコロナ禍の影響は少ないと思います。
コロナ禍による行政書士の申し込み者・受験者数の増加の影響は今年からでてくるものと予想されます。
②雇用情勢が変化したから(2018年~)
2018年頃から、黒字経営をしている大企業でも早期退職制を導入するところが増えてきました。
さらにその翌年には「終身雇用は難しい」発言がでてくるなど、定年まで働けるのか?と40代以降のサラリーマンの方は疑問を持ち始めた方も多いと思います。
そのため、早期退職・リストラのリスクに備えて、今後も資格をとろうとする人が増えてくることが予想されます。
この兆候は令和1年(2019年)あたりからでてきており、2019年の行政書士の申し込み者数は前年の行政書士の申し込み者数よりも増えています。
しかし、ここで注目したいのが、資格の中でも行政書士だけが、申込者数が増えており、社労士・司法書士と言った他の士業については申込者数が増えていないのです。(司法書士についてはむしろ減少。)
司法書士 | 社労士 | 行政書士 | |
H27 | 21,754 | 52,612 | 56,965 |
H28 | 20,360 | 51,953 | 53,456 |
H29 | 18,831 | 49,902 | 52,214 |
H30 | 17,668 | 49,582 | 50,926 |
R1 | 16,881 | 49,600 | 52,386 |
この理由は、資格をとって転職しようというモチベーションはないが、早期退職・リストラのリスクに対する保険としてとりあえず資格をとっておくかと考えている人が増えたことが大きいと予想されます。
「司法書士」「社労士」は難関資格と言われており、難関資格をとるくらいまで資格に労力をかけたくはなく、300~500時間で合格できると言われる「行政書士」の資格をとろうとする人が増えたと思われます。
実際に、年代別で見てみると、「40代」「50代」の受験者数が増えており、早期退職・リストラの対象にあいそうな年齢と一致しています。
今後は早期退職・リストラの対象年齢も下がっていく方向にすすんでいきますので、さらに「30代」の方も同様の発想から行政書士を受験することが多くなると予想されます。
③行政書士は食えないのは嘘であることがばれてきたから
昔は行政書士は食えない士業の代表格でしたが、今は行政書士Youtuberやビジネス系Youtuberなどでは実は食えないのは嘘であるという説が主流となっています。
例えば、ビジネス系Youtuberの失敗小僧さんの動画でも「行政書士は実は食えるんだよ」と明言されています。
参考:「コロナアフターで栄える業界を予想してみる(派遣 行政書士 食えない? 期間工 資格)」
なぜ、行政書士が食えないとう説が流布したのかは不明ですが、実は食えるということは今後も拡散していくことが予想されます。
このため、行政書士は食えないという理由から資格勉強をためらった人も実は食えるという話を知って鞍替えしてくる方は増えてくるでしょう。
実際に行政書士の仕事を知っていれば、食えないというのはほぼありません。(営業はしっかりとする必要はあります。)
なお筆者の記事でも食えないのは嘘であるという記事を発信していますので参考にどうぞ。
>>「行政書士は食えないのは嘘だが簡単には稼げない理由を有資格者が解説」
2.行政書士の受験者が爆増したら試験の難易度の影響は?
爆増しても難易度に影響はあまりないと思います。
試験の合格点は6割程度。
試験回数が2回以上で、論述試験がある場合には、採点者の負担を減らすために1回目の試験の合格者を減らす(難易度が上がる)ことはあると思いますが、行政書士は1回のみです。
気にしなくてOKです。
3.行政書士の受験者数のまとめ
行政書士の受験者数が今後爆増するといえる理由は以下のとおりです。
①コロナ禍はあと1~2年続くと考えられるから(➤暇になった➤とりあえず資格をとろう➤じゃあ行政書士とろうという人が増加。)
➤時間に余裕ができ、資格をとろうとする人が増加。
②雇用情勢が変化したから(2018年~)(➤俺もリストラされるかも…➤保険に資格とっとくか➤じゃあ行政書士とろうという人が増加。)
➤早期退職・リストラのリスクに備えて保険の位置づけで資格をとろうとする人が増加。
③行政書士は食えないのは嘘であることがばれてきたから(➤実は食えるのか…➤じゃあとろうという人が増加。)
➤一発逆転を狙って資格をとろうとする人が増加。
※年齢別としては、20代はほぼ変わらず、30代以降から大きく増加すると予想される
以下では、それぞれの理由についてさらに深堀して解説していきます。
爆増すると思われますが、食える資格といえるのでコロナ禍でチャレンジするのは十分ありです。
勉強法は「行政書士の勉強時間を500時間で最短合格するための勉強法を有資格者が解説」の記事で解説しています。
難易度は「行政書士の難易度と偏差値は簡単な方ではない理由【合格率はとても低いです】」の記事で解説しています。