
行政書士と司法書士って仕事とか試験の難易度とかどう違うのだろうか。
あとはダブルライセンスをとることっておすすめなのかも知りたい。
こうした疑問に答えます。
本記事では、行政書士と司法書士の仕事内容の違いや試験の難易度の違いを解説するとともに、ダブルライセンスはやめとけと思う理由を解説していきます。

この記事を書いている人
- 行政書士有資格者(弁理士試験合格のため)
- 弁理士で独立開業。
- 経験に基づいた試験勉強法を発信。資格スクエアのYoutubeチャンネルにて勉強法を発信。
本記事の内容
1.行政書士と司法書士の試験内容と難易度の違いを解説
2.行政書士と司法書士の業務内容の違いをわかりやすく解説
3.行政書士と司法書士のダブルライセンスはやめとけと思う理由
Contents
1.行政書士と司法書士と弁理士の試験内容と難易度の違いを解説
行政書士と司法書士の試験内容は以下のとおり。
「行政書士」
・法令(基礎法学・憲法・民法・行政法・商法)
・一般知識(政治・経済・社会・情報通信・個人情報保護・文章理解)
より詳しくは「行政書士試験の試験日はいつ?試験科目の攻略法も含めて徹底解説」の記事をご参考に。
「司法書士」
・法令(憲法・民法・刑法・商法(会社法)・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・司法書士法 ・供託法・不動産登記法・商業登記法)
・不動産登記法・商業登記法については記述式問題あり
「弁理士」
・知的財産法(特許・実用新案・意匠・商標・不正競争防止法・著作権・条約)
・特許・実用新案・意匠・商標については記述式問題あり
「行政書士」と「司法書士」は法令を扱うという点で共通していますが、「弁理士」は知的財産のみしか扱われないという点でかなり異質です。
難易度は以下のとおり。(参考に弁理士ものせておきます)
行政書士 | 司法書士 | 弁理士 | |
---|---|---|---|
難易度の偏差値 | 62 | 76 | 76 |
司法書士と弁理士の難易度はほぼ同等であるのに対し、行政書士の難易度は低めの傾向です。
理由は記述試験がほぼ課されないからという点にあるといえます。
参考:「行政書士の難易度と偏差値は簡単な方ではない理由【合格率はとても低いです】」
参考:「弁理士試験の難易度と合格率はぶっちゃけ気にしなくてもよい理由」
では業務内容はどのように違うのか以下に解説していきます。
2.行政書士と司法書士の業務内容の違いを簡単に解説
行政書士と司法書士の業務内容は、いずれも依頼人(クライアント)に代わって、書類を作成し、官公署への手続きを代行する点で共通しています。
しかし、上記のとおり、司法書士は法務局への手続きがメインです。
より具体的には以下のとおり。
「司法書士」
- 不動産登記・会社登記の手続きの代行(相談・書類作成・提出)
- 供託の手続きの代行(相談・書類作成・提出)
- 裁判所・検察庁への手続きについても代行できる
一方、行政書士は特定の官公署に限定されず、さまざまな手続きを代行できますが、他の士業で規定されている代行業務は担当できません。
例えば、行政書士は、知的財産について特許庁への手続き業務(特許・意匠・商標)を担当することはできません。
このため、行政書士はさまざまな手続きを代行できるといえども、できる手続きは限られており、メインとなるの業務は以下のとおりです。
「行政書士」
- 許認可申請に関するもの(飲食店営業許可申請書・建設業許可申請書など)
- 権利義務または事実証明に関するもの(遺言書の作成・契約書の作成・定款など)
- 外国人関連(帰化申請書・永住許可申請書・在留期間更新許可申請書など)
より具体的には「行政書士の仕事内容を仕事がないのかも含めてわかりやすく解説」の記事をご参考に。
行政書士の場合、知的財産の手続きでは、特許・意匠・商標は担当できず、著作権のみとなります(著作権の申請は文化庁のため)。
また、行政書士の場合、会社設立に関して定款(法人の規定を作ること)は可能ですが、法務局への登記はできません。
このように他の士業と重なるところは制約がでてきますの注意をする必要があります。
そうすると、他の士業とダブルライセンスをとったほうが士業として成功しやすいような印象を受けます。
たとえば、行政書士と弁理士、行政書士と司法書士といった具合です。
しかし、ダブルライセンスはおすすめしません。
実際に筆者も弁理士は登録していますが行政書士は登録していません。
理由を以下に解説していきます。
3.行政書士と司法書士のダブルライセンスはやめとけと思う理由
やめとけと思う理由は以下のとおり。
①単純に時間がかかる
②ダブルライセンスは集客につながりにくい
③ダブルライセンスでなくても他のスキルで差別化できる
④成功する人は1つの資格でも成功する
まずさらに他の士業の資格をとろうとすると合格に時間がかかります。
行政書士と弁理士では試験科目が全くちがいますし、ほぼ1から勉強となります。
司法書士・弁理士は合格に通常2年くらいはかかると思うので割に合うのかはなはだ疑問です。
2年もかけて他の資格をとるくらいなら2~3か月集中的に英語・中国語を勉強したほうが他の士業と差別化できます。(特に行政書士)。
また、仮にダブルライセンスをとっても、集客につながりにくいです。
というのも、例えば、弁理士と司法書士のダブルライセンスの場合、知財と登記の手続きの代行ができますが、これらはほぼ業務内容が被りません。組み合わせることで掛け算の強力なものとなりません。
単にやれることが増えるだけで同業への差別化につながりにくいでしょう。
おまけに他の士業をとるとその実務も覚えるのに時間がかかりますし、割に合いません。
それならマーケティングを勉強したり他のスキルをみにつけたほうが集客の効果もあがりますし差別化もできます。
最後に、成功する人は1つの士業でも成功します。
1つの士業に特化してそれを磨き続けることをおすすめします。
4.行政書士と司法書士の違いとダブルライセンスのまとめ
もし行政書士・弁理士・司法書士でどれを選ぶべきか迷うなら弁理士をおすすめします。
アラサーに弁理士をおすすめする理由
①ライバルが少ない(34歳以下の割合約3%以下)
②海外にニーズ(海外のお客さんを相手にできるのは士業の中でも随一)
③知財は審査があるので代行の付加価値が高い(素人が自分でやりにくい)
④サラリーマン生活から脱出+年収も高め(特許事務所勤務なら)— やま (@ummm_mandom) December 8, 2020