
行政書士を副業で始めようか迷っている。
けれど行政書士の試験に合格しないといけないし、仕事も覚えないといけないよなあ。
割にあうのだろうか。
こうした疑問に答えます。

この記事を書いている人
- 行政書士有資格者(弁理士試験合格のため)
- 士業で独立開業。
- 経験に基づいた試験勉強法を発信。資格スクエアのYoutubeチャンネルにて勉強法を発信。
結論から言うと、副業感覚で行政書士を始めるならおすすめしません。
本記事はこれから行政書士の試験を受けようと考えているサラリーマン向けに書いていますが、すでに行政書士の資格をもっている他の士業の方もおすすめしません。
筆者もまた、行政書士の資格をもっていますが、登録していません。
行政書士を副業でおすすめしない理由について本記事でくわしく解説していきます。
本記事の構成
1.行政書士で副業・小遣い稼ぎはおすすめしない理由
2.行政書士で副業をそれでもやりたい場合気をつけること
3.行政書士で副業はやめとけ・稼げないといえる理由のまとめ
Contents
1.行政書士を副業・小遣い稼ぎでおすすめしない理由
行政書士を副業でおすすめしない理由は以下の4つ。
①行政書士に合格するために800時間以上の勉強量が必要(時間がかかる)
②行政書士に登録するために初期投資30万円は必要(お金もかかる)
③行政書士のほとんどが開業して3年以内に店じまいをしている(集客の難易度が高い)
④仕事をもらっても本業の空き時間に処理できるか微妙(専門スキルであり、簡単な仕事ではない)
結局①~④の理由から割に合わないと思ってやめる方がほとんどでしょう。
以下くわしく解説していきます。
①行政書士に合格するために800時間以上の勉強量が必要(時間がかかる)
行政書士は昔と違って簡単な試験ではなくなりました。
合格率は10%前後でして、合格に800時間以上の勉強量が必要です。
参考:「行政書士の難易度と偏差値は簡単な方ではない理由【合格率はとても低いです】」
つまり、あなたは2年くらい試験勉強をする必要があります。
1年合格の勉強法は「行政書士の勉強時間を800時間で最短合格するための勉強法を有資格者が解説」の記事をご参考に。
果たして、2年以上の勉強をやってまで副業に値するか微妙です。
なお、あなたが脱サラして本業でやるならまだ受験する価値はあります。
行政書士のメリットはこちらをご参考に。「行政書士のメリットはたった1つだけ|デメリットとやめとけと思う人も解説」
②行政書士に登録するために初期投資30万円は必要(お金もかかる)
行政書士に合格するとそのまま登録というわけにはいきません。
登録には30万円ほどの費用がかかることを覚悟してください。
人によっては30万円の費用は、安いととらえるか高いととらえるかそれぞれでしょう。
ビジネスを始めるにあたり、30万円は安いかもですが、士業の中では高めの部類に入ります。
費用の内訳は以下のとおり。
- 登録手数料 ¥25,000
- 入会金 ¥200,000
- 会費 ¥6,000/月
- レンタルオフィス代 ¥30,000/月ほど
※行政書士の場合、バーチャルオフィスは認められていないことに注意下さい。弁理士はOK。
さらに集客のためにフリーダイヤルを契約したり、事務所HPを作ったりする必要も出てきます。
そうなると費用はさらに大きくなります。
小遣い稼ぎのつもりが結局は大きくマイナスになってしまった・・・ということもありえます。注意してください。
③行政書士のほとんどが開業して3年以内に店じまいをしている(集客の難易度が高い)
行政書士は単価は高いですが、儲かる士業とは言いにくいです。
理由は、同業者の数が多すぎること。この一言に尽きます。
参考に行政書士の登録者数と他の士業の登録者数のデータをのせておきます。
- 行政書士 46,205名
- 司法書士 22,283名
- 弁理士 11,613名
このため、ほとんどの行政書士は仕事がなく、開業して3年以内に店じまいをしています。
集客に自信がある方には向いていますが、単に資格をとれば仕事をもらえるという安易な発想に陥らないようにしましょう。
また、行政書士は司法書士・弁理士と異なり転職に有利になりません。
行政書士と言うのは独立開業のための資格ととらえるべきです。
参考:「行政書士の独立の準備は簡単だが開業が難しい話【戦略が重要です】」
④行政書士の仕事をもらっても本業の空き時間に処理できるか微妙(専門スキルであり、簡単な仕事ではない)
また、仮に仕事をもらっても本業の空き時間に処理できるか微妙です。
当たり前ですが行政書士は専門家であり、素人が官公署に提出する書類を作成することができないため行政書士に依頼します。
本業と片手間でできるような仕事ではないことにご注意を。
特にあなたが未経験の場合はなおさらです。
行政書士の詳しい仕事の内容は「行政書士の仕事内容を仕事がないのかも含めてわかりやすく解説」の記事をご参考に。
2.行政書士で副業をそれでもやりたい場合気をつけること
一方で確かに行政書士の仕事は単価が高くおすすめではあります。
例えば、風俗営業の許認可申請の相場は20万円ほどであり、飲食店の許認可申請の相場は10万円ほどであり、月に3件ほどこなせばそれだけで50万円ほど稼げます。
そこで、それでも行政書士を副業でやりたいのであれば、以下の点に気をつけてください。
- 会社が副業禁止の場合、副業がばれたことのリスクを考える
- マーケティング(集客)の力も身につける
- 仕事を紹介してもらう、あるいは事務所で雇ってもらう
行政書士で成功するためには、行政書士の実務能力は当然として仕事を獲得するためのマーケティング能力も重要です。
マーケティング能力に長けてない人は行政書士試験の勉強と並行しながらマーケティングの勉強をすることをおすすめします。
マーケティングの重要性についてはベテラン行政書士の方も解説しています。
あるいは、税理士・司法書士と言った士業とのつながりを強化して仕事を紹介してもらうか、仕事が豊富な事務所で雇ってもらうことも考えられます。
事務所で雇ってもらう場合は法的な問題がないか自己責任で確認してください。
また求人で見つけるのは難しく、士業のつながりを強化していくことが重要です。
行政書士よりも税理士・司法書士あたりがいいかもしれません。
3.行政書士で副業はやめとけ・稼げないといえる理由のまとめ
行政書士を副業でおすすめしない理由は以下の4つ。
①行政書士に合格するために800時間以上の勉強量が必要(時間がかかる)
②行政書士に登録するために初期投資30万円は必要(お金もかかる)
③行政書士のほとんどが開業して3年以内に店じまいをしている(集客の難易度が高い)
④仕事をもらっても本業の空き時間に処理できるか微妙(専門スキルであり、簡単な仕事ではない)
まずは資格をとりましょう。行政書士の最短勉強法の記事はこちらです。
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行政書士の勉強時間を500時間で最短合格するための勉強法を有資格者が解説
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