
特許技術者ってなに?
無資格で特許事務所に入れるの?弁理士と同じ仕事ができるの?
年収は稼ぎやすいのか将来性はあるのかも含めて教えてほしい。
こうした疑問に答えます。
特許技術者とは、簡単に言うと、弁理士の「監視」下で特許業務の「補助」を行う人を言います。
特許技術者は、単独で特許の申請代行業務を行うと違法になるので注意してください。(弁理士法第79条)
とはいえ、特許事務所では、実体的な仕事を特許技術者が担当していることが多いです。
あなたが、無資格でも特許事務所で働きたいのなら、まずは特許技術者として弁理士の実務を身につけることができます。
そこで、本内容では、無資格で特許事務所への転職を考えている方のために、特許技術者について、年収・将来性・資格の必要性を含めて徹底解説していきます。
本内容の構成
1.特許技術者とは?単独でできることは?特許事務との違いは何か?
2.特許技術者の年収の平均は約500万円
3.特許技術者でい続けると将来性はない話と資格をとることの必要性
4.特許技術者の求人の探し方
Contents
1.特許技術者とは?単独でできることは?特許事務との違いは何か?
特許技術者とは、弁理士の「監視」下で特許業務の「補助」を行う人を言います。
特許技術者は、弁理士の独占業務については単独で行うことはできません。
ただし、特許業務の全てが弁理士の独占業務であるわけではありません。
特許技術者でも、特許業務の一部は単独で行うことができます。
まとめると以下のとおり。※弁理士の仕事内容は「弁理士の仕事内容を分かり易く解説【1日のスケジュールも公開】」の記事をご参考に。
特許明細書の作成 | ✕(特許庁における手続き。弁理士法第4条) |
中間処理の作成(意見書・補正書の作成) | ✕(裁定代行。弁理士法第4条) |
特許の異議申し立て | ✕(裁定代行。弁理士法第4条) |
特許の鑑定書の作成 | ✕(鑑定。弁理士法第4条) |
特許の調査(先願調査など) | 〇(第4条の規定外) |
特許の期限管理 | 〇(第4条の規定外) |
調査・期限管理については、弁理士の独占業務ではないので、特許技術者が単独で担当しても可能です。
このため、あなたが資格をとる予定が今後一切ないのであれば、先願調査・期限管理についてスキルを伸ばして、独立開業することも十分ありです。
特に期限管理はシステムを自分でプログラミングを組んで自動化すれば儲かりやすい業務です。
>>「プログラミングを独学で150時間の勉強時間で身につける勉強法を解説」
1.1.特許技術者と特許事務の違い
違いは、弁理士の実体的な業務を担当するかどうかです。
まとめると以下のとおり。
特許技術者 | 特許事務 | |
調査 | 〇 | ✕ |
特許明細書の作成・中間処理 | 〇 | ✕ |
特許庁への手続き・請求書の作成・クライアントへの報告 | ✕ | 〇 |
期限管理・年金管理 | ✕ | 〇 |
特許事務については、「特許事務沼ブログさんの記事」がわかりやすいのでそちらをご覧ください。
2.特許技術者の年収の平均は約500万円
特許技術者の平均年収は約500万円と言われています。
弁理士の平均年収は約700万円であり、資格の有無により大きく変わっている点に注意してください。
理由は、「裁量権がないこと」「資格手当がもらえないこと」が大きいです。
ただし、特許事務所の中には、弁理士と特許技術者をほぼ同等の待遇で扱っているところもあり(大手を含む)、そういうところへ行けば年収500万円の壁を超えることができるでしょう。
高収入の求人は、JACリクルートメントが強く、登録してエージェントに相談すれば見つけることができるでしょう。
もし、あなたが、無資格で独立開業を考えているなら、「調査」「特許管理」「コンサル」あたりを伸ばしていくのがありです。
3.特許技術者でい続けると将来性はない話と資格をとることの必要性
特許技術者でも十分食べていけることは可能ですが、あなたが弁理士を目指すなら、仕事はほどほどにしてすぐに資格をとることをおすすめします。
理由は、特許技術者の場合、社会的な立場が弱いからです。
つまり、弁理士会が現状を見直し、特許技術者への仕事の制限を強化する場合も考えられます。
そうすると、あなたはこれまで蓄積した仕事のスキルが無駄になることもありえます。
また、特許事務所は、企業で言えば、大手でも中小企業なみでして、10年後20年後も存続する保証はないということです。
あなたが切られた場合、経験者であっても40~50代では転職が厳しくなります。
そこで、無資格で特許事務所に入った場合は、仕事と資格の勉強をバランスよく両立させることが重要です。
弁理士の資格勉強法は「弁理士試験の勉強時間を1,500時間で合格するための勉強法」の記事をご参考ください。
もし、今あなたが仕事が忙しくて余裕がないというのなら資格勉強と両立できそうな事務所へ転職することをおすすめします。
あなたがまだ30代ならまだ間に合いますが、40代以降になってくると資格の取得率はぐんと下がることに注意してください。
引継ぎの問題で辞められないという方は退職代行を使ってでも辞めるべきです。
参考:「退職代行に失敗するケースは引き継ぎなしが多い?失敗しないための注意点」
あなたが2週間以上の有休を残しているなら、退職の意向を告げずとも辞めることが可能です。【汐留パートナーズ法律事務所】なら弁護士が担当していますのでトラブルも安心して任せられます。
4.特許技術者の求人の探し方
特許技術者の求人の探し方は以下のとおり。
①リーガルジョブボード ※大手・中小と幅広く特許事務所に強い特許事務所向けエージェント。
②JACリクルートメント ※知財業界に詳しい30代以降のハイクラス向けエージェント。
③MS-Japan ※特許事務所を含む知財全般に強い士業向けエージェント。
①の場合、エージェントが特許事務所の内部情報に詳しく、相談すればあなたが転職に失敗するリスクを回避できるでしょう。
実際に本ブログからリーガルジョブボードへ内定が決まった方がいらっしゃり、入職後も満足されているそうです。
①45歳女性。業界未経験の方が大手特許事務所へ転職。
②28歳男性。業界未経験の方が大手特許事務所へ転職。
③49歳男性。実務経験者の方が大手特許事務所へ転職。
迷ったら今すぐ行動を。
あなたが成功するかどうかは行動が前提であることに注意してください。
行動しないといつまでも上手くいきません。
特許事務所でやめといたほうがよいところは「特許事務所でやめたほうがよいブラック特許事務所【未経験向け】」の記事もご参考に。