商標

キャラクターは商標登録すべき?名前も画像も!?弁理士が解説

投稿日:

「キャラクターは著作権で保護されるから問題ないよなあ。」 

 こうした考えを持っていませんか?

あなたがこれからキャラクターを売り出そうとするとき、こうした考えをもっているとキャラクターを模倣された時に困ってしまう可能性が高いです。

本内容を結論を先に言っておくと、キャラクターを保護したいのであれば、著作権ではなく商標権でとっておこうということです。

なぜ商標権をとっておくべきか。

本内容を読めばその理由を理解できます。

1.キャラクターの名前を商標登録すべき理由

「キャラクターは著作権で保護される」と思っている方は多いかもしれませんが、これは正しいとは言えません。

 なぜか。

 理由の1つとして、キャラクターの「人格」「名称」は著作権で保護されないからです。

 まず著作権の保護対象を知りましょう。

 著作権法第2条には、著作物の意義を以下に定めています。

「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲の属するものをいう。」

 

 上の意義を漫画・アニメなどにあてはまめると、個々のコマなどによって表現された絵や動画が著作物ということになり、キャラクター自体は著作物とはいえません。

 すなわち、著作権の保護対象は漫画やアニメなどの「絵」や「動画」であり、キャラクター自体ではありません。

 この点、著作権法では明文化されていないものの、判例により判示されています。

 最高裁は、ポパイネクタイ事件上告審(最高裁平成9年7月17日判決民集51巻6号2,714頁)において、「漫画のキャラクターは、漫画の著作物の保護から独立して保護される著作物性はない」としています。

 

 そうすると、キャラクターの「人格・名称」は著作物では保護されえないことになります。

 このため、キャラクターの名称については、著作権で保護されないから、商標権で保護するべきです。

 

 実際に多くのキャラクターの名称は商標で保護されています。

 今では漫画・アニメのキャラクターだけにとどまりません。

 例えば、VTuber事業にとって重要な資産であるVTuberキャラクターの名前も商標登録されています。

 例えば、VTuber事業を営むActive8株式会社は、キャラクターの名称「キズナアイ」を商標登録しています(商標登録第6120901号)。

2.キャラクターの絵は商標登録すべきなのか?

 では、キャラクター自体が著作権で保護されないということになると、キャラクターを具体的に表現した図柄などを無断で利用したら著作権侵害に当たらないのでしょうか。

 例えば、以下の事例はどうでしょうか。

 ①漫画「サザエさん」のサザエさんの顔をバスの車体の側面に描いてバス業務を営むケース

 ②漫画「ピーナッツ」のスヌーピーの絵を腕時計の文字盤に伏して販売すること

 

 キャラクターを具体的に表現した図柄は著作権の保護を受けます。

 著作権の保護の対象は、個々のコマなどによって表現された絵や動画ですが、必ずしも絵や動画に描かれたキャラクターの絵と細部まで一致する必要はありません。

 図柄に現れた特徴から「あのキャラクターの絵だ」と第3者が想起すればOKです。

 

 このため、上記の例でいう、「サザエさんの絵をバスの車体の側面に描いてバス業務を営む行為」、「スヌーピーの絵を腕時計の文字盤に付して販売する行為」は著作権の侵害にあたります(「サザエさん事件」東京地裁昭和51年5月26日判決、「スヌーピー事件」東京地裁昭和53年12月22日判決)。

 

 そうすると、「だったらキャラクターの絵は商標登録しなくてもよいじゃん」と思われるかもしれません。

 しかし、以下の理由によりキャラクターの絵も商標登録をすることをおすすめします。

3.キャラクターの絵も商標登録すべき理由

 キャラクターの絵も商標登録をした方がよい理由は、著作権の場合、侵害立証が難しいことにあるからです。

 これは著作権法上の性質(無方式主義と依拠性)にあります。

以下に「無方式主義」「依拠性」について簡単に解説します。

 

①無方式主義

 著作権は、著作物が完成した時点で著作権が発生します。

 商標などと異なり、出願の申請は必要がありませんし、審査もありません。

 簡単に権利が発生するので一見するとよさげに思われますが、申請がないため誰が先に完成したのか不明な点が多いです。

②依拠性

 侵害の成立の要件の1つに依拠性があります。

 依拠性とは、他人の著作物を参考に著作物を完成したかどうかということです。

 もし他人の著作物の内容を知らずに、独自で似たような著作物を完成したら著作権侵害に当たりません。

 

 ここで、申請がなく誰が先に完成したか不明なことが多く、依拠性の要件を満たす証拠がつかめないため、侵害立証が難しいことが多です。

 特に、これから売り出したいキャラクターなど知名度が高くない、あるいは最近知名度が高くなったものはなおさらです。

 

 実際に、キャラクターの絵も商標出願しているところもあります。

 例えば、VTuber事業を営むActive8株式会社は、キャラクターの名称「キズナアイ」を商標登録しているだけでなく、キャラクターの絵も商標登録されています(2020年5月6日現在)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 引用:登録番号6233484号。

 このためキャラクターの絵についても商標登録をおすすめします。

キャラクターの商標登録のまとめ

 以上の理由により、キャラクターの絵と名前は著作権というよりも商標権で保護することをおすすめします。

 今では価格が抑えられた商標出願代行サービスがあります。

 それは筆者が運営するBrandAgentであり、1区分¥10,000(税別)で商標出願代行サービスを提供しています。

 また登録後の管理もオンライン上で完結できます。

 もし他の安めの商標出願サービスと比較したい場合は、こちらの記事が参考になります。

 

弁理士のまとめ記事

外部リンク(おすすめ記事)

-商標

Copyright© 弁理士やまの知的な日常 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.