弁理士試験

弁理士試験の日程から試験科目までこれ1つでわかりやすく解説

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「弁理士試験を受けようかなあ。

仕事中に技術文献を調べてたら特許文献というのがあって、これって弁理士が書いているんだな。文章を書くのが好きだから自分に合ってそう。

けれど、弁理士の試験って内容・試験科目はどんなものだろう。受験生は自分のような30歳前後が多いのかな。合格するコツも知りたいなあ。」

こうした疑問をもっていませんか。

弁理士という職業は、学生時代よりもむしろ社会人になって知ることが多いです。筆者もそうでした。

弁理士は知的財産の専門家であり、弁理士試験に合格する必要があります。

ではこの弁理士試験とはいかなるものか。日程・合格率・試験科目の内容・そして、勉強時間・勉強法にいたるまで知りたい方も多いでしょう。

そこで本内容は以下の3つの内容にしぼってわかりやすく解説していきます。

1.弁理士試験の受験資格・日程・合格率

2.弁理士試験の試験科目の内容・知的財産について

3.弁理士試験の勉強時間・勉強法・合格のコツ

筆者は、もともと技術職から弁理士試験を受験し、短答・論文必須・口述に一発合格しています。(論文選択は免除)。

経験もふまえて、合格のコツについてもふれていきます。

1.弁理士試験の受験資格・日程・合格率

以下では、受験資格・日程・合格率について、ポイントにしぼって解説していきます。

誤解を生じやすいところもたくさんありますので、しっかりと確認することをおすすめします。

1.1.弁理士試験の受験資格

まずは、受験資格です。資格の中には、一定の要件を満たさないと資格を受験することができません。

弁理士の場合はどうでしょうか。

弁理士の場合、特にありません。(特許庁HP「弁理士試験の概要」より)

 学歴、年齢、国籍がどんなものであれ受験可能です。

では、試験日程の流れはどのようなものか。

1.2.弁理士試験・合格後の登録までの日程の流れ

ここでは、受験願書から弁理士の登録までの流れを以下に示します。(参考:特許庁HP「弁理士試験の概要」)

日時 費用
1.受験願書の入手 2月上旬~3月下旬 ¥0
2.受験願書の提出・受験票の受領 3月中旬~4月上旬・5月上旬ごろ ¥12,000
3.短答式筆記試験 5月中旬~下旬 ¥0
4.論文式筆記試験(必須科目) 6月下旬~7月上旬 ¥0
5.論文式筆記試験(選択科目) 6月下旬~7月上旬 ¥0
6.口述試験 10月中旬~下旬 ¥0
7.最終合格発表・合格証書受領 10月下旬~11月上旬・11月上旬ごろ ¥0
8.研修 1月~ ¥118,000
9.登録 研修修了後 ¥95,800+月額¥15,000

注意すべきポイントを赤字で示しています。

まず、受験願書の入手できる期間と、提出期限は必ず確認してください。

これを忘れると、受験できなくなります。

受験願書の入手ルートは、特許庁のHPから入手することが一般的です。

例年2月上旬~3月下旬の間に特許庁のHPのサイトで請求を受け付けています。

詳しくはこちらから。https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-annai.html#nagare01

また、受験願書に受験手数料を特許印紙としてはりつけることに注意してください。

特許印紙は、郵便局で入手できます。

ここで、特許印紙を収入印紙とまちがわないように注意してください。

また、あなたが弁理士試験に合格した場合、すぐに弁理士に登録できるわけではないことに注意してください。

1か月ほどの研修期間があり、ここで弁理士になるための必要な実務トレーニングを積んでいきます。

費用は、¥11,800かかります(参考:https://studying.jp/benrishi/about-more/cost.html)。

また、研修終了後、登録のために¥95,800と毎月の登録料15,000がかかることにも注意してください。

ここで高いよなあと思われるかもしれません。

ただし、もしあなたが特許事務所へ転職した場合、特許事務所がこれらの費用を立て替えてくれる可能性が大きいです。(筆者も特許事務所に負担してもらいました。) 

このため、合格したらすぐに特許事務所に転職するのもありでしょう。

試験科目の詳細は後述します。

では、合格率はどのようなものか。以下に解説していきます。

1.3.弁理士試験の合格率

平成28年度 平成29年度 平成30年度
合格率 7.0% 6.5% 7.2%
合格者平均年齢 37.2歳 37.0歳 37.6歳

 参考:特許庁HP「過去の試験統計」

 弁理士試験のここ最近の合格率・合格者平均年齢を上の表にまとめます。

 上の表からみると、合格率は低めであり、一見すると、難しい試験であるように思えます。

 しかし、合格者平均年齢が高いことがわかります。

 弁理士試験の受験者層は実際に30代~40代の社会人が多いです。

 この年齢の社会人だと勉強にあてる時間がなかなかとれません。

 つまり、弁理士試験は難しさの要因は、試験問題自体というより、忙しくて時間をとりにくい人の集まる試験であることが大きいです。

 弁理士の難易度については過去記事でも解説していますが、それほど難易度は気にしなくてOKです。

弁理士試験の難易度はぶっちゃけ気にしなくてもよい理由

続きを見る

 重要なのは、仕事と勉強をバランスよく継続すること、誰もが解ける問題を絶対に落とさないことです。

では、具体的に試験科目はどのようなものであり、どのような勉強をすべきか。以下に解説していきます。

2.弁理士試験の試験科目の内容・知的財産について

短答式試験 論文式筆記試験(必須科目) 口述試験
出題形式 五枝択一 記述形式 面接形式
試験時間 3.5時間 特許・実用新案:2時間
意匠:1.5時間
商標:1.5時間
特許・実用新案:10分ほど
意匠:10分ほど
商標:10分ほど
合格基準 ・65%以上の得点率
・1.~5.までの各科目40%以上の得点率
・54点以上
・各科目47点以上
A・B・Cの3段階評価のうち、Cの評価が「1.~3.のうち」2つ以上ないこと
1.特許・実用新案に関する法令
2.意匠に関する法令
3.商標に関する法令
4.工業所有権に関する条約
5.著作権・不正競争防止法

試験科目と出題形式・試験時間・合格基準をまとめると上の表になります。(参考:特許庁HP「弁理士試験の概要」)

なお、弁理士試験には、これらの試験に加えて、論文式筆記試験(選択科目)もあります。

選択科目については過去記事にくわしく解説しています。

以下、くわしく各試験について詳しく解説していきます。

「短答試験」難易度☆☆☆☆

 試験問題の形式は、マーク式の試験で5つの選択肢から正解を1つ選ぶ五枝択一形式です。

 合格基準について、年度ごとにかわります。短答式試験の場合、最低65%(39点)はとる必要があります。

 また、上の1.~5.までの各科目の得点率を40%以上とる必要があります。

 合格すると2年間短答式が免除されます。

 五枝択一形式なので一見簡単そうに思えますが、合格率は約20%と低めであり、難関です。

 理由は、出題範囲が膨大であること、5つの選択肢の中から正しいものはいくつあるかという、選択肢の全ての正誤を判断しないといけない「いくつあるか問題」が多いからです。

 短答試験に合格するために、条文の細かいところからも出題され、条文をほぼ完ぺきにマスターする必要があります。

②論文式筆記試験(必須科目)難易度☆☆☆☆☆

 必須科目は特許実用新案法、意匠法、商標法の3つに分かれています。

 これらのそれぞれの合格基準点を満たさないと合格できません。

 必須科目では主に、条文の趣旨を論述させるか、あるいは事例問題を解くかの2つのパターンです。

 この論文試験(必須)が最難関であり、合格が難しいです。

 試験の際に、法令集をもらえます。このため、短答式と異なり、条文を丸暗記する必要がありません。

 条文を暗記するのではなく、条文の趣旨を理解すること、さらには条文をうまく事例にあてはめられることが必要です。

③「口述試験」難易度☆

 毎年10月中旬あたりに行われます。

 立派な東京の豪華なホテル(名前忘れました・・・)で行われます。

 「特許実用新案法」「意匠法」「商標法」の3つについてそれぞれ試験官による口頭試問を受けます。

 この試験が最後の試験ということもあり、一番緊張する試験です。

 内容は条文の暗唱、趣旨を言えるかどうか面接形式で行います。法令集は見ることができます

 一昔前は、とても難しい試験で合格率は6割ほどしかなかったときもありました。

 しかし、今は合格率は100%に近いです。

 もしわからなくなっても試験官が助け舟を出してくれることが多いです。

 ただし、油断は禁物であり、論文試験の合格が決まったら、模擬試験を受ければよいでしょう。

以上、各試験について解説したところ、次からは弁理士試験に必要な勉強時間と勉強法について解説していきます。

3.弁理士試験の勉強時間・勉強法・合格のコツ

 弁理士試験に必要な勉強時間は3,000時間といわれています。(参考:https://www.shikaku-square.com/media/benrishi/088-patent-attorney-exam-study-time/)

 しかし、これはあくまで目安であり、独学で勉強するか、通信講座で勉強するか、論文式筆記試験の選択問題は免除であるか否かなどで変わってきます。

 筆者自身は、1,500時間以下の勉強量で合格しており、勉強法のコツされつかんでいけば、最短でも合格はできます。

 勉強法・合格のコツとしては、以下のものがあげられます。

 ・条文集をノート代わりにして、これを毎日見直す。

 ・膨大な範囲なのでまずは動画など敷居の低いところで全部の範囲をさらっと見通す。

 ・教材は必要最小限としてあれこれ手を出さない。条文集・青本(条文の趣旨の解説)・予備校の通信講座・判例集・過去問集の5つがあればOK

 ・これらの5つのセットを使って、何度も反復学習。わからないところはしらみつぶしにつぶしていく。

 自身の体験談から、これらの4つのポイントが重要です。

 なお、この体験談をふまえて勉強法を資格スクエアのYoutubeチャンネルでも解説しており、おおむね好評のようでした。

 もっと詳しく合格のコツを知りたい方は、こちらの記事をついでにご覧ください。

以上

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