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特許クレームの書き方を弁理士が図解で解説

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士業男子やま
みなさんこんにちは。士業男子やまです。前回クレームドラフティングの基本的なことをお話ししました。前回の話では、背もたれ椅子を具体例としましたが、今回はクレームの書き方についてより具体的にお話ししていきたいと思います!

■この記事の信頼性

 わたくし士業男子やまは、「特許事務所」「法律事務所」にて300件以上特許明細書を書いてきました。

■対象としている読者

 クレームの書き方について悩んでいる初学者の方。

 まずは、過去記事の「クレームドラフティングの基本的な話」をご覧いただければ効果的に学習できます。

目次

クレームを上手く書くために知っておくべき2つのポイント

 今回用いる事例は「家(建築物)」です。

 上の図のように、クレームを書くために知るべきポイントは以下の5つです。

ポイント

〇「と書き」の型

〇「要素」は近いものから順番に書く

 ぶっちゃけ上の5つのポイントを知っておけばどのような構造物のクレームも書けると思います。

 以下では、「家(建築物)」をクレームすることを想定して、それぞれのポイントを説明していきます。

クレームの書き方のポイント1.「と書き」を使う

 まずは、クレームドラフティングでは、「と書き」を使いましょう。

ポイント

〇「と書き」とは

Aと、Bと、Cと、を備えるXX。という書き方です。

構成要素を箇条書きで書くような書き方です。

 この利点は、クレームの表現が冗長になりえず、クレーム範囲を侵害しているかどうかを検証する上で容易になる点です。

 また、クレームも見やすくなり、クライアントからも喜ばれます。

 上の図の「家」を「と書き」で表現すると、以下のようになります。

参考

床部と、柱と、天井部と、屋根部と、を備える建築物。

「と書き」の応用

 ここで、更に「床部」の要素である「畳」と「フローリング」も特定したい場合はどのように表現すべきでしょうか。

 要素の中に更に要素がある場合のクレームの表現です。

 この場合には以下のように表現します。

畳及びフローリングを有する床部と、柱と、天井部と、屋根部と、を備えた建築物。

 小さい要素についても「と書き」で表現すると、小さい要素(畳、フローリング)と大きい要素(床部、柱、天井部、屋根部)とが区別されず、ややこしくなります。

 そこで、小さい要素については、小さい要素であることを明確にするために「及び」「並びに」「若しくは」「又は」を使いましょう。

 

 

 では次に、「床部」「柱」「天井部」「屋根部」については従来にある特徴であり、「煙突部」については従来にない特徴として、この従来にない特徴を強調したい場合にはどのように表現すべきでしょうか。

 この場合には以下のように表現します。

 床部と、柱部と、天井部と、屋根部と、を含む建築物であって、煙突部を含む建築物。

 〇〇であって、というところが従来の特徴であり、その後に新しい特徴を特定していきます。

 このように、〇〇であって、◇◇であるXXX。(〇〇が従来の特徴、◇◇が新しい特徴)の書き方をジェプソンクレームといいます。

クレームの書き方のポイント2.「要素」は近いものから順番に書く

 

 次に要素の各順序についてお話しします。

 順序のポイントは以下の2つです。

ポイント

〇位置的に近い要素から順番に書く

〇下にある要素から上に向かって書く

 家の例だと、「床部」、「柱」、「天井部」、「屋根部」の順番です。

 クレームでは、要素同士の関係を明確にすることがポイントです。

 要素のうち、1つでも浮いている要素があると、不明瞭なクレームとなり、記載不備を指摘される虞がありますし、アイデアを明確に表現したことにはなりません。

 上の家(建築物)をクレームすると、例えば以下のようになります。

 床部と、

 前記床部の上に固定された複数の柱と、

 前記複数の柱により支持された天井部と、

 前記天井部の情報に形成された屋根部と、

 を備える建築物。

 上の例のとおり、「柱」は床部との関係が明確であり、「天井部」は「柱」との関係が明確であり、「屋根部」は「天井部」との関係が明確であり、浮いた要素がなく、明確でわかりやすいクレームといえます。

クレームで表現した文章を絵で書くことができるか確認してみる

 クレームで表現したものが明確か不明瞭であるかは自分でその文章を元に絵が描けるかどうかを確認することでわかります。

 実際に上のクレームをスケッチすると上の図のように絵が描けると思います。

 柱は床部の上に固定されているので、柱と床との位置関係がわかりますし、天井部は複数の柱に支持されているので天井部の位置もわかりますし、屋根部は天井部の上方に形成されているとあるので屋根部の位置もわかり上の図のような絵が描けると思います。

 ここで、例えば、床部と、複数の柱と、・・・というように表現すると、床部と柱の位置関係がわからず、絵を描くことができないと思います。

 この場合には不明瞭なクレームといえます。

 自分でまずはクレームを書いてみて、実際にそれが絵として描けるかどうかを確認する癖をつけておくとクレームドラフティングの力も上がっていきます。

表現に困ったら先願公開広報を参考にする

最後に表現に困ったら先願公開公報の表現を参考にしましょう。

ただし、その表現が正確なのか国語辞典でしっかりと確認しましょう。

ネットで調べるより国語辞典です。クライアントに裏付けするときにネットで調べたら・・・よりも国語辞典で調べたら・・・のほうが印象がよくないですか?

また、国語辞典の方が意味も正確です。おすすめは岩波です。

特許クレームの書き方のまとめ

 

ポイント

〇「と書き」の型

〇「要素」は近いものから順番に書く

〇順序のポイント

ポイント

〇位置的に近い要素から順番に書く

〇下にある要素から上に向かって書く

〇クレームが明確かどうかの確認

クレームで表現したものが明確か不明瞭であるかは自分でその文章を元に絵が描けるかどうかを確認する

 

 今回はここまでです。次回からはより実践的な内容をお話ししていきます。

 

 特許請求の範囲(クレーム)は、たった1文ですが、その1文が莫大な利益を引き起こしたり、莫大な損失をもたらしたりする重要なものです。

 それゆえ、特許請求の範囲を上手く書けるようになれば、相応の報酬を稼ぎ出すことができます。

 もし、特許で収益を上げたいのであれば弁理士を利用することをおすすめします。

 わたくし士業男子やまもぜひお手伝いさせていただければと思います。

>>士業男子やまの特許事務所「FOX国際特許事務所」はコチラです。

以上

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