商標

商標権の侵害を予防するために知るべきことを弁理士が図解で解説

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士業男子やま
こんにちは。士業男子やまです!

最近よく大手が個人事業主に対して商標権侵害だと訴えてくるニュースをよく聞くよなあ・・・うちの店名は大丈夫かなあ・・・

士業男子やま
今回はこうした疑問に答えます。

わたくし士業男子やまは、弁理士として「特許事務所」「TMI総合法律事務所」「大手企業知財部」に働いた経験があり、商標の専門家です。

今回は「商標権の侵害を予防するために知るべきことを弁理士が図解で解説」というタイトルにてお話ししていきます。

この記事を読めば、商標権の侵害を予防するために必要な知識を身につけることができ、商標権の侵害に対して予防できます。

目次

商標権とは

商標権とは、商品又はサービスについて使用する商標を独占して使用でき、他人が使用することを排除できる権利をいいます。

上の図では、商標「コーヒーぼうや」について申請書類を作成し、特許庁へ提出します。その後、特許庁審査官により、登録の要件を満たしているかどうか審査が行われ、満たしているのであれば商標登録できます。商標権は、特許庁に商標登録することにより発生します。

そもそも商標とは!?

ここでそもそも商標って何!?と思う方も多いかもしれないので商標についてお話しします。

ポイント

商標とは

役割・・・ブランドを作ること

〇定義・・・文字、図形、記号、立体的形状、色、音で組み合わされており、商品やサービスに使用するもの(商標法2条1項)

〇具体例・・・缶コーヒーという商品に「コーヒーぼうや」という図形と文字の組み合わせの目印を使用する。

商標の役割

商標の役割はブランドを作ることです。

このブランドを作るというのは、商品・サービスを購買してもらう上でとても重要な要素です。

 

例えば、コーヒーぼうやという商品名の缶コーヒーが10年以上売られており、消費者に知られているとします。

そうすると缶コーヒー「コーヒーぼうや」は、ブランドが高いといえます。

ではここで、消費者は、缶コーヒーを選ぶにあたり、110円の「コーヒーぼうや」か50円の「聞いたことがないような缶コーヒー」のどちらを選ぶでしょうか。

たいていの消費者は、ブランドの高い「コーヒーぼうや」を選びます。

ぶっちゃけ缶コーヒーってどんなものでも味ってそれほど変わらないですよね。

そうであれば、聞いたことがないような缶コーヒは「コーヒーぼうや」の半額であり、これを選んでもおかしくはないはずです。

しかし、消費者は、味・品質・安さよりもブランドを優先する傾向にあります。

高いブランドがあれば、味・品質も保証されているだろうし、安全で信頼もあります。

消費者のほとんどは、商品やサービスを購入する時には、得をしたいというよりも損をしたくないという気持ちの方が強く働きます。

だから消費者の多くは、この缶コーヒーの例に限らず、20~30円ぐらいで売られているコーラよりも、110円で売られているコカ・コーラ®を選びます。

ブランドというのは、消費者を購買させるためにとても重要な要素なのです。

 

そうすると、ブランドは、長年の信用の蓄積により獲得できるものであり、これを他人に真似されると大きな損害を被ります。

そこで、特許庁では、そのブランドを保護するために、商標を登録することで商標権を与えているのです。

商標権の侵害とは

以上、「商標権」「商標」「商標の役割」についてお話ししました。

ここではもう一度簡単にまとめます。

メモ

〇商標権

商品又はサービスについて使用する商標を独占して使用でき、他人が使用することを排除できる権利

〇商標

文字、図形、記号、立体的形状、色、音で組み合わされており、商品やサービスに使用するもの(商標法2条1項)

〇商標の役割

➤ブランドを作ること

ではここで商標権の侵害となりえるケースについてお話ししていきたいと思います。

 

商標権の侵害となりえるケースは以下のとおりです。

注意ポイント

〇商標が登録商標と同一又は類似していること

〇使用する商品・サービスが、登録商標で指定した商品・サービスと類似すること

以上の2つを同時に満たす必要があります。

これだけだと上手くイメージがわかないと思うので具体例を用いてお話しします。

商品「缶コーヒー」に対して使用する商標「コーヒーぼうや」が商標登録しているとします。

商標「コーヒーぼうや」と同一の商標を使用すると、侵害になるのでしょうか。

商品「缶コーヒー」に商標「コーヒーぼうや」を使用すると侵害となります。

また、商品「缶コーヒー」と類似のサービス「喫茶店」の屋号に「コーヒーぼうや」を使用すると侵害となります。

ここで、商品とサービスは類似するケースがあることを知っておきましょう。

では、商品「缶コーヒー」と非類似の商品「ゲームソフト」の名前に「コーヒーぼうや」を使用するとどうなるでしょうか。

この場合には「非侵害」です。

このように商標が同一であっても、商品・サービスが異なるものに使用するものであれば非侵害となります。

では、次に、商標「コーヒーぼうや」に類似する商標「紅茶ぼうい」を使用する場合を考えます。

商品「缶コーヒー」、商品「缶コーヒー」に類似するサービス「喫茶店」の屋号に「紅茶ぼうい」を使用すると侵害となります。

一方、商品「缶コーヒー」と非類似の商品「ゲームソフト」の名前に「紅茶ぼうい」を使用すると非侵害となります。

最後に、商標「コーヒーぼうや」と非類似の商標「コーヒーマニア」を使用する場合には、商品・サービスが同一・類似・非類似のいずれにおいても、非侵害となります。

このように、侵害となるケースは明確に決まっているのできちんと知っておくことをおすすめします。

注意ポイント

〇商標が登録商標と同一又は類似していること

〇使用する商品・サービスが、登録商標で指定した商品・サービスと類似すること

 

商標権を侵害してしまったらどうなるのか!?

では、商標権を侵害するとどうなるのでしょうか。

注意ポイント

〇商標が使用できなくなる➤変更を余儀なくされる

〇ライセンス料を支払わなければならない

〇民事上の請求(損害賠償請求)

〇最悪刑事上の請求(最大10年の懲役・最大1000万円の罰金)

刑事上の請求は稀です。

たいていの場合は、商標権者が弁護士を介して警告状を送ってくるケースが多いです。

損害賠償を回避したいのであれば、商標を変更せざるを得ないケースが多いです。

最近の事例では、たこ焼きチェーン店を展開する白ハト食品工業が、飲食業を営む中小の飲食業者に商標権侵害による商標の使用を中止を求めたニュースが話題になりました。

このケースでは、白ハト食品工業は、「飲食物の提供」というサービスに対して使用する商標「くくる」を商標登録していました。

これに対して、「やきとり居酒屋くくる」を運用する飲食業者に対して、商標権を侵害するものとして商標の使用の中止を求めました。

ここで、白ハト食品工業は、たこ焼きチェーン店を運営しており、たこ焼き店と焼き鳥店は一見するとサービスが非類似のように思われます。

しかし、白ハト食品工業は、商標出願において商標「くくる」を「飲食物の提供」というサービスに対して登録しており、「飲食物の提供」に焼き鳥店が含まれます。

そうすると、この場合には、焼き鳥店の飲食業者は、白ハト食品工業の商標権を侵害しているものとみなされ、使用の中止をせざる可能性が高いといえます。

「やきとり居酒屋くくる」という屋号は長年の信頼が蓄積されたものであり、この屋号に惹きつけられて、お客はこの店に集まってくることが多いと思います。それを今更屋号を変更しないといけなくなると死活問題ともいえます。

そうすると、商標権者にライセンス料を支払うことも考えられますが、このケースにおいてもリスクは高いといえます。

従わないと損害賠償請求されるおそれもあります。大手から警告されると損害賠償請求もありえなくはありません。

このように、商標権の侵害と言われないように予防しておくことはとても重要です。

商標権の侵害を予防するためにやるべきこと

以上のように、商標権の侵害はとてもリスクの大きいことですので侵害を予防することがとても重要です。

ここでは侵害を予防するためにやるべきことをお話しします。

〇登録商標の調査

〇商標登録をする

まずは、あなたが使用している商標、あるいはこれから使用しようと考えている商標と同一・類似の商標がすでに登録されていないかを調査しましょう。

もし、同一・類似の商標がすでに登録をしているのであれば、使用している商標について見直すことをおすすめします。

調査のやり方は以下のとおりです。

 J-platpatを使う

 ➤使用する商標の称呼(呼び名)で検索

 ➤検索結果で出てきた商標から同一・類似のものを確認する

 ➤指定商品・役務(サービス)が同一・類似であるかも確認する

以下にやり方を詳しくお話しします。

 J-platpatを開きます。

 下のサイトが表示されますので、「商標検索」を選択します。

 次に、「称呼(類似検索)」を選択します。

 

 これにより、称呼(文字)が類似していると判断したものが検索結果で表示されます。

 ただし、検索結果で表示されたものが、必ずしも特許庁審査官により、商標と類似するものと判断されるわけではありません。

 次に、下の図のように商標の文字を入力します。

 ここでは例えば、「ウラナイコゾウ」とカタカナで入力します。

 すると、類似していると判断した先願商標が表示されます。

 表示された商標を確認して類似しているかどうか確認します。

 ここで、商標権が存続しているかどうかは、右のマークを確認します。

 「継続」の場合には、商標権は存続しています。

 上の図では、明らかに「占い小僧」とは異なるものですので、「占い小僧」は先願商標との関係からは登録の可能性があるといえます。

 一方、今度は、文字「コゾウ」だけで類似している者があるかどうか見てみます。

 同様にして、「称呼(類似検索)」で「コゾウ」を検索してみます。

 すると、395件も表示されました。

 395件も1つ1つ確認していくのは大変です。

 そこで、検索を絞っていきます。

 検索を絞る上で役に立つのが「類似群コード」です。

ポイント

■類似群コードとは・・・類似の商品又は役務を示したコード

 商標は、商標が先願商標と同一・類似であっても、指定商品・指定役務が非類似であれば、商標登録ができる可能性があります。

 このため、商標だけでなく、指定商品・指定役務が類似のものを絞っていけば効率よく確認することができます。

 そして、その指定商品・指定役務が類似のものとして参考になるのが「類似群コード」です。

 ここでは、類似群コードの調べ方・使い方について説明していきます。

 まずは、「占い」のサービスの類似群コードを調べます。

 下の図のように、「商品・役務名検索」を選択します。

 次に、「類似商品・役務審査基準」を選択します。

 「類似商品・役務審査基準」を選択します。一番上のものが最新版ですので、一番上のものを選びましょう。

 すると、下の図のように第1類~第45類まで分かれた区分が表示されます。

 今回、占いのサービスは第45類であることが分かっているので、「第45類」を選択します。

 すると、下の図のように各サービスごとに対応する類似群コードが表示されます。

 「占い」の場合には類似群コードは「42U02」であることが分かりました!

 そこで、「称呼(類似検索)」に「コゾウ」、類似群コードに「42U02」を入力します。

 すると、以下の図のように395件表示されたものが3つだけに絞られました!

 以上のような感じで先願調査をして同一・類似の商標がないかを確認していきます。

商標は登録しておくことをおすすめする理由

もし使用する商標がすでに登録されていないのであれば商標出願をしておくことをおすすめします。

理由は、商標登録は早いもの勝ちであるからです。

現在、商標登録されていないからといっても、これから侵害の警告を受けないというわけではありません。

後から同一・類似の商標を他人が登録すると、侵害の警告を受ける可能性があります。

そして、商標登録は早いもの勝ちです。

予防のためにも商標の登録はやっておくことをおすすめします。

このブログでは、商標出願を一人でやるための方法についても記事を書いていますのでご参考いただければと思います。

商標出願を自分でやる方法
商標登録を自分で出願する方法を18枚の画像を用いて解説

商標権の侵害の予防のまとめ

〇用語のまとめ

メモ

〇商標権

商品又はサービスについて使用する商標を独占して使用でき、他人が使用することを排除できる権利

〇商標

文字、図形、記号、立体的形状、色、音で組み合わされており、商品やサービスに使用するもの(商標法2条1項)

〇商標の役割

➤ブランドを作ること

〇商標権の侵害にあたるケース

注意ポイント

〇商標が登録商標と同一又は類似していること

〇使用する商品・サービスが、登録商標で指定した商品・サービスと類似すること

商標権の侵害にあてはまるとどうなるか!?

注意ポイント

〇商標が使用できなくなる➤変更を余儀なくされる

〇ライセンス料を支払わなければならない

〇民事上の請求(損害賠償請求)

〇最悪刑事上の請求(最大10年の懲役・最大1000万円の罰金)

商標権の侵害を予防するためにやるべきこと

〇登録商標の調査

〇商標登録をする

 もし困ったことがあればわたくし士業男子やまにご相談を受けても構いません。

 もちろん無料で対応します。

 yamatenisan@gmail.comまでご連絡を頂ければと思います。

以上

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