特許

特許調査のための失敗しないJ-PlatPatのうまい使い方

投稿日:

 僕は、とある法律事務所で働く弁理士(ツィッター@mayaaaaasama)🙈

f:id:mayaaaaasama:20190622224128p:plain

先行技術調査をしたいんだけどJ-PlatPatが上手く使えない!上手い使い方を教えてほしいな

こうした疑問に答えます。

今回の記事は以下のような読者を想定しています。

「技術者」「知的財産部」「特許技術者・弁理士」

今回の記事を読めば、「特許調査のための失敗しないJ-PlatPatのうまい使い方」がわかります。

目次

スポンサーリンク

特許調査にJ-Platpatは必須です

 J-Platpatをご存知ですか?

 J-Platpatは、知的財産権に関連する公報を無料で閲覧できるサイトです。

 特許の場合には、すでに特許出願されている特許公報を誰でも無料で閲覧できます。

 このサイトを使えば自分の発明が特許をとれるか、これから市場に出す製品が特許に抵触してしまうのか、ということがわかります。

 とても便利なサイトですが、使いづらいという問題があります。

 そこで今回はこのサイトのうまい使い方をご紹介します。

J-PlatPatを使いこなすために「FI記号」と「Fターム」は知っておくべき

 J-PlatPatでは上図のとおり、キーワードを入力すれば、そのキーワードに対応した特許公報がでてきます。

 ただし、自分が意図している特許以外のものが出てきたり、キーワードで検索をしぼりすぎて意図しているような特許が検索で出てこない場合があります。

 特許調査において検索式をたてるのは結構難しいです。

 そこで、まず、検索式をたてるにあたり知っておくべきことをお話しします。

 それは以下のとおりです。

・検索式に「キーワード」だけでなく「分類」を使う

・「分類」の「FIターム」と「Fターム」を使いこなす

・キーワードは言い換えられる表現をしらみつぶしで入力する

 まず、「FIターム」と「Fターム」について知っておきましょう。 

 これらは、発明を技術的特徴により分類した記号です。

 「FIターム」は、特許明細書のうち「特許請求の範囲」の記載内容に基づいて分類したものであり、「Fターム」は、特許明細書全文(特許請求の範囲+明細書)の記載内容に基づいて分類したものです。

 どちらを使えばよいのかはケースバイケースです。

 これだけだとイメージがわかないと思うので、「マスク」を例に説明していきます。

 上図のとおり、マスク本体の口周りにスリットを形成したマスクを発明しました。

 これがすでに公開されている特許と被るかどうか検討するとします。

 ここで単に「マスク」「スリット」のキーワードで検索すると、不要な特許も検索結果にでてきます。

 では衛生マスクとかそういうキーワードで検索しようとすると、例えば、発明の名称に「衛生」とはつかず、「使い捨てマスク」というような名称でスリットが形成されているものは出てきません。

 キーワードでなんとかしようとすると広くとりすぎたり、狭すぎたりして上手くいきません。

 そういう場合に、「FIターム」か「Fターム」を使います。

 「FIターム」の「A62B18/02@C」は「衛生マスク」についての分類記号です。

 つまり、衛生マスクという技術的特徴をもっているものならこの分類記号に含まれます。

 そこで、検索項目の「FIターム」に「A62B18/02@C」を入力して検索すると、衛生マスクに関するもののみが検索結果としてでてきます。

 マスクとはいえ「美容マスク」「フェイスマスク」は検索結果として出てきません。

 これにより、不要な特許をはじきとばすことができます。

 一方、「Fターム」では、「2E185AA07」は「口部、鼻部共(呼吸マスク、衛生マスク等)」についての分類記号です。

 この場合、衛生マスクだけでなく呼吸マスクも含まれるので、余計な特許も表示されることになります。

 この場合だと「FIターム」を利用するのがよさそうです。

 このように、「FIターム」「Fターム」を使えば、関係のない技術分野の特許をはじきとばすことができ、より正確に検索することができます。

 キーワードの言い換えについては以下の具体例で説明していきます。

具体例でみる「分類+キーワード」の検索手順 

 では具体例を用いて「分類」と「キーワード」を組み合わせた検索操作手順を紹介します。

 具体例としてここでは「スリットがついたマスク」を題材とします。

 このマスクは上図のとおり、着用時に口のまわりにスリットがついており、このスリットを介してマスクをはずさなくてもストローを口に咥えることができる、というものです。

 発明者はこのようなアイデアを思いつき、このアイデアがすでに知られたものなのかどうか「J-PlatPat」で検索することにします。

 まずは「分類」を用いずに「キーワード」だけで検索してみることにします。「スリット」と「マスク」です。

 

 「マスク」と「スリット」の「AND」検索なので、上図のように分けておきます。

 この場合に検索すると、「68620件」の検索結果です。

 検索結果が3000件以下でないと結果を表示することができず、検索を絞り込まないといけません。

 「マスク」のキーワードでは、衛生用のマスク以外の分野のマスクも検索結果にでてきます。例えば、美容マスクなどです。

 そうすると、「マスク」を「衛生マスク」に「キーワード」を絞ることが考えられますが、そうすると、「衛生マスク」と表現している特許のみが検索結果と出てきます。

 特許の中には衛生用のマスクの特許だとしても単に「マスク」と表現しているものもあります。この場合、検索結果から弾き飛ばされます。

 このように、「キーワード」だけで絞っていくと正確な検索結果が表示されないため「分類」も検索に使っていきます。

 まず、「スリット」と「衛生マスク」で検索をかけます。

 検索結果を見ていくと、発明のタイトルが「衛生マスク」というものが2つ出てきました。

 これらのFIターム(赤い枠で示したもの)を確認します。

 それぞれの特許にはFIタームが2つありますが、下のものが2つの特許に共通しているようです。

 そこで「A62B18/02@C」をクリックしてみます。

 

 すると、「FIターム」の説明には「衛生マスク」とありますので、この分類に絞って検索すれば、衛生マスク以外のマスク(例えば、フェイスマスクなど)をはじくことができます。

 このように、「FIターム」を用いて検索を絞っていけば、関係ない技術のものははじけますし、正確な検索をすることができます。

 では、検索項目「FI」に「A62B18/02@C」を入力し、検索項目「全文」に「スリット」を入力すれば正確に検索できるでしょうか。

 ちょっと待ってください。

 「スリット」だけの検索だと限定的すぎます。

 「スリット」という表現は「切れ込み」という意味であり特許ではよく使われる用語です。

 しかし、「スリット」の別の言い換えの表現も検討すべきです。

 この場合に、「A62B18/02@C」と「スリット」の組み合わせだと、例えば、スリットを「切れ目」と表現したマスクは検索にでてきません。

 そこで、「スリット」の表現について横の展開も検討します。

 表現の言い換えは「FIターム」「Fターム」で検討するのは難しいです。

 そこでGoogle先生にご教示を頂きます。

 「〇〇」「言い換え」で検索すれば候補がでてきます。

 あるいは連想類語辞典を使うのもおすすめです。サイトはコチラです。

 実際に連想類語辞典を使って「スリット」の言い換えを見ていきます。

 出典:https://renso-ruigo.com/

 言い換えの表現から、「穴」「空き」「隙間」「間隙」・・・などが候補として挙げられそうです。

 そこで、以下のように、「請求の範囲」の1行に「スリット」とその言い換えの候補を入力します。

 ここでは「スリット」「穴」「空き」「隙間」「間隙」のみであり、他にも候補はありますが、便宜上これのみにしています。

 この場合、検索結果は「204件」出てきました。

 これらの結果から、「特許請求の範囲」「図面」「要約」を参考に一つ一つ検討していきます。

 はっきり言って面倒くさいです。

 ちなみに、1つ1つ検討していくと、最も近いものがでてきました。

 

出典:特開2018-159143号公報

 どうやら単にマスクにスリットをつけましたよという発明では特許をとるのは難しそうです・・・

 こういう感じでJ-PlatPatを用いれば、本格的に特許調査をすることができます。

 ちなみに、今回の具体例では、「FIターム」+「キーワード」での検索を紹介しましたが、Fタームでの検索も可能です。

 テーマコードの「2E185」をクリックします。

 「2E185」は、「呼吸装置;防護」に関するカテゴリーです。

 

 ここで「2E185」の中の小カテゴリーを見ていくと、「口部、鼻部共(呼吸マスク、衛生マスク等)」がもっとも近そうです。

 ただし、この場合には呼吸マスクも検索範囲に含まれるためこの例ではFIタームでおこなうのがよさそうです。

 もしFタームでやるなら「Fターム」の検索項目に「2E185AA07」を、「請求の範囲」の検索項目に「スリット、・・・」を入力します。

 最後に|特許調査を代行します!

 以上のようにJ-PlatPatを用いれば特許調査を本格的に行うことができます。

 以上のやり方がベストかと思いますが、もし不明な点等があればご遠慮くなくご質問などを頂ければと思います。

 また、わたくし士業男子やまは近々開業予定でして、特許調査の代行サービスも行っています。

 相談は無料ですのでお気軽にご連絡を頂ければと思います。

 また弁理士はこれらの知財のスペシャリストです。

 知財に興味をもったら、弁理士目指してみませんか。

 弁理士の資格勉強方法はコチラで紹介しています。

>>弁理士試験のおすすめの勉強方法を紹介します。この方法で1年弱の勉強量で合格しました。

以上

開業予定の特許事務所です。お仕事の依頼があれば是非!

-特許

Copyright© 弁理士ブログ|とある士業の知的な日常 , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.