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企業知財部の働き方と特許事務所の働き方の違い|それは〇〇であるか〇〇であるか 

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 僕は、とある法律事務所で働く弁理士(ツィッター@mayaaaaasama)🙈

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企業知財部の仕事と特許事務所の仕事の違いってどんなんだろう

こうした疑問に答えます。

僕は特許事務所にも企業知財部にも働いた経験があります。

・中小の特許事務所と大手法律事務所

・大手企業知財部

 僕は特許事務所と企業知財部の両方に働いた経験がありますが、両者の決定的な違いのポイントは「1つ」です。

 その違いのポイントをお話ししたいと思います。

 これを読めば特許事務所にも企業知財部にも経験がない人でも働き方のイメージがわかりますし、向き不向きもわかると思います。

知財に詳しくない方にも読めるように平易に書いています。

 ちなみにこの記事は3分あれば読み終わります。

目次

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企業知財部と特許事務所の働き方の違いとは

 企業知財部も特許事務所も知財に関する仕事をします。

 読者の中には知財について全く知らない方もいると思いますので具体的にいうと「特許」や「商標」です。

 企業知財部も特許事務所もどちらかというと「特許」がメインであることが多いです。

 つまり特許をとるということについて企業知財部も特許事務所も変わりません。

 いずれの職場でも知財のスペシャリストを目指します。

 では、どちらも知財のスペシャリストを目指すのに、企業知財部で働くのと、特許事務所で働くのとはどこが違うのか。

 違いは「1つ」です。

 「戦略的な仕事」をするか、「戦術的な仕事」をするか、という違いです。

 企業知財部では、「戦略的な仕事」をするのに対して、特許事務所では、「戦術的な仕事」をします。

 

戦略と戦術って違いがよくわかんないんだよなあ。。。

 

どや弁
戦略と戦術の違いが一発でわかる方法がありますよ。

 戦略って目的で、戦術って手段なんです。

 英語でいうなら戦略が「What(何のために)」、戦術が「HOW TO(手段、方法)」ですね。

 これを特許に当てはめてみます。

「特許をとる」

 戦略:競合他社とライセンス契約をして競合他社の技術を使う

 ※何のために特許をとるか

 戦術:特許をとるための特許明細書を作成する       

 ※特許をどのようにとるか

 以下では、企業知財部の仕事内容と特許事務所の仕事内容をもっと深く踏み込んでいきます。

 「企業知財部=戦略」「特許事務所=戦術」という点を意識した上でさらに読むことで企業知財部と特許事務所の仕事内容を理解できます。

 企業知財部は戦略的な仕事をします

 企業知財部では戦略的な仕事をします。

 企業知財部で働く場合は何のために特許をとるのかを深く考えます。

 もっというと、企業のビジネスを有利にすすめるために、どういう特許をどれだけとっていけばいいのかを考えます。

 特許をとるための目的というのはいくつかありますが代表的なものとしてはこんな感じです。

・新たな市場の独占

・競合他社への牽制

・競合他社とライセンス契約⇒競合他社の技術を使う

 例えば、競合他社が自社の特定の技術分野に参入しようとしているとします。

 その参入を阻止するために、自社の特定分野に関する特許をとっておきます。

 そうすると、自社の特許にかかわる技術を競合他社はつかえないので、特定分野に参入したくてもできません。

 ここで、知的財産部員は、開発部門に足を運んだりして、競合他社を牽制できそうな発明がないかどうかを発掘します。

 ここでは、他社の牽制につかえそうな発明を発掘してそれを特許にしていきます。

 あるいは、自社が競合他社の技術を使って新たな技術分野に参入したいとします。

 ただし、競合他社の技術を競合他社はすでに特許にしており、使いたくても使えません。

 そこでクロスライセンスにもちこめるように、競合他社が欲しいような特許を自社でとれないか検討します。

 このような感じで、目的があってその目的を達成するために特許をとっていくというのが企業知財部員(厳密にいうとリエゾン)の主な仕事です。

 ポイントは常に競合他社を意識しており、自社のビジネスを有利にすすめるために特許をとっていくというような感じです。

 企業知財部に行くなら経営と知財を一体化しているところ

もし知財に関して戦略的な仕事をしたいのであれば企業知財部に行くことをおすすめします。

 ただし、企業には、知財を重要としているところと、蔑ろにしているところとの差がはげしいです。

 企業知財部に行くなら知財を重要視しているところに行くべきです。

 もっというと、経営と知財を一体化しているようなところに行った方が将来性はあります。

 ここでいう一体化とは、例えば、他社との事業資本提携やM&Aをする場合に、あらかじめて他社の知財情報を分析してからふさわしいパートナーを導き出すというようなことをいいます。

 実は、たいていの企業は、知財情報を有効に活用せずに、経営陣、企画部門、事業部門などが主導でM&Aをすすめていることが多いと聞きます。

 しかし、知財情報をしっかりと分析せずに知財を置き去りにしてはたしてうまくいくかは疑問です。

 そして、あろうことか知財部門の予算をカットしようとする企業もあります。こうした企業は正直未来があるように思えません。

 もし企業知財部門で働くのであれば経営と知財を一体化しているようなところをおすすめします。

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 大手転職サイトとしては企業知財部に強い「DODA」あたりがおすすめです。

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 特許事務所は戦術的な仕事をします

 特許事務所では戦術的な仕事をします。

 つまり、特許をとるための特許明細書を作成します。

 特許明細書とは、発明の思想を文章で表現した権利書のようなものでこれを特許庁へ提出して特許をとることができます。

 ただし、特許庁へ提出しても特許庁審査官により特許をあたえてもよいかどうか審査が行われます。

 特許をとるためには「新規性」「進歩性」といった特許要件をクリアしないといけないのです。

 弁理士は、発明の技術理解だけでなく、特許法や審査基準についてしっかりと知っていないといけません。

 特許明細書を書くことにあたり、特許を広い範囲でとるためのノウハウが必要です。

 特許明細書を書くだけではありません。審査が行われた後、審査官から特許が認められない場合に、特許をとるための方策を考えないといけません。

 これが中間処理というものですが、この中間処理においてもノウハウがあり、こなれた人は審査官の主張に対する有効な反論案で特許をとることができます。

 このように、ノウハウを駆使して特許をとっていくのが、特許事務所での仕事です。

 特許事務所で働く弁理士・特許技術者は戦術家ともいえます。

 だいたい特許事務所ではどんな感じの知財のスペシャリストを目指すのかがおわかりいただけたでしょうか。

 以下では、戦術家を目指すことのメリットとデメリットをお話しします。

 戦術家を目指すことのメリットとデメリット

戦術家を目指すことのメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリット

・個人プレー※他人に時間を拘束されない

・戦術をみにつければよそでも通用する※転職しやすい

・若いうちからでも稼ぎやすい

・一人で独立開業できる

 デメリット

・経営のセンスが身につかない

・独立開業してもうまくいきにくい

まずはメリットから説明していきます。

 特許事務所での仕事は完全に個人プレーです。特許をとるためのスキル(戦術)が身についていれば、1人でクライアントとやりとりして完結できます。

 つまり、自分の自由な時間で好きなようなやり方で働きやすいというのがメリットの1つです。

 つぎに、特許をとるためのスキル(戦術)が身につけていれば、そのスキルって万国共通ですので他の特許事務所でも通用しますよね。

 一方、企業知財部の場合には、職場で身につけた戦略的なスキルがその企業でしか通用しない場合があります。そうなるとよその企業でも通用しにくく転職がやりづらい場合があります。

 このため、転職がしやすいというのもメリットの1つです。嫌になったり、職場の待遇が悪かったらすぐ抜け出せます。

 さらに特許をとるためのスキルってめちゃくちゃ重宝されます。

 というのも、専門性の高いスキルですし、誰もが簡単にまねできません。そして、知財をとるっていうのは企業の将来の命運がかかっています。

 とても重要なスキルです。その分報酬がいいわけです。

 このため、特許をとるためのスキルを若い時からみにつけていればアラサーでも1000万円以上を稼ぐことは十分に可能です。

 さらに、クライアントをとってこれば独立開業も可能となります。

 特許をとるためのスキルがあれば一人で自由に独立開業も可能です。

 一方、デメリットとしては、経営スキルは身につかないことです。

 これは戦術にたけていても戦略的な仕事をしていなかったら身につかないのはわかると思います。

 もう一つのデメリットとしては独立してもうまくいかない可能性もあることです。起業家になるのだから、戦略的に仕事をしてこなかったら可能性としては高いです。

 特許事務所で働く弁理士がなかなか独立開業しない理由は、この点にあるかなと思っています。

 ただ、デメリットを考えても、メリットの方が大きく、特許事務所で働くのはおすすめかなと思います。

 特許事務所の働き方が少しでもいいなと思ったら

特許事務所での働き方が少しでもいいなと思ったら、行動してみることをおすすめします。

自分の特許事務所での市場価値を知るのもいいかもしれません。

市場価値を知るにはどうすべきか。それは特許事務所に詳しい転職エージェントに相談して求人案件を紹介してもらうことです。

紹介してもらった求人案件から提示される年俸が分かるので特許事務所の市場価値を知れるといった感じです。

相談と言っても1時間くらいで来訪しなくて軽く電話だけするといった感じでいいかなと思います。

転職エージェントとしては「リーガルジョブボード」をおすすめします。無料で1分程度で軽く登録できますので、少しだけフットワークをあげるのにおすすめです。

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なお、リーガルジョブボード聞いたことないし大丈夫と思った方もいるかもしれません。

そういう方は下の記事もあわせてご覧ください。リーガルジョブボードがなぜおすすめなのか理由がわかると思います。2分くらいで読めますよ。

>>転職サイト「リーガルジョブボード」に取材をしてきた話|特許業界の裏話もあり!?

以上

開業予定の特許事務所です。お仕事の依頼があれば是非!

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