弁理士

弁理士の仕事の内容ってどんな感じ!?現役弁理士が徹底解説します

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 僕は、とある法律事務所で働く弁理士🙈

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弁理士って興味あるけど具体的にどんな仕事内容なの!?

こうした疑問に答えます。

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 弁理士の仕事の内容ってどんなもの!?

では弁理士の仕事についてお話しします。

特許事務所で働く弁理士は2つのタイプがあります。

特許を主に担当する特許弁理士と商標を主に担当する商標弁理士です。

今回は特許弁理士の仕事の内容についてお話しします。

仕事の内容は以下のとおりです。

(1)特許明細書の作成:稼げる度★★★★★、レベル★★★★

(2)国内中間処理:稼げる度★★、レベル★★

(3)特許翻訳:稼げる度★★★、レベル★★★★

(4)翻訳チェック:稼げる度★なし、レベル★

(5)外国中間処理:稼げる度★★★★、レベル★★★

上図を用いて、「発明発掘」から「特許の取得」までの流れを簡単に説明します。

(1)まず、発明について特許を取得するために、特許明細書を作成し特許庁へ提出します。

(2)次に、特許庁の審査官;が特許明細書について特許を与えるべきかどうか判断します。
特許を与えるべきでないと判断した場合は、その理由が記載された拒絶理由を出願人(クライアント)へ通知します。
代理人は出願人(クライアント)に代わって拒絶理由を分析して特許を取得するために応答します。

(3)一方、外国においても特許を取得したい場合には、外国の特許庁へ提出するために特許明細書を翻訳(英訳)して提出します。
但し非英語圏の場合は、英訳して更に現地語に訳す。

(4)特許明細書の翻訳を翻訳担当者に受注する場合、翻訳担当者が作成した英文明細書をチェックします。

(5)外国においても特許庁の審査官が特許を与えるべきか判断します。
これを現地代理人とやり取りをしながら応答します。
以下順番に説明しますが、ここで結論を言っておきます。
   未経験者はまず「特許明細書」を書くべきです。

(1)特許明細書の作成:稼げる度★★★★★、レベル★★★★

弁理士の仕事内容の1つが、「特許明細書」を書くことです。

特許明細書は、発明の概念を説明した権利書です。発明に特許が与えられた場合、特許明細書に記載された概念に相当するものはすべて特許の権利範囲に含まれます。

これだけだとよく分からない方もいると思います。

実際に書かれた特許明細書を読んでみたいという方もいると思います。

その方向けにおすすめの公報を挙げておきます。

特許6366202号公報です。

ロバート秋山氏の梅宮辰夫Tシャツをご存知でしょうか。下図を見るとああこれか。と分かる方も多いと思います。

シャツを上に脱ぐようにシャツの表裏を裏返すと、裏にプリントされた梅宮辰夫が丁度顔の位置に重なるように現れるものです。

この発明についての特許明細書です。

こんなシンプルなものがいかに複雑な文章で表現されているかわかると思いますし、特許明細書のストーリーも把握しやすいと思います。

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出典:特許6366202号公報

こちらのサイトから検索してみることができます。

(1)「特許・実用新案」タブから「特許・実用新案番号照会」を選択

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(2)ここの右の空欄に6366202を入力して照会

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なぜ特許明細書がおすすめなのか

特許明細書の作成の稼げる度を★5つとしました。正直★は無限かと思います。

特許事務所では、特許明細書を書ければ、それだけで食いぱっぐれになることはなく、売上をどんどん稼いで年収をあげることもできます。英語ができなくても、資格をもっていなくても特許明細書さえ書ければやっていけます。

但し、レベルも高く、自力で習得はほぼ不可能です。熟練者に指導を受けてまずは丁寧に書くことから始めた方がいいです。上記のロバート秋山の梅宮Tシャツの特許明細書を観ればそのレベルも納得されると思います。

このため、特許事務所でまず特許明細書の書き方の指導を受けて書けるようになることが重要です。

(2)国内中間処理:稼げる度★★、レベル★★

 次に、国内中間処理について説明します。まず、国内中間処理について簡単に説明します。

 特許出願すると、その出願に係る発明に特許を与えてもよいか特許審査官が審査します。

 この審査において、審査条件(特許要件)を満たすることができれば特許が与えられますが、特許要件を満たさなければ、その理由を記載した拒絶理由通知書を通知します。

 この拒絶理由通知書に対し、特許技術者、弁理士は適切な応答案を作成し、特許権利化を目指します。

 この拒絶理由通知書ではたいていの場合、その出願日以前に、同一又は似たような技術があるから特許をとることができないと判断されることが多いです(同一の場合は、新規性欠如、似たような技術の場合は進歩性欠如といいます)。

 これに対して、弁理士・特許技術者がとるのは以下の2つです。

・特許審査官の指摘が誤りであると反論する。

・特許審査官の指摘を認めた上で、その同一又は似たような技術を外すように特許範囲を狭める。

 これだけではイメージがわかないと思いますので以下に具体例を用いて説明します。発明者は、背を持たれる背もたれを備えた椅子を発明したとします。

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 特許出願において権利化したい特許の範囲(特許請求の範囲といいます)は、上図の通り、背もたれがあればなんでもいいものです。

 ここで、特許審査官は、右図のように脚部の棒が座部を超えて突き出た形態の椅子を見つけ、この突き出た部分が背もたれに相当するから、特許を受けることができないと指摘したとします。

 しかし、これはどう見ても背もたれというよりも脚部が突き出たものです。

 この場合、弁理士・特許技術者は、特許の範囲を過度に狭めることなく、特許審査官に特許を与えるように検討します。

 例えば、この突き出た部分が背もたれでないことを技術的な観点で説明して特許審査官に説得させたり、あるいはこの形態を外せるように権利化したい特許の範囲の文言(表現)を書き換えたりします。

 このように、いかに特許の範囲を過度に狭めることなく、特許審査官に特許を与えるよう説得できるかが、特許技術者・弁理士の腕の見せ所です。

国内中間処理の稼げる度とレベル

国内中間処理の稼げる度は★2つとしました。

 国内中間処理は特許技術者・弁理士であればできないといけないものです。

 しかし、こればっかりやっていても全く稼げません。そういう意味での★2つです。

 国内中間処理は、正直言うと指導を受けなくても自力で頑張って何とかやっていけます。

 審査基準をしっかりと勉強すれば対応できます。

 このため、まずは特許事務所に入所したら特許明細書だけにしぼってバンバン書くべきです。

 これは後から十分対応できます。その意味でレベルは★2つです。

(3)特許翻訳:稼げる度★★★、レベル★★★★

上述の通り、外国に出願する場合には、国の特許庁へ提出するために特許明細書を翻訳(英訳)して提出します。

 特許翻訳のスキルを身につければフリーランスとして稼げることができますが、AIなどに仕事に置き換えられた利する可能性が高く、将来性がよくないです。

 また、英語にこなれているだけでなく技術を理解した上で適切に翻訳しないといけないためレベルも高いです。

 このため、あまりおすすめできません。

(4)翻訳チェック:稼げる度★なし、レベル★

英文特許明細書のチェックです。

 主に誤字脱字をチェックします。

 これは単純作業といえるものでありスキルアップが図れません。

 この仕事は楽ですが、なるべくこの仕事は避けた方がよいと思います。

(5)外国中間処理:稼げる度★★★★、レベル★★★

外国中間処理は、国内中間処理と同様ですが以下の点で異なります。

・外国の審査基準を習得する必要がある

・現地代理人への指示書を英文で書く

・現地代理人の応答案を確認して適切に指示する

 外国中間処理では外国の審査基準をしっかりと勉強する必要があります。

 この仕事では勉強量が半端ではないです。

 特に、米国と欧州の2つの審査基準を勉強することは重要です。

 しかも、英語ができないといけません。

 この業界では、英語ができない人が多いので外国中間処理ができるとそれだけで有利です。

 外国中間処理はチャージ制であることが多く、国内中間処理よりも稼ぐことができます。

 その意味で稼げる度を★4としました。

 但し、外国の審査基準を勉強したり、英語にこなれていないと難しい場合が多いです。このためレベルは★3です。

 外国中間処理をバンバンやるよりも特許明細書を書く方が理想的です。

未経験者はとにかく特許明細書を書きましょう

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もし特許事務所へジョブチェンジして高速で稼ぎたいのなら特許明細書の書き方を覚えることです。

未経験者の場合には稼ぐために、まずは特許明細書の書き方を良質な指導で教えてもらうことをおすすめします。

特許明細書の書き方を教えてくれるところは中小規模の特許事務所がその傾向が強いです。

所長からマンツーマンで指導してもらえます。正直言って、クライアントから信頼される所長から指導をもらうのは相当でかいです。

実際僕も所長からマンツーマン指導で1年くらいで特許明細書の書き方をマスターしました。

高速でスキルを磨くには中小規模の特許事務所へ転職することをおすすめします。

ただし、中小規模の特許事務所の中にはブラックもありますので見きわめが必要です。

しかし、未経験者が特許事務所を判断するのは難しいかなと思います。

そこで転職エージェントとして「リーガルジョブボード」を利用することをおすすめします。

こちらのサイト」から無料で簡単に1分程度で無料登録できます。

リーガルジョブボードは中小規模の特許事務所に強く、しかも良好な環境の事務所を紹介してもらえます。

この話は過去記事でも紹介しています。

もし未経験で特許事務所へ転職を考えるなら「リーガルジョブボード」へ登録するのをおすすめします。

>>転職サイト「リーガルジョブボード」に取材をしてきた話|特許業界の裏話もあり!?

最後に|もしご相談があれば

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 最後になりましたが、特許事務所の転職などについて筆者に聞きたいことがあればご遠慮なくご連絡を頂ければと思います。

 答えられる範囲のことは答えます。

 メールアドレスはyamatenisan@gmail.comです。ツィッターのDMでも構いません。

 またこれを見て「弁理士の資格でもとろうかな」と1ミリでも思ったら下の記事もチェックしてみてください。弁理士試験のほとんどを理解できると思います。

>>弁理士試験のおすすめの勉強方法を紹介します。この方法で1年弱の勉強量で合格しました。

以上

開業予定の特許事務所です。お仕事の依頼があれば是非!

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