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【悲報】大手特許事務所はこの先未来がないと思える理由

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 僕は、とある法律事務所へ働く弁理士🙈

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 今回は、「大手特許事務所はこの先未来がないと思える理由」についてお話しします。

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 この記事を書いたきっかけ

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まずはこの記事を書いたきっかけをお話しします。それは「IPランドスケープ経営戦略」という本を読んだのがきっかけです。この本では、企業知財部が、過去の知財の特許の大量出願から知財と経営の融合という戦略をとってきた経緯が詳しく解説されています。その中でもIPランドスケープ経営戦略が今後重要となっていくようです(IPランドスケープについては次回の記事で書く予定です)。

この本を通じ、今の大手特許事務所のやり方について思う所があったので自分の経験も踏まえて書くことにしました。

IPランドスケープ経営戦略

IPランドスケープ経営戦略

  • 作者: 渋谷高弘,IPL経営戦略研究会
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2019/03/26
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 大手特許事務所が儲かるメカニズム

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まず、「大手特許事務所がこの先未来がないと思える理由」に先立ち、大手特許事務所が(これまでに)儲かっていたメカニズムを上図(赤のマーカで示した部分)を用いて簡単に説明したいと思います。

上図は、知財部門の過去から現在までの流れをフローで示したものであり、このフローに沿って説明すれば分かり易いと思います。

企業知財部門は昔は「閑職」とみられ経営陣から戦略部門と扱われることがなく、社会的地位は低いものでした。また、企業知財部門の仕事は専門性が高く、経営陣にとって、その仕事は分かりにくいものでした。このため、知財部門は経営陣から社会的地位を認めてもらうために数字で示せる実績を掲げることにしました。それが登録した特許の数です。企業知財部員は、経営陣から社会的地位を認めてもらうように、特許を「大量」に出願して、「大量」の特許を登録することを戦略に掲げました。日本企業が世界で最多の特許を出願してきた背景はここにあります。

この知財部門の戦略に恩恵を受けたのが「大手特許事務所」でした。特に、大企業の知財部門は、信頼性と安心感(潰れないという意味)から中小よりも大手特許事務所に大量に案件を依頼します。大手特許事務所は、これらの案件を速やかに処理してどんどん処理していけばどんどん売上を爆上がりできる仕組みが出来上がります。そこで、大手特許事務所は弁理士・特許技術者を大量に雇用して、彼らに売り上げの一部を支払うことで案件の受注を滞りなくすすめることができました。このようにして、弁理士・特許技術者を雇い、大企業から大量発注することで儲かるシステムを整えてきました。この時代には、大手特許事務所も羽振りがよく、雇われの弁理士・特許技術者は好待遇であり、事務所は一等地の豪華なオフィスを構えるようになりました。

 大手特許事務所はこの先未来がないと思える理由

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以上のように、大手特許事務所は大企業から大量に案件を依頼して儲かるシステムを確立してきました。しかし、それは過去の話であり、今もそれが残っている事務所もあると思いますが、徐々に衰退していき未来がないように思えます。その理由は以下のとおりです。

・大企業が特許の大量出願を見直すようになった(青のマーカで示した部分)

・価格競争に飲まれることになった

・低待遇により若手の弁理士・特許技術者が流出するようになった

・ビジネスに変化が見られない

まず、大企業が特許の大量出願を見直すようになりました。これは上図のとおり、大量出願により問題が発生したり、大量に特許を取得してもそれが利益に上手くつながらなかったからです。ここでいう問題とは、特許出願により公開された技術ノウハウが中国・韓国の企業により簡単に奪われてしまったことです。このように、中国・韓国企業に技術ノウハウが奪われていくという問題が発生しており、大量出願を見直し、出願の案件数を低下しました。これに伴い、大手特許事務所の売上も低下していきました。

また、価格競争に飲まれることになったことも要因です。大企業は案件を大量に発注する代わりに特許事務所に値下げさせようとするところが多いです。これに伴い、大手特許事務所も案件を大量に発注しても過去ほど売り上げが伸びてこなくなりました。

そうすると、その案件を処理する雇われ弁理士・特許技術者の待遇も悪くなります。そして低待遇により、より高い年収が見込める特許事務所や知財系のコンサルティング会社などに転職するようになります。特に20~30代の若手は、過去の羽振りのよい恩恵を受けておらず給料水準も低いためどんどん流出するようになっています。

また、大手特許事務所のほとんどが、今も、大企業に案件を大量に発注し、雇われ弁理士・特許技術者に特許明細書を書かせるというシステムで成り立っています。このような状況であるにかかわらず新しいシステムが整っていないのです。もちろん、大手特許事務所ではこのようなシステムを見直しつつあるとは思いますが、ほとんどがこのありさまです。

そうすると、大手特許事務所はクライアントからの要望に適切に合致しておらず、売り上げも戦力である弁理士・特許技術者の数も下がる一方であり、この先未来がないことが予想されます。

 これからは大手特許事務所に勤めるべきか

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以上のように、大手特許事務所はこの先未来がないと思えます。

では、未経験者などはこれから大手特許事務所に勤めないほうがよいのでしょうか。これについては、勤めた方がよいと考えます。大手特許事務所の勤めるメリットはこのブログで書いている通りたくさんあります。問題は長くい続けないことです。自分にとってメリットがなくなった時点で出るべきです。

メリットとは、「特許明細書を書くためのスキルを磨くこと」「出向・海外研修・オフィス駐在の経験を積むこと」「クライアントと親しくなり将来の自分の顧客とすること」など様々あります。また、売り上げをバンバン処理することにより年収を1000万円以上稼げる大手特許事務所もあります。ただし、長くい続けるとい続けることのデメリットの方が大きい場合もありますので、見切りをつけて転職するのがよいです。

ここで転職のやり方について少し説明します。転職のやり方については、失敗しないためにおすすめなのが転職エージェントの利用です。ただし、転職エージェントは、特許事務所に特化して、誠実かつ信頼できるエージェントを利用すべきです。特許事務所に特化しても、自分の都合のよいように誘導させるエージェントであれば、事務所のマイナスポイントを隠そうとします。そこで、特許専門の転職エージェントとしておすすめなのが、特許事務所に特化して、誠実かつ信頼できる観点から、「リーガルジョブボード」です。

 エージェントは、特許事務所に自ら取材をして、給与システム(評価システム)、スキルの指導のやり方、所長の人柄、事務所の雰囲気などを把握しています。そこで、エージェントに希望条件を伝えてヒアリングを行いながら転職活動を進めるのがおすすめです。「リーガルジョブボード」は、こちらのサイトから「無料」で簡単に1分程度で登録できます。あとは、エージェントから連絡がくるのを待ちましょう。

 独立開業へ進むのも選択肢の1つ

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以上のように、大手特許事務所はこの先未来がないと思われるため、特に20~30代の若手は長くい続けることは難しいかなと思います。ではどうすべきかというと上記のような転職という選択肢もありますが、独立開業へ進むのも選択肢の1つと思います。ここで、大手特許事務所のほとんどが旧来のシステムにとどまり変化していないことから、新しい知財ビジネスを展開する上でチャンスであるとも思えます。実際に僕もまた、大手事務所に勤めていますが、独立開業へ向けて着手しています。弁理士の独立開業は初期費用が低くローリスクであるためやりやすいと思います。独立開業へ進むのも選択肢としてよいかなと思います。

 というわけで、これをご覧になっている方でこの僕に特許の依頼をしてやってもよいと考えている方は是非是非ご連絡いただければと思います!

 ご連絡は下記メールかツィッターのDMまで頂ければ幸いです!

 yamatenisan@gmail.com

 

 以上 

開業予定の特許事務所です。お仕事の依頼があれば是非!

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