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テクニカルライティングで覚えておくべきたった「2つ」のこと|エンジニア・研究者向け

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 僕は、とある法律事務所へ働く弁理士🙈

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 今回は「テクニカルライティングで覚えておくべきたった『2つ』のこと|エンジニア・研究者向け」というタイトルにてお話ししたいと思います。

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 「成果を生み出すテクニカルライティング」を読んでみた

成果を生み出すテクニカルライティング ── トップエンジニア・研究者が実践する思考整理法

成果を生み出すテクニカルライティング ── トップエンジニア・研究者が実践する思考整理法

まず簡単にこの記事を書いたきっかけをお話しします。本日「成果を生み出すテクニカルライティング」を読んでみました。

これは現役弁理士が書いた本で、研究内容を言語化するために必要なテクニカルライティングのノウハウが開示されています。実際に僕も弁理士の仕事をしており、親しみと共感を覚える本であり、とても参考になりました。この本では弁理士の主要な実務である特許明細書の文章の型をベースとして、研究者・エンジニア向けにテクニカルライティングのノウハウを開示しています。そこで、今回は、この本を参考にしてエンジニア・研究者向けにテクニカルライティングで最低限覚えた方がよいことを紹介することにしています。この本は更に深く考察されていますのでもし興味をもたれる場合には購入をおすすめします。

 テクニカルライティング(技術文書)で覚えておくべきたった「2つ」のこと

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では「テクニカルライティングで覚えておくべきたった『2つ』のこと」についてお話しします。それは以下の2つです。

 (1)研究内容を「背景技術」「課題」「解決手段」「効果」の構成にあてはめること

 (2)各構成要素(「背景技術」「課題」「解決手段」「効果」)の関係性を知ること

以下順番に説明します。

 (1)研究内容を「背景技術」「課題」「解決手段」「効果」の構成にあてはめること

まず、研究内容を「背景技術」「課題」「解決手段」「効果」の構成にあてはめてみることが重要です。以下、「背景技術」「課題」「解決手段」「効果」について簡単に説明します。

「背景技術」はその技術分野における最新の技術(すでに知られている技術)をいいます。

「課題」はその最新の技術をもってしても解決できないものをいいます。

「解決手段」「課題」を解決できる手段をいいます。

「効果」「解決手段」によって達成したもの、すなわち「研究成果」です。

例えば、電子レンジで調理できるカップ麺を開発したとします。この場合は、カップ麺のカップの素材として特殊なものを用いることで電子レンジでも調理できるものとします。そうすると、これを上記の構成に当てはめると以下のようになります。

「背景技術」

カップ麺にお湯を注ぎ簡単に調理できる食品がある

「課題」

水を沸騰させてお湯を注ぐ必要があるため手間がかかる。

「解決手段」

カップ麺の素材を特殊なものに代える。

「効果」

カップ麺の素材を特殊なものに代えることで、カップ麺に水をため電子レンジで調理しても可能。これにより手間を省くことができる。

これはあくまでも簡単な例ですが、このようにして研究内容とその成果を「背景技術」「課題」「解決手段」「効果」の各構成要素にあてはめてみてストーリーを構築させることがテクニカルライティングで重要です。こうすると、読み手にも研究の背景やポイントが明瞭に分かります。

僕は企業知財部に所属していた時もあり、そこで特許をとるために、発明者と発明のヒアリングを行いました。予め、発明の提案書を送られてくるのですが、このような構成となっていないことが多く発明のポイントが良く理解できない印象でした。そして、僕は知財部において発明者教育を任されたこともあり、そこでこのような書き方に沿って発明の提案書を書くように指導したことがあります。このように、「背景技術」「課題」「解決手段」「効果」の順にストーリーを構築することは研究内容を整理する上でとても重要であり、ポイントが明確となります。

 (2)各構成要素(「背景」「課題」「解決手段」「効果」)の関係性を知ること

次に、各構成要素の関係性を知ることが重要です。この関係性についてポイントを挙げると以下のようになります。

・「背景技術」「課題」「解決手段」「効果」の構成は「起承転結」型のストーリーとなる

・「背景技術」と「課題」の間には「逆接(しかし)」が入る

・「背景技術」の構成と「解決手段」の構成との差分が「課題」を解決できた「ポイント」となる

・「課題」と「効果」は表裏一体の関係

これらのポイントを理解しておくとより分かり易いテクニカルライティングを身に着けることができます。以下順番に説明します。

・「背景技術」「課題」「解決手段」「効果」の構成は「起承転結」型のストーリーとなる

まず、「背景技術」「課題」「解決手段」「効果」の構成は「起承転結」型のストーリとなります。「背景技術」が「起」に相当し、「課題」が「承」に相当し、「解決手段」が「転」に相当し、「効果」が「結」に相当します。これによって、1つのストーリーとなりえます。

例えば、上記のカップ麺の例えでいうと、「手軽に食べられるカップ麺があった。しかし、水を沸騰させてできたお湯をカップ麺に注ぐ必要があり手間がかかるという問題があった。これに対し、研究者は電子レンジに耐えうるカップ麺のカップ用の素材を開発した。これにより、カップ麺に水をためて電子レンジでチンするだけでお手軽に食べることができる。」というような感じです。

このように研究内容は起承転結型のストーリーでまとめていくと上手く研究のポイントを伝えることができます。

・「背景技術」と「課題」の間には「逆接(しかし)」が入る

課題は、上述のとおり、最新の技術をもってしても解決できないものです。そうすると、「背景技術」と「課題」の間には逆接が入ります。上記のカップ麺の例においても「手軽に食べられるカップ麺があった。『しかし』、水を沸騰させてできたお湯をカップ麺に注ぐ必要があり手間がかかるという問題があった。・・・」接続しています。

・「背景技術」の構成と「解決手段」の構成との差分が「課題」を解決できた「ポイント」となる

「背景技術」の構成と「解決手段」の構成との差分が「課題」を解決できた「ポイント」となります。

例えば、「背景技術」の構成が「A」「B」「C」で成り立っているとして、解決手段が「A」「B」「C’」で成り立っているものであれば、差分は「C」と「C’」であり、これが「ポイント」となります。上記のカップ麺の例で言うと、カップ麺の新しい素材が「C’」に相当します。

・「課題」と「効果」は表裏一体の関係

次に、「課題」と「効果」は表裏一体の関係にあります。すなわち、課題は効果の裏返しのような関係です。上記のカップ麺の例でいうと、課題は「手間がかかる」というものでしたが、効果はその裏返しである「お手軽になる」というものです。

このように、課題と効果が表裏一体の関係であることを理解しておけばテクニカルライティング(技術文書)をより簡潔に書くことができます。

 テクニカルライティングなら弁理士が得意分野です

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以上のように、「テクニカルライティングで覚えておくべきこと」についてお話ししました。このような書き方は実は「特許」をとるための申請書である特許明細書で使われる型です。審査官に発明のポイントを上手く伝えるためにはこのような書き方をすればよいことが分かると思います。そして、このような書き方に慣れている弁理士は、テクニカルライティングが得意であるといえます。僕もこれまでに様々な分野の異なる特許明細書を300件以上書いているので自信があります。もしテクニカルライティングで不明な点などあればご遠慮なくご相談いただければと思います。

メール(yamatenisan@gmai.com)でもツィッターDMでも構いません。

 最後に

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以上のとおりテクニカルライティングで覚えておくべきことをお話ししました。このブログでは、他にも研究者・エンジニア向けに特許事務所へのジョブチェンジをすすめたりしていますのでもしよければご参考ください。

www.mayaaaaasama.com

以上

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