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弁理士の将来性を考えるのはナンセンスである理由

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「弁理士の将来性ってあるのかなあ」

「文系だと弁理士の将来性大丈夫なの!?」

「弁理士ってAIに仕事を奪われるの!?」

「士業はオワコンと言われているけど弁理士もオワコンなのか!?」

 これから弁理士を目指そうと考えている方はこうした疑問をもつかもしれません。

 しかし、結論を言うと、弁理士の将来性はあるともないとも言えず、そもそも弁理士の将来性を考えること自体ナンセンスです。

 その理由を以下にお話しします。

 弁理士がオワコンでない理由について2020年7月19日追記。

1.弁理士の将来性を考えるのはナンセンスである理由

よく「〇〇」という職業には将来性があるかないかという話がでてきます。

ここでいう「将来性」とは、将来、その職業が発展したり、需要が大きくなり、頑張れば稼げる見込みの高いことをいうものと思います。

今では、エンジニアは将来性があるとか言われています。

せっかく弁理士の資格を苦労してとっても将来的に需要がなかったら報われないとか不安に思う方もいるかもしれません。

特にAIが台頭して奪われる仕事などが紹介されているため一層将来性について考える方も多いと思います。

 

しかし、弁理士を目指すにあたって、弁理士の「将来性」について考えなくてもOKです。

理由は以下の3つです。

①弁理士という仕事に一定のニーズがあり、参入障壁が困難であることから仕事を奪われることはない

②とはいうものの業務範囲がフィクスされているから、これから伸びていくというようなものでもない

③将来性というよりもワークライフを考えるべき(これが重要)

①については、将来性がないというものでもなく、②についてはかといって将来性がめちゃくちゃあるというものでもなく、将来性について考えることは意味をなさないということです。

むしろ弁理士を目指すなら、将来性よりもワークライフについて考えたほうがいいですよというのが③です。

以下、順番に解説します。

①弁理士という仕事はなくなることはない

個人的に弁理士の将来性を考えることは、「航空管制官」などの専門性の高い公務員の将来性を考えることと似ていると思います。

「航空管制官」になりたい人は、航空管制官の将来性についてまで考えることはあまりないと思います。

というのは、この仕事はこの資格(国家公務員)をもたないとなれないものであり、上空に航空機が飛んでいる以上、ニーズもなくなることはないからです。

航空管制官の場合は、よくも悪くも安定していることは明らかです。

弁理士も同じです。

弁理士の主な仕事は、知的財産の権利化を代行する仕事であり、主に特許出願や商標出願を代行します。

この代行業務は弁理士という資格をもたないとなれない仕事であり、他者の参入障壁は困難です。

ではニーズはどうかというと商標出願については年々増加傾向であるのに対し、特許出願については年々減少傾向ですが、一定のニーズは保たれています。

商標登録出願件数の推移

特許出願件数の推移

また、弁理士は高齢化の傾向にあり、弁理士の登録者の平均年齢は51.54歳であり、35歳未満の割合は3.9%であることから年齢的に若い人にとっては、ニーズはむしろ高いといえます。

弁理士年齢分布

引用元:https://www.jpaa.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/dstribution-202001.pdf

弁理士がAIに仕事を奪われるかどうかを考えることはあまり意味がない

ここで、一定のニーズがあったとしてもAIに弁理士の仕事が奪われるのではと思うかもしれません。

もちろん弁理士ができる仕事の中には、AIができる仕事もありますが、奪われることは決してないと断言できます。

例えば、現在、商標出願はオンラインでAIの技術をつかって自動化できる部分もあります。

しかしながら、出願代行自体はできても拒絶理由がきたときの中間処理はAIで対応することは困難です。

また、これは聞いた話ですが、韓国・台湾の特許事務所では、AIを用いて特許明細書を自動化できるサービスを使っているそうです。

とはいうものの100%完全にできるわけではなく、60%くらいの出来でしかないようです。

そこで60%を100%とするために弁理士が必要となります。

これからAIの技術は発達してくことが予想されますが、例えば発達しても、商標の中間処理や、特許明細書を100%自動化するといったことは不可能であり、弁理士の仕事を奪われることはないでしょう(個人的にAIで自動化できるのは大歓迎なのですが・・・)。

僕自身もプログラミングをやってきており、商標出願オンラインサービス「BrandAgent」を開発しました。

プログラミングの学習期間と開発期間はあわせて2か月ちょいです。

独学で学びました。独学勉強法は「プログラミングを独学で150時間の勉強時間で身につける勉強法を解説」(外部リンク)と「【Ruby入門】RubyとRailsを独学で1か月で学習する方法」(外部リンク)をご参照ください。

まとめ記事は「プログラミング言語のおすすめ・独学勉強法のまとめ」の記事をご参考に。

開発の中で、AIの勉強をしていますが、どうしても弁理士の業務はAIができる部分とできない部分とがあります。

むしろAIが弁理士の仕事の一部を負担してくれると、若手の弁理士後発組にとってはチャンスです。

というのは、弁理士先発組は対応困難でしょうし、仕事の一部を負担してくれると、より専門性の高いところに集約できたりと時間をより有意義なものにしてくれるからです。

いずれにせよ、弁理士がAIに仕事を奪われることはないでしょう。

文系の弁理士の将来性

あなたが文系の場合、弁理士になっても将来性がないのではと思っているかもしれません。

そこで以下補足しておきます。

実際に、商標出願を担当している弁理士は昔と違って稼げなくなっていることは事実です。

しかし、だからといって文系の弁理士に将来性がないかと言われるとそうでもないです。

特許出願の分野の中でも、文系でも対応できる分野もありますし、コンサル系弁理士、企業弁理士、開業弁理士としても活躍できます。

開業弁理士の場合、営業力があれば、仕事は理系弁理士を雇えばOKです。

文系の弁理士の方であっても商標に特化しないのであればいくらでも活躍できる場はあります。

②業務範囲がフィクスされており、これから伸びていくものでもない

一方で、弁理士の業務範囲は出願代行業務、裁定代行、鑑定業務に限定されており、業務範囲が今後大きく拡大することはないでしょう。

この点もまた一定のニーズが確保されているものの、業務範囲が拡大することはない航空管制官などの専門的な公務員に似ています。

ニーズについても特許自体なくなることはないですが、特許出願や商標出願件数が大きく増えていくことはないでしょう。

以上より、弁理士の将来性を考えることは、航空管制官などの専門的な国家公務員の将来性を考えるようなものであり、あるともないとも言えず、そもそも考えること自体ナンセンスです。

それよりも、弁理士のワークライフを知り、そのワークライフにあなたが合っているかどうかを考えて弁理士を目指したほうがより豊かな人生を送るための理にかなっているのではと思います。

③将来性というよりもワークライフを考えるべき

もしあなたが弁理士になろうか考えているなら、将来性があるかどうかを考えるよりも、弁理士のワークライフに合っているかどうかを考えましょう。

今は、高い年収を稼ぐというよりも自分にあった働き方ができるかを考えた方がよいです。

もちろん、弁理士になれば、サラリーマンよりも年収は稼ぎやすいです。

また、弁理士を本業に副業を始めるという選択肢もありです。

筆者は、今年は副業で月10~30万円弱の収益を得ていましてブログ収益です。

気になる方はブログの収益の立て方とアフィリエイトのやり方をご参考に。

>>「ブログの収益の出し方|月1万円を稼ぐためのやり方を紹介

>>「アフィリエイトの始め方の手順と月1万円を稼ぐやり方のコツまで解説

まとめ記事はこちら「ブログアフィリエイトで月1万円を最速で稼ぐやり方のまとめ

ちなみに企業弁理士の場合はサラリーマンとワークライフはほとんど変わらないと思うので、特許事務所で働く場合のワークライフを紹介します。

 

2.弁理士がオワコンでない理由

よく士業はオワコンといわれており、弁理士もそうなのかと思われるかもしれません。

 

例えば、デジタルの発達により情報格差がなくなって誰もが士業の独占業務をできるようになってきているから士業の役割は終わったというものです。

ただし、弁理士は大丈夫かと思います。

理由は2つあります。

①弁理士の独占業務は審査がある

②知的財産には権利範囲を広くとれるかが重要であり、広くとれるかはノウハウ・専門性によることが大きい

すみませんが僕は登記についてあまり詳しくはないですが、司法書士のメインである登記は、形式的な審査はあると思いますが、実質的な審査というものはなく、手続きができるかどうかが重要であると思います。

そうすると、手続きについてネットでは広く解説されており、司法書士に頼むのなら自分で申請しようという感じで司法書士の仕事はなくなっていくことは予想されます。

つまりは、登記の場合、入り口が重要です。入口に進めば、あとはすんなり出口に行けます。

一方、弁理士の場合には、入り口に進んで出口に行くまでが大変です。

どういうことかというと、商標を例にお話しします。

商標出願ははっきり言ってネットで調べると誰でもできます。

しかしながら、商標出願を含む知的財産は、審査があります。

審査結果によっては、権利化できない場合があり、この場合には出願手数料が数万円無駄になってしまいます。

審査結果に対し、応答して覆る場合がありますが、応答案を作成して、審査を覆すことは実務経験がないと難しいです。

おまけに商標の場合は、期限管理も重要であり、申請したら終わりというわけにはいかないのです。

特許の場合は入り口までも難しいです。

これは内製化したほうが企業にとってコストが安くなるにもかかわらず、ほとんどの企業が今もなお特許事務所に依頼していることからも明らかと思います。

以上のように、弁理士の場合、入り口よりも出口(広い範囲で特許権や商標権をとること)に向かうことが難しく、これはネットで情報の格差が縮んでも変わりません。

さらに付け加えると、知財は国内だけではなく、外国にも出願することがあり、専門家に依頼せざるを得ない状況に変わりないことも補足しておきます(ただし、国内だけ依頼して、外国は弁理士を使わないという企業もありますが)。

以上のように、特許や商標という知財のシステムがなくならない限り、弁理士という仕事はオワコンにはならないでしょう。

 

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