弁理士

弁理士に将来性はあるのか!?現役弁理士が答えます

更新日:

 僕は、とある法律事務所で働く弁理士(ツィッター@mayaaaaasama)🙈

f:id:mayaaaaasama:20190622224128p:plain

 今回は「弁理士に将来性があるのか!?」というお話をしたいと思います。

 僕は、とある法律事務所で働く弁理士(ツィッター@mayaaaaasama)🙈

f:id:mayaaaaasama:20190622224128p:plain

弁理士の仕事興味あるけど将来性ってあるのかなあ。特許出願件数は年々減ってきているし、AIに置き換えられてなくなる仕事って言われているし大丈夫なのかなあ

こうした疑問に現役弁理士が答えます!

目次

スポンサーリンク

弁理士の将来性は働き方によって異なります

弁理士の将来性ってどうなのかなあ。

士業男子やま
一概にあらゆる弁理士の将来性は明るいとか暗いとかそういう判断はできないですね。弁理士と言っても特許事務所で働いている弁理士、企業で働いている弁理士、独立開業している弁理士とさまざまです。

 弁理士の将来性は弁理士の働き方により異なります。

 弁理士は、働き方によって4つのパターンに分類されます。

・特許事務所では働いている弁理士

  1.特許専門の弁理士 ⇒特許明細書が書ければ食いっぱぐれになることはないです。特許明細書が書ける弁理士は今も重宝されます。

  2.商標専門の弁理士 ⇒微妙。AI導入や価格競争により今後やや厳しくなることが予想される。

・企業で働いている弁理士⇒サラリーマンの形態なので将来性どうこうは関係なし。大手企業には知財部の規模を縮小している傾向がある一方、これから知財に力を入れているベンチャー企業、IT企業が多く、企業で働くならベンチャー企業、IT企業が今後おすすめです。

・独立開業している弁理士 ⇒工夫次第でビジネスチャンスは十分あり。年収500万円くらいで一人で気楽にやっていきたいなら十分あり。年商5000万円以上を稼いでいる新鋭特許事務所もいくつかある。

 僕がこれまでに務めた特許事務所、法律事務所、知人からの特許事務所、企業弁理士の情報、独立系弁理士からの情報をもとに判断しています。

 商標専門の弁理士が今後厳しくなりそうな感じはします。ただし、商標を使った新たなビジネスチャンスは十分ありそうです。

 それ以外は、劇的に明るくなるというものではないですが、暗くはならず平常運転かなと思います。

 弁理士の収入はどうなっているの!?

弁理士の平均年収は今後減少傾向なのかな?

どや弁
昔よりは今の方が平均年収は減少していますよ。ただ、今後は平均年収はこれ以上減少しないと思います。10~20以上前は年収1000万円以上を稼いでいる弁理士はたくさんいましたが、今は平均年収650万円くらいです(※1)。10~20年くらい前から弁理士試験の合格者を増やして弁理士の数が飽和状態となったり、リーマンショック後に企業が特許出願の出願数を減らす方針をたてたことで徐々に平均年収も減少しました。

 弁理士にはスキルがなくても資格さえあれば年収1000万円以上稼げた時代がありました。

 しかし、そのようなスキルの乏しい弁理士が担当した特許出願は、結局のところ特許をとっても有効性が見出されないばかりか、技術内容が公開されてしまい韓国台湾などの東アジアの新興メーカーに技術をパクられてしまったのです。

 もちろん全ての弁理士がそうではありませんが、実際にところ、今では40~50代の弁理士の中には特許明細書が書けていない弁理士が多数います。

 企業知財部も特許をとった実績を経営者にアピールしたいために特許出願の件数を無駄に増やしていきました。この反省から企業のほとんどが戦略に基づいた特許出願をするようになり、出願件数をおさえました。

 10~20数年以上前が異常だっただけの話です。

 今は、弁理士の資格をとっただけでは稼げません。特許明細書が書けるといったスキルも身についていないと400~500万円程しか稼げないと思います。

 逆に特許明細書が書ければ年収1000万円以上を稼ぐことは十分可能です。

商標弁理士はどうなの?

どや弁
う~ん。現在も価格競争に飲まれており、資格とスキルがあるだけでは思う以上に稼げないかもです。更に集客力といった能力も必要かと思います。ちなみに商標出願の手数料は特許出願の手数料に比べると安いので集客はそれほど難しくありません。

 ちなみに商標登録出願の出願件数の推移は近年上昇傾向であり、仕事が増えていますが、価格競争が激しいのであまり稼げないかもです。

引用元:特許庁ステータスレポート2018、https://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180329003/20180329003.html

 特許出願は減っているけれど特許事務所は人材不足である理由

特許出願の出願件数って年々減ってきているの?

どや弁
近年はそうでもないですよ。

 特許出願の出願件数は近年では横ばいです。減少傾向にあったのはここ5年くらい前までです。

 それでも上昇傾向にないので全体としては減っているといえなくはないですが。

引用元:特許庁ステータスレポート2018、https://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180329003/20180329003.html

 しかし、ここ数年特許事務所は人材不足で悩んでいます。

 大手特許事務所はどこもかしこも事務所説明会を開いて人材を確保しようとしています。

 パテントサロンにも近年全くお目にかかれなかった特許事務所も登場しています。

 また、新鋭の特許事務所も登場しており、人材募集をしています。

 なぜ特許出願件数は減っており、弁理士の数が増えているのに、特許事務所は人材不足に悩まされているのか。

 理由は2つ考えられます。

 ・特許明細書を書ける弁理士の数が少ない

 ・弁理士の高齢化

 単純に資格を持っていてもスキルが備わっていない弁理士が滅茶苦茶多いです。特に40代にその傾向は多いです。

 そして、弁理士の高齢化問題です。60~70代で第一線をはっていた弁理士が引退をしようとしています。

 弁理士の数が増えるとはいえど高齢化には勝てません。

 20~30代の若い働き手が圧倒的に不足しているのです。

 このため、もし若くしてスキルもあり弁理士の資格をもっていたら特許事務所で結構やりたい放題できますよ。

 特許事務所の待遇に不満があれば出て行って年収アップをはかるのもよいです。

 今ならこの人材不足の気流に乗って年収1000万円以上稼ぐこともできます。

 年収1000万円以上を稼ぐやり方はこちらの記事がご参考になると思います。

 弁理士の仕事はAI導入でなくなるの!?

 かなり前の話ですが、2015年12月に公表されたオックスフォード大学と野村総合研究所の研究で、「AIによる代替可能性の高い職業」に「弁理士」が挙げられていました。

 弁理士がAIに代替される可能性はなんと「92.1%」ととても高い結果を得たということです。

 このニュースで弁理士はAIでなくなるのではと不安になった方も多いと思います。

 ただし、AIで置き換わると言われている弁理士の業務は一部しかありません。

 また、この研究では、弁理士の仕事というよりも特許事務所の仕事も対象とされています。

 つまり特許事務員の仕事であり、事務的な手続きです。

 商標の仕事はAIで置き換わる可能性は高いと考えられますが完全に置き換わるのは当面先のようです。

 とはいえ商標登録サービスの一部はすでにAIに置き換えられているようです。

 株式会社Toreruは、人口知能AIを搭載した商標検索エンジンを使って商標出願サービスを行っています。

 登録したい商品名やロゴ画像をアップロードすると画像認識技術などの技術を使って類似する商標の有無を調べることができるようです。

 このようなサービス行うことにより、書類作成の9割以上を自動化して人件費を抑えているようです。

 参考:日本経済新聞「商標登録のトレル、AI検索エンジンを公開」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46544920V20C19A6XY0000/)

 ただし、特許出願についてはAIで置き換わることは今の技術では難しく相当先のようです。

 今の20代が弁理士の資格をとっても現役の間は逃げ切れると思います。

 特許出願がAIに置き換えられない理由の1つを挙げておきます。

 特許明細書では、技術のコアな部分をできる限り秘匿して特許をとること重要です。

 一見矛盾しているような感じがしますが、技術のコア以外の部分で特許性を出して特許を出すやり方です。

 ただし、どこまでも秘匿してどこから公開するかは、発明者とのヒアリングを通じてなしえることであり、このようなことまでAIが代替できるのかは難しいです。

 まとめると以下のような感じです。

 特許出願⇒現在のAIでは置き換えることは難しい。

 商標出願⇒今後AIで置き換えられる可能がある。

 このため、特許弁理士を目指すならAIの心配は必要ないです。

 弁理士の将来性はむしろよくなるかも

 以上のとおり、弁理士の将来性は暗くはないです。

 これからぐんと伸びるというものでもないですが、少なくとも特許弁理士だったら安泰はしているかなと思います。

 やはり独占業務という利点は大きすぎます。他がどうしても参入できないですから。

 さらに、今では独立開業にもビジネスチャンスがあります。

 AI導入でWeb上で商標登録出願できる「株式会社Toreru」やスタートアップ企業の知財サポートも展開している「IPX特許事務所」などこれまでの特許事務所と違ったアプローチでビジネスを展開している事務所が目立っています。

 特に今の大手特許事務所はやり方がここ数十年変わっておらず、上層部の方がアップロードされていないようであり、ビジネスチャンスは大いにあると思っています。

むしろ今後はビジネスチャンスもあったりで弁理士の将来はむしろよくなっていくかなと思います。

 以下では理由を詳しく解説していきます。

 弁理士に将来性があると言える理由

f:id:mayaaaaasama:20190827120442j:plain

弁理士になると将来性はあるのでしょうか。結論は「ある」といえます。その理由は以下の4つあります。

(1)AI導入はむしろビジネスチャンス

(2)競合相手の数が少なすぎる。希少価値は変わらない。

(3)ベンチャー企業の特許出願件数増加でビジネスチャンスが広がる

(4)知財のスキルを身につけて知財コンサルタントの道へも進める

以下順番に説明します。

(1)AI導入はむしろビジネスチャンス

f:id:mayaaaaasama:20190808084510j:plain

上述の通り、「弁理士のAIによる代替可能性は92%」という報告がされています。しかし、この報告では、「どのような業務が代替されるのか」「『いつ』に代替されるのか」についての分析が明確にされていません。特許事務員がするような業務も含まれている可能性もあります。「92%」という数字が独り歩きしているような感じです。これについては、日本弁理士会副会長についても同様に反論しているようです(https://biz-journal.jp/2018/02/post_22313.html)。

また、日本弁理士会副会長も反論しているように、弁理士の主要業務である、特許明細書の作成については、AIに代替されることは当面の間はないようです。少なくとも今の20代が定年になる頃までは問題なさそうです。そもそも、特許明細書では、ノウハウをできる限り秘匿して権利範囲を広くとること重要です。ノウハウをどこまで秘匿するかなどは、発明者とのヒアリングを通じてなしえることであり、このようなことまでAIが代替できるか疑問に思います。

その一方で、事務的な手続きや特許調査などはAIに代替されるのであればそれはむしろ「ビジネスチャンス」です。特許事務所で働いている場合には、単純に人件費削除により、その分実体者である弁理士・特許技術者の年収もアップしやすくなります。

特に独立開業に有利に働きます。というのも、独立開業で一番厄介なのは、集客よりも事務であるためです。これがAIに代替されるのであれば相当独立のハードルは下がります。これについては、独立開業された弁理士の先生もツィートしています。

また、面倒な調査の作業もAIで代替されればメインである特許明細書の作成に本腰を入れることができ作業効率の高くなります。

このように、AI導入によりむしろメリットの方に働いていき弁理士の将来性はよくなると言えます。 むしろ独立開業を視野に入れている僕としては、もっとAI技術が発達してほしいくらいです笑

(2)競合相手の数が少なすぎる。希少価値は変わらない。

f:id:mayaaaaasama:20190827122438j:plain

弁理士に将来性がある理由として、「競合相手の数が少なすぎる」という点が2番目に挙げられます。ほとんどの業界は新規参入者の台頭により仕事を奪われるリスクに晒されています。例えば、アメリカの大手タクシー業界がUberという新規参入業者によって破産しましたし、国内のタクシー業界においても危機にさらされています。これに対して、弁理士の場合には専門性の高さのためにこのようなことはなかなかありません。

もちろん弁理士同士の競争はありますが、他の業界との競争がない分緩い環境といえます。今後もそれは変わりないでしょう。

弁理士の場合、資格をとって専門スキルを身に着ければ、希少価値が生まれて、普通に食べていけますし、自由な働き方を実現できます。自由な働き方については今後一層加速されていることが予想されます。すなわち、特許事務所のほとんどが例えば、在宅勤務を許可していくことが予想されます。

特許事務所に行かなくても在宅勤務で、30代で1000万円を稼ぐということも可能です。

ただし、弁理士の資格を取得するだけでは「希少価値」の存在といえないので、特許事務所でしっかりと専門スキル(特許明細書の作成スキル)を身に着けることが重要です。未経験者や経験が少なく方は良質な指導をしてくれる特許事務所を慎重に選びことが重要です。これについては、転職エージェントを利用して上手く事務所選びするのが重要です。

(3)ベンチャー企業の特許出願件数増加でチャンスが広がる

f:id:mayaaaaasama:20190827123831j:plain

弁理士に将来性がある理由として、「ベンチャー企業の特許出願件数増加でチャンスが広がる」という点が3番目に挙げられます。

ここ数年の間、大手企業が特許出願の出願数を減らしていく傾向にありますが、その一方でベンチャー企業が知財戦略に本腰を入れて特許出願件数を増やしていく傾向にあります。実際に僕が今勤めている事務所においても、ベンチャー企業からの出願依頼が増えていますし、先日話をしていた独立弁理士の先生も1~2人事務所ながら、ベンチャー企業から依頼が来ているという話もしていました。

また、先日には弁理士が特許事務所からベンチャー企業へ転職する話も聞きました。話を聞くと、特許事務所の年収よりも高い年収をベンチャー企業は提示したようです。

このように、弁理士にとって、ベンチャー企業へ転職して知財サポートしたり、独立開業で集客しやすくなるなどビジネスチャンスが広がっています。

(4)知財のスキルを身につけて知財コンサルタントの道へも進める

f:id:mayaaaaasama:20190827130709j:plain

弁理士に将来性がある理由として、「知財のスキルを身につけて経営コンサルタントの道へも進める」という点が4番目に挙げられます。

今は、特許を含む知財情報を利用して、経営戦略を立てていく企業が増えています。この考え方は「IPランドスケープ」というものです。例えば、競合他社の特許情報を集めてそれを整理してマッピング化し、そのマッピング化した情報に基づいて競合他社の技術動向や開発技術の方向性を把握するというものです。

具体例を以下にしまします。

競合他社A:化学系材料メーカー

これまでの特許出願:耐摩擦性効果のある材料X、ドリル用途で出願

近年の特許出願:耐摩擦性効果のある材料Yを靴用に出願

このようなケースにおいて、A社の特許出願から様々な事業戦略が見えてきます。例えば、A社は今後は、靴メーカと提携して事業を展開してくことが予想されます。このような感じで、特許情報に基づいて競合他社の技術動向などをは博して経営戦略を立てていくのが今後主流となることが予想されます。

これに対して、このような分析などは知財の専門性が必要であり、弁理士のニーズが高まります。弁理士は、特許事務所で働くという形態に限らず、知財コンサルタントに軸足をうつすこともできます。仕事の幅が広がります。

 専門スキルを磨くならまずは「特許明細書を書けること」が重要です

f:id:mayaaaaasama:20190810163639j:plain

以上のように、「弁理士オワコンじゃねえかw」と思われそうですが、実際には弁理士には将来性があるといえます。

ただし、将来成功するためには、弁理士の資格と特許実務の組み合わせが重要です。

特許実務のベースとなるのが特許明細書が書けることです。これがないと始まりません。

このため、弁理士を目指そうと考えている方は良質な指導を受けられる特許事務所にまず勤めることをおすすめします。

ただし、特許事務所の中には劣悪な環境のところもあるのが事実であり、自分一人で適切に選ぶことは困難であることが多いです。

そこで、特許事務所へジョブチェンジをするのであれば転職エージェントの利用をおすすめします。

ここで、特許専門の転職エージェントとしておすすめなのが、手厚くサポートしてもらえる観点から、「リーガルジョブボード」です。

 「こちらのサイト」から無料で簡単に会員登録できます。

 この転職エージェントでは、特許専門のエージェントから、具体的な特許事務所の内情を聞けたり、内定までの転職活動をサポートしてもらえたり、更にお祝い金ももらえたりするのでおすすめです。

 そして「無料」です。

 特許事務所への転職のやり方については過去記事でも書いていますのでこちらもご参考ください。

>>特許事務所への転職のやり方|失敗しない適切な方法

 以上

開業予定の特許事務所です。お仕事の依頼があれば是非!

-弁理士
-,

Copyright© 弁理士ブログ|とある士業の知的な日常 , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.