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大手特許事務所で働くことのメリット・デメリットをまとめました

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僕は、とある法律事務所で働く弁理士(ツィッター@mayaaaaasama)🙈

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 僕は、これまでに中小と大手の特許事務所(法律事務所)で働いた経歴があります。詳しくはこちらです。

・中小特許事務所(最初の特許事務所。出願業務を主に担当。)

・中小特許事務所(2か所めの特許事務所。ここで特許明細書の書き方を一通りマスター。)

・大手法律事務所(出願業務を主軸とし、弁護士と協同して鑑定なども担当。今ここ。)

 この経歴のように、僕は大手も中小も両方経験しています。また、それぞれの事務所にいる知人からも事務所内の情報を聞いたりしています。

 それらの経験、情報をもとに、大手特許事務所で働くことのメリット・デメリットをまとめてみました。

 これから特許事務所への転職を考えている方にとって、大手特許事務所に行くべきか、中小特許事務所に行くべきか悩んでいる方も多いと思います。

 そのような疑問に答えたいと思います。

目次

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 大手特許事務所で働くことのメリットとデメリット

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 では、まず「大手特許事務所で働くことのメリットとデメリット」についてお話しします。

(大手特許事務所で働くことのメリット)

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 大手特許事務所で働くことのメリットは以下のとおりです。

・売り上げを稼ぎやすく、高い年収が見込める

・上司・パートナーのチェックが緩い傾向。スキルレベルがそれほどなくても一人前にやっていける

・セキュリティがしっかりしているため、リモートワークがやりやすい

・デスクスペースが広く仕事がやり易い

 まず、大手特許事務所では、売上を稼ぎやすいです。なぜ売り上げを稼ぎやすいかそのメカニズムを以下にお話しします。

 特許事務所では、売上は「特許明細書を書くこと」で決まります。特許明細書の1件あたりの単価は20~30万円です。これを月に4件書くとします。これだけで100万円です。更に、特許事務所の仕事には、特許明細書を書くこと以外にも中間処理もあり、これは1件あたり10万円です。これを月に4件書くとします。これだけで40万円です。合計すると「140万円」です。

 通常、年収は売り上げの1/3といわれていますので、この場合だと、140×12×1/3=560万円の年収です。これだと、一般企業の平均年収とあまり変わらず、それほど高くないように思われます。

 ここで、更に外国出願をする場合もあります。大手特許事務所ではクライアントが大手であることが多く、大手のクライアントは国内だけでなく外国にも出願します。外国出願した場合、すでに国内出願したものを外国に移行するための「移行料金」が発生します。この移行料金は大体「15万円」です。これは1か国ごとに発生します。大手クライアントは、たいていは、「米国」「欧州」「中国」「韓国」「台湾」に移行する傾向があります。そうすると、移行する外国の数が5か国ですので、15×5=75万円です。この売り上げは、国内出願を担当した者に発生するので、何もしなくても「75万円」の売上を稼いだことになります。そうすると、140万円+75万円=215万円です。毎月、このような移行料金が発生すると、215×12×1/3=860万円となり、なかなかの年収が見込めます。

 ここで、特許明細書月4件と、中間処理月4件は毎日定時退社すれば可能です。更に処理案件を稼ぐために残業すれば1000万円も十分手の届く範囲にあります。

 また、大手特許事務所の場合は、上司・パートナーのチェックが緩く、スキルレベルがそれほどなくても十分に一人でやっていけます。これは、大手特許事務所の場合は、仕事の量が多すぎて、上司・パートナーが部下が仕上げたものを細かくチェックする時間がないためです。このため、中小特許事務所で、厳しいチェックについていけない方でも大手では一人で十分やっていけます。何度もやり直しのストレスもたまらず、自由な働き方ができます。

 また、大手特許事務所の場合は、セキュリティーがしっかりしていたり、ネットワークシステムが構築されていることが多く、貸し出しのノートPCを使ってリモートワークできることが多いです。このため、朝からストレスのたまる満員電車などに乗らなくてもよいですし、育児・介護などの理由で在宅したい方にとって便利です。

 更に、大手特許事務所は、デスクスペースが広く、落ち着いた環境で仕事をすることができます。

(大手特許事務所で働くことのデメリット)

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 大手特許事務所で働くことのデメリットは以下のとおりです。

・上司・パートナーからの指導が乏しい傾向。未経験者はなかなかスキルを上げにくい

・仕事が豊富にあるため忙しくなり易い

・年功序列制の事務所がある

 まず、上司・パートナーからのチェックが甘い分、指導がほとんどない傾向にあります(全ての事務所がそうというわけではないですが、圧倒的に少ないです)。このため、未経験者はなかなかスキルを上げるのが難しい環境です。ある大手特許事務所がホワイトだと言われてもそれは一定のスキルがある人にとってホワイトである場合が多く、未経験の人にとっては、誰も教えてくれず放任され、しかも仕事を大量にまわされるので「ブラック」であったりします。このようなこともあり、なるべく未経験者は最初の特許事務所を大手にしない方がよいかもしれません。

 次に、仕事が豊富にあるため忙しくなり易いです。パートナーはどんどん仕事を振ってきます。仕事を担当すると、納期までに仕上げないといけず、多忙の毎日を過ごすことになります。仕事が早ければそれほど苦ではありませんが、遅いと残業が多くなります。この場合は、仕事をしっかりと断る判断力も重要です。

 次に、これは一部の大手の話ですが、年功序列制の事務所があるので注意が必要です。このような事務所に長くい続けてもほぼ未来はありません。若いうちでも売り上げを稼げば年収が上がるのがこの業界の「売り」ですが、それが全くありません。そして、このような事務所では、高給どりの高齢者たちに摂取される羽目になります。ここは注意をした方がよいです。

 未経験者は大手特許事務所に行くと失敗するリスクが高い

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 以上の通り、大手特許事務所で働くことのメリットとデメリットを紹介しました。大手特許事務所で働くことは、高い年収が見込めることで魅力的です。しかし、丁寧に指導してもらえないことのデメリットが大きいです。新卒で大手特許事務所に入り、相当苦労している人を何人か知っています。そのうちの一部の方は、ついていけずにこの業界から去っていきました。この大手特許事務所は一般に印象が良い事務所であり、僕も悪くはないと思っています。しかし、それはある程度スキルを積んできたものの印象であり、未経験者は全く別の印象を受けます。このように、指導があまりなされないというデメリットは未経験者にはとても大きいです。

 では未経験者はどうすべきかというと、中小の特許事務所で所長からマンツーマンで指導してもらえる事務所にまず入り、みっちりと指導を受けてもらうべきです。そして、1~2年くらいで経験を積んでから大手に入り、がっつり稼げばよいです。

 但し、全ての中小特許事務所が指導を丁寧にしてくれるところばかりでなく、そこは適切に事務所を選ぶことが重要です。これは自分では対応できないので信頼できる転職エージェントに相談しましょう。信頼できるエージェントとは、「リーガルジョブボード」です。転職活動においてエージェントの利用は必須ですのでこちらのサイトから登録しておきましょう。5分で簡単に無料で登録できます。

  経験者は大手特許事務所へ転職するのがベスト

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 一方、ある程度の経験(1年以上)を積んだ経験者は、大手特許事務所に転職するのがよいです。そこで大手特許事務所の選び方ですが、以下の点を考慮した方がよいです。

・上司・パートナーのチェックに癖がないか

・大手クライアントの仕事の案件が豊富にあるか

・年収は売り上げのどのくらいの割合で支払われるのか

・リモートワーク可能か

 この点を考慮して適切に事務所を選ぶことが重要ですが、自分で対応が難しいです。そこで、信頼できる転職エージェントに相談しましょう。信頼できるエージェントとは、「リーガルジョブボード」です。転職活動においてエージェントの利用は必須ですのでこちらのサイトから登録しておきましょう。5分で簡単に無料で登録できます。また、リーガルジョブボードは年収交渉に応じてくれたり、お祝い金をもらえたりできますのでこれは利用しないわけにはいきません。

 リーガルジョブボードがお勧めの理由について詳しく過去記事で書いていますのでこちらも合わせてご覧ください。

www.mayaaaaasama.com

以上

開業予定の特許事務所です。お仕事の依頼があれば是非!

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