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特許明細書の書き方のコツを現役弁理士が徹底解説します

更新日:

 僕は、とある法律事務所で働く弁理士(ツィッター@mayaaaaasama)🙈

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特許明細書が書けるようになるコツを知りたいな

 この悩みを解決します。

 僕は、これまでに中小と大手の特許事務所(法律事務所)と大手メーカー知財部で働いた経験があります。詳しくはこちらです。

・中小特許事務所(材料系、構造系、電気系合わせて特許明細書の作成件数100件程)

・中小特許事務所(2か所めの特許事務所。ベテラン所長から特許明細書の書き方を一通りマスター)

・大手メーカー知財部(発明者に特許明細書の書き方を指導)

・大手法律事務所(特許明細書の大量処理。2年間ほどで200件程の特許明細書を作成)

 この実績を元に、特許明細書の書き方をお話ししたいと思います。

 今回の記事は、以下のような読者を想定して書いています。

・特許事務所で働く実務経験者・初学者で特許明細書の作成スキルに伸び悩んでいる方

・企業知財部・技術者で特許明細書を書いたり、校閲したりしたことのある方

特許明細書ってなにそれ?という方はこちらの記事が参考になると思います。

>>特許明細書とは!?書き方を現役弁理士が分かり易く図解で解説します

目次

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 特許明細書の書き方【順序編】

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 特許明細書は、上図の手順で書いていきます。

(1)発明提案書と先行技術文献を読み込みます。

(2)本願発明と従来技術とを比較しながら対比表を作成します。

(3)作成した対比表をもとに「特許請求の範囲(クレーム)」を作成します。

(4)作成した「クレーム」をもとに「明細書」を作成します。

 (4-1)「明細書」のうち、背景技術、課題、解決手段、効果を作成し、発明のストーリーを完成させます。

 (4-2)「実施例」を作成します。

※材料系の場合、明細書の記載順序は「実施形態」⇒「実施例」の順序ですが、作成段階では「実施例」⇒「実施形態」の順番で書いていきます。

 (4-3)「実施形態」を作成していきます。
※実施形態では、「実施例」を一般化して、権利範囲を広くとれるように書いていきます。

(5)ブラシュアップをします(「校閲」)。

(6)「要約書」を補充して完成です。

 なお、「願書」は特許事務員が通常作成するものであり、「特許図面」は図面担当者が通常作成するものであるのでここでは省略します。

 では、以下にそれぞれの工程を詳しく説明していきます。

 特許明細書の書き方【下準備段階】

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 下準備では、「発明提案書」と「先行技術文献」を読み込むことと、対比表の作成を行います。

 以下順番に説明します。

 特許明細書の書き方【先行技術文献の読み込み】

 特許明細書を書く前に、「発明提案書」と「先行技術文献」を読み込みましょう。

 先行技術文献は、発明者に準備してもらうのが基本です。

 先行技術文献を読み込んでおくメリットは以下のとおりです。

・従来技術に対する発明のポイントを知る。

1.当該分野の技術内容を理解できる

2.従来技術に対する発明のポイントを理解できる

3.先行技術文献の内容を明細書に転用できる

先行技術文献を読むことは、当該分野の技術を知るうえでとても有益です。

 弁理士・特許技術者は、自分の専門分野以外の分野についても明細書を書かなければいけません。

 このとき、専門書をいちいち用意して読んでいれば時間がかかって非効率です。

 では、どうやって自分の専門外の技術を理解するか。

 それは、最もその発明に近い先行技術文献を読んで理解することです。

技術を理解するために専門書を読み込む必要はないの!?

士業男子やま
専門書は手元にあったほうがよいですが、特に必要というわけではないです。ネットや特許公報でほとんど調べればわかりますよ。

 

 「発明提案書」を読めば「発明のポイント」を理解できます。

 しかし、そのポイントは、従来技術のものである場合もあります。

 従来技術のものをポイントとしてクレームを書いても特許性は出ません。

 従来技術と差別化できる発明のポイントを知ることが重要です。

 後述しますが、「メインクレーム」は、少なくとも新規性が出る特徴を特定する必要がありますので先行技術文献の読み込みは重要です。

 

 明細書は、先行技術文献を意識して作りますのできちんと読みこなせば明細書の内容が充実します。

 明細書では、先行技術文献の技術的思想と異なるようにストーリーを構築させます。

 なぜなら、そうしないと進歩性がなく特許性が出ないためです。

 特許明細書の書き方【対比表の作成】

「発明提案書」と「先行技術文献」を読み込みながら「対比表」を作成します。

 対比表は、発明と先行技術を整理して理解する上でとても重要です。

「対比表」の書き方を説明します。

 1.「発明」の構成を要素ごとに分解します。

 2.各構成要素の役割を見出します。

3.先行技術の公知品の構成を要素ごとに分解していき、各構成要素の役割も見出します。

 4.発明の各構成要素が、先行技術の公知品の構成にあるかどうかをチェックします。

 

 ここまでが対比表の作成です。

 対比表を作成したら、そこから、先行技術に対する発明の差異点を見出してクレームを作成します。

 

これだけでは頭の中でイメージがつかないと思うので以下の椅子を具体例として見ていきましょう。

この例では、椅子として丸太椅子や、座部の中央に円柱が貫通した椅子は公知品であり、座部の後部に板部材が起立したような椅子(左図)を発明したとします。

では、この例にもとづいて対比表を作成していきましょう。

 1.「発明」の構成を要素ごとに分解します。

 2.各構成要素の役割を見出します。

3.先行技術の公知品の構成を要素ごとに分解していき、各構成要素の役割も見出します。

 4.発明の各構成要素が、先行技術の公知品の構成にあるかどうかをチェックします。

では、まず「1.」と「2.」を以下に説明していきます。

役割については、弁理士・特許技術者が理解できないところも多いので発明者とヒアリングをして引き出します。

 ではつぎに役割から要素を概念化していきます。

 この発明では、板部材を座部材に後部に形成することにより、板部材が使用者の背を安定に支持してくれるので、使用者が着座した時に姿勢を維持できることが特徴です。

 では次に公知品についても同様にしていきます。

(公知品1:丸太椅子)

(公知品2:座部を支持する円柱が形成された椅子)

 ここまでが手順「3」です。

 では発明品と公知品のそれぞれについて、構成要素と役割を抽出したので対比表を作成していきます。

発明品 公知品1 公知品2
 板部材 × ×
  座部材の後部に起立  × ×
  使用者の姿勢を維持するための部材  × ×
 座部材 〇座部材 〇座部材
  使用者が着座するための部材   〇使用者が着座するための部材  〇使用者が着座するための部材
 脚部材 × 〇脚部材
  座部材を支持するための部材 ×   座部材を支持するための部材

こうしてみると、「板部材」は公知品1にも公知品2にもない特徴であることが分かります。

 そうすると、発明品は、「板部材」を形成することにより、公知品1と公知品2に対して新規性を備えていることになります。

 また、板部材の役割は、使用者の姿勢を維持することであり、このような発想は、公知品1と公知品2からは想定されません。

 そうすると、本発明は板部材を備えることにより、公知品1と公知品2に対して新規性も進歩性も否定されないと考えられますので、この構成をクレームで特定すれば特許性がでてきます。

 このように、対比表を作成して公知品に対して新規性がありそうな構成要素を見出すために対比表を作成していきます。

 

 ここで、板部材に対して公知品1と公知品2に対して新規性があることが分かりました。

 つづいて、構成要素を概念化できないか検討していきます。

 本発明のポイントは、使用者の姿勢を維持するための部材を形成することにあります。

 これに対し、実施品では、

 ・板状部材

 ・座部の後部に形成されている

 という特徴を備えています。

 使用者の姿勢を維持するために、これらの特徴は必ずしも必要でしょうか?

使用者の姿勢を維持するための部材としては、上図のような椅子も想定されます。

 もし特許請求の範囲に「座部の後部に板部材が起立した」ことを特定すると、これらの椅子は権利範囲に含まれません。

 発明品だけがカバーされてしまい、アイデアそのものがカバーされていない不味いクレームとなってしまいます。

 このようなことがならないように発明品の構成要素を概念化できないか考えることが重要です。

 概念化を考える上でヒントになるのが、構成要素の役割です。

 板部材の役割が、「使用者の姿勢を維持するための部材」であるなら、この役割そのものをクレームで特定すればよいのです。

 ただし、この表現ではあまりにも機能的すぎて許容されない場合もあります。

 では、使用者の姿勢を維持するためにはどういう構成があればよいのかを考えてみます。

 それは、使用時(着座時)に使用者の背と当接するような部材が形成されていればよいのです。

 上図の例で言うと、そのような部材はシーツであり、棒状部材であるわけです。

 これらをひとまとめにして「使用者の背と当接する当接部材」と表現すれば発明品だけでなくアイデアも保護される表現となりえます。

 

 このようにして、作成した対比表から先行文献と差別化できる発明の特徴を抽出してクレームを作成していくことがポイントです。

※ポイント

・対比表を作成して従来技術と差別化できる構成要素を抽出する。

・構成要素と役割を抽出し、発明の構成要素を概念化できないか検討する。

特許明細書の書き方【特許明細書の作成段階】

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 特許明細書の下準備を仕上げた後は、実際に特許明細書を書いていきます。

 まずは特許請求の範囲(クレーム)を書いて、次に明細書を書いていきます。

 特許明細書の書き方【特許請求の範囲の作成】

 作成した対比表を元に特許請求の範囲(クレーム)を書いていきます。

 クレームの書き方を詳しく説明するとそれだけで1記事分はできてしまうのでここではポイントを抽出して書いていきます。

過去記事で詳しく書いていますのでこちらもあわせて読んでいただければと思います。

クレームの書き方の記事はコチラ

・メインクレーム

  ・新規性のある特徴は特定する

  ・余計な構成要素は特定しない

・サブクレーム

  ・進歩性の落としどころとなる特徴を特定する

 まず、メインクレームは新規性のある特徴は特定しましょう。

 なぜかというと、明細書のストーリーは、メインクレームによるところが多く、新規性のないままクレームを作ると、ストーリーがぐちゃぐちゃとなり特許性が弱い明細書となります。

 予め先行技術調査をして、新規性のある特徴を見出し、その特徴を踏まえて、課題と効果を設定して明細書のストーリーを立てていくのが特許性が出しやすい明細書です。

 先行技術調査をしないまま明細書を書くところがありますが、それでは中間処理の過程で困ることが多いので予め先行技術調査をして新規性は出せるようにしましょう。

ここで、権利範囲を広くするために余計な構成要素は書き過ぎないようにしましょう。

例えば、上記の椅子の例で言うと以下のようなクレームとなります。

【請求項1】

 座部材と、

 使用者が座部材に着座したときに使用者の背と当接する当接部材とを備えた

 椅子。

※発明の効果

 着座したときに使用者の姿勢を維持できる。このため、快適に座ることができる。

 メインクレームでは、脚部材を特定していません。

 脚部材はなくても効果を達成できます。座椅子をイメージすればお分かりかと思います。

 

 メインクレームを書いた後、サブクレーム(下位クレーム)を書いていきます。

サブクレームのポイントは進歩性の落としどころとなるところです。

 サブクレームで追加する構成は、単に先行文献に書いていない構成だけではなく、その構成による技術的意義(その構成であることでそうする効果があること)と、実施例でサポートされていること(材料系の場合)が重要です。

 ここで、クレームを書くときには「曖昧な表現」は避けましょう。

 クレームを書く上で重要なのは、クライアントにも読みやすい文章を書くことです。

 難解な文章を書くのではありません。
 難解な文章を書けば自ずと曖昧で、意味のよくわからない文章となってしまいます。

 曖昧な表現を避けて適切な表現を使うためには、J-platflatなどで似たような公開文献を探し、公開文献中のクレームの表現を参考にしましょう。

 検索ワードを適切なものにかけると大体これで決まります。実際に僕もクレームの表現に迷ったら、公開文献の表現を参考にしています。

 また、カテゴリーはできるだけ豊富に書きましょう。

 物クレームが強いですが、物クレームで特許性が出なくても製造方法クレームや単純方法のクレームに特許性が出る場合もあります。

 カテゴリーを豊富に書けば、それだけクライアントにも好印象です。

 特許明細書の書き方【明細書の作成準備】

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 では、次に明細書の作成段階について説明します。

 明細書は、以下のように、「起承転結」⇒「具体化」⇒「一般化」の順番で書いていきます。

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 上図を見てください。

 明細書の書き方は発明の分野によって異なります。

 すなわち、明細書は、材料系、構造系、電気系の3つの分野で書き方が異なります。

 ただし、構造系が基本であり、材料系が特異であることから、ここでは構造系と材料系を説明します。

 構造系も材料系も(電気系も)まずは背景技術、課題、解決手段、効果の順序でストーリーを書くことは変わりません。

 しかし、材料系では、実施形態の後に実施例が来るのに対し、構造系では実施例はほぼなく、実施品の説明を図面をもとに説明し、発明が実施品に限定しないことを説明するために一般化します。

 材料系の実施例は、構造系の実施品の説明に相当し、順序で逆(材料系では実施形態(一般化)⇒実施例(具体化)、構造系では実施品(具体化)⇒一般化)であることが分かると思います。

 このように、構造系と材料系は書き方が異なることに留意した方がよいです。

 そして、上図の通り、明細書の書き方は、「起承転結⇒具体化⇒一般化」です。

 では、「起承転結」「具体化」「一般化」について説明します。

 明細書の書き方【起承転結(背景技術~効果)】

まず、「背景技術」「課題」「解決手段」「効果」の書き方について説明します。

 明細書では、まず、背景(従来技術)⇒課題(従来技術の課題)⇒解決手段(発明の構成)⇒効果(発明が有用であること)をこの順序で説明します。

 これは起承転結の型にあてはまります。

 上記の椅子の例でいうと、以下の図のような感じです。

(背もたれ椅子の発明)

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発明者は、上図に示すような背もたれがついた椅子を発明しました。

この発明では、使用者が着座したときに使用者の背と当接部材(背もたれ)を設けることで使用者が姿勢よく着座できることを特徴します。

この発明の構成を分解して構成要素を見ていきます。

・座部材(使用者が着座するための部材)

・当接部材(使用者の背を当接するための部材。背もたれ)

・脚部材(座部材を支持するための部材)

★効果 (使用者が着座した時に姿勢を維持できること)

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 この背景技術~効果までの記載で発明のストーリーはほぼ完成します。

 特許庁の審査官は、たいてい背景技術~効果と実施例しか読まないため、このストーリを丁寧に考えることが重要です。

 背景技術には、本願発明に最も近い先行技術文献のモノを説明します。

 文献の数が多すぎると、審査官に発明のポイントが把握できなくなるため、文献の数は1つでよいです。

 その文献は、本願発明に最も近い先行技術文献を提示します。

 ここで、背景技術の記載で注意すべき点があります。

 それは、公知の情報だけを記載するということです。

 例えば、背景技術に先行技術文献の課題を書いていることがありますが、これは不味いです。

 なぜなら、その課題が公知でないのであれば、それは発明者が見出した課題であり、その課題に対して本発明を導き出したということになるため進歩性が一層認められやすくなるからです。

 このため背景技術の記載は公知のみであることを留意しましょう。

 課題には、提示した先行技術文献の問題点を上げます。

 上図の椅子の場合では、その課題は、着座した時に使用者は姿勢が悪くなることです。

 ここで、課題は、メインクレームの構成のみで解決できるものだけを書きましょう。

 課題を書き過ぎると、クレームの範囲が過度に限定される虞があり、注意が必要です。

 解決手段には、クレームの構成によって課題が達成されることを記載します。

 例えば、発明者は、鋭意研究を重ねた結果、〇〇に〇〇をする(メインクレームの構成)と、上記課題が解決できることを見出した・・・などです。

 効果は課題と対応させます。

 上図の椅子の場合、課題が「着座した時に使用者が姿勢が悪くなる」であれば、「着座した時に使用者が姿勢を維持できる」などです。

 課題と効果は1対1の関係であることを覚えておきましょう。課題にないことを効果で書くのはNGです。

 明細書の書き方【具体化】

 次に「具体化」の説明をします。

 材料系の場合は、実施例を、構造系の場合は実施品の説明をします。

 上述のように具体例を書いて一般化を書くのが「大事なところの漏れがなくなり」おすすめです。

 材料系の実施例の場合、クライアントの発明者が準備してくれることがあり、これを推敲します。この場合のポイントとしては以下の通りです。

・実施例と比較例がクレームと整合しているか

・当業者が再現できるように実施方法が記載されているか

・評価の基準が明確に記載されているか

・評価の値の算出方法が明確に記載されているか

・クレームの文言と実施例の文言が適切に統一されているか

 一方構造系の場合、実施品の「図面」を説明します。

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 例えば、上図の椅子の場合には、座部材1、脚部材2、当接部材3について説明します。

 具体的には、この場合には、それぞれの形状、位置関係、材質、作用、効果です。

 より詳細には、以下のように書きます。

図■に示す椅子10は、座部材1と座部材1を支持するための脚部材2と座部材1に使用者が着座したときに、使用者の背と当接可能な当接部材3とを含む。座部材1は、~の形状を有しており、~の材質で形成されている。脚部材2は、~の材質で形成されており、脚部材の数は~である。当接部材3は、座部材の後部に形成されており、~の材質で形成されている。図■に示す椅子10は、座部材1の後部に当接部材3が形成していることにより、使用者が座部材1に着座したときに使用者の背が当接部材3に当接されるため姿勢を維持しゃすく快適に着座できる(作用と効果)。

 明細書の書き方【一般化】

 次に、「一般化」の説明をします。

 「具体化(実施例、実施品)」はいわば点の説明です。

 これに対し、クレームはその点から拡張した幅のある円のようなものです。

 具体化だけでは、クレームの範囲にまで一般化できないためそれを埋めるために「実施形態」で実施例又は実施品をクレームの範囲にまで一般化できることを記載します。

 実施形態の書き方のポイントしては、「総論・各論」の型で書くのが書きやすいです。

 上図の椅子の場合には、「座部材」「脚部材」「当接部材」で構成されていますが、この場合、「座部材」を説明して、「脚部材」を説明して、「当接部材」を説明します。

 その後、必要に応じて他の部材も説明します。

 例えば、上図の椅子の例で言うと、下図の椅子もクレームの範囲に含まれます。

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 この形態は、当接部材が「2本のパイプ」を介して、座部材に接続されている構成です。

 この場合は、更に「パイプ」も構成要素に含まれますのでその他の部材に例示します。

 必要に応じて、上図の変形例も説明します。

 「一般化」では、上述のとおり、具体化だけでは、クレームの範囲にまで一般化できないためそれを埋めるという役割がありますが、それ以外にクレームアップできるようなものを仕込んでおくこともできます。

 この点について触れると長くなるので次回にお話ししたいと思います。

 特許明細書の書き方【校閲段階】

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 以上のように、クレームと明細書を仕上げたら、ブラシュアップします。

 ここでのブラシュアップのポイントは以下の通りです。

・誤字脱字

・用語の統一(クレームの文言が明細書中に対応しているか)

・クレームが明細書中でサポートされているか

・必須と任意の区別ができているか

(サブクレームなのに明細書中で「断定形」で表現している。あるいはメインクレームなのに「例えば」「好ましい」というように表現している等)

・図面の符号が明細書と対応しているか

 最低、これだけはチェックして修正しましょう。

 これがなされていないと、知財部からの印象は悪いです。

最後に|学んだら即実践

 以上の通り、特許明細書の書き方を説明しました。今回は書き方の基本的なところをお話ししましたが、次回からは細かく説明していきたいと思います。

 ここで学んだことは即実践に活かしましょう。インプットしてもアウトプットしないと意味がありません。学んだら即実践。これが重要です。

特許明細書を書くために役立つ書籍

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 特許明細書を書くために役立つ書籍を紹介しておきます。といっても、特許明細書の書き方の本のほとんどは、「再現性に乏しい」ためあまり有用でないと思います。あくまで、参考本、補助的な位置づけです。

(特許クレームドラフティング)

 クレームのルールのようなものが体系的に描かれており、初心者でもお勧めの本です。ただし、これを読んだら特許明細書が書けるというものでありません。あくまで補助です。

日米欧三極共通出願時代の 特許クレームドラフティング

日米欧三極共通出願時代の 特許クレームドラフティング

(岩波国語辞典)

 特許明細書を書く上で用語が適切であるかどうか確認するために必須の書籍(辞典)です。ネットでも拾えますが、クライアントに説明する時に裏付けがネットであるよりも辞典の方が印象も違います。ここで新明解も悪くはないですがいささか冗長ですので岩波をおすすめします。

岩波 国語辞典 第7版 新版

岩波 国語辞典 第7版 新版

(日本語の作文技術)

 文章の書き方が上手くない人におすすめです。修飾語の使い方、格助詞の使い分けなど作文ルールが丁寧に解説されており、文章力が上がります。

【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫)

【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫)

以上

開業予定の特許事務所です。お仕事の依頼があれば是非!

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