とある士業の知的な日常

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特許業界の転職|知的財産部に転職すべきか特許事務所に転職すべきかについてお話しします

 僕はとある法律事務所で働く弁理士🙈

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 僕は、これまでに中小と大手の特許事務所(法律事務所)と、大手メーカー知財部で働いた経験があります。詳しくはこちらです。

・中小特許事務所(最初の特許事務所。出願業務を主に担当。)

・中小特許事務所(2か所めの特許事務所。ここで特許明細書の書き方を一通りマスター。)

・大手メーカー知財部(主に出願業務と他者特許の分析。出願業務には発明の発掘も含む。)

・大手法律事務所(出願業務を主軸とし、弁護士と協同して鑑定なども担当。今ここ。)

 このため、自分の経験から、特許事務所と知的財産部の働き方について熟知しています。また、個人的な経験だけでなく、この業界の知人の話などからも熟知しています。

 一方、これから特許業界にジョブチェンジをしようと考えている方も多いと思います。

 ここで、実質的に、特許業界に転職するときには「特許事務所」で働くか、「メーカー知的財産部」で働くかの2択と思います。

 そこで、今回は、このような特許業界にジョブチェンジしようと考えている方を想定して、「知的財産部に転職すべきか特許事務所に転職すべきか」についてお話ししたいと思います。 

目次です

「知的財産部に転職すべきか特許事務所に転職すべきか」

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 では未経験者は、知的財産部に転職すべきか特許事務所に転職すべきか。その結論と理由は以下の通りです。弁理士の資格有無に問わずこの結論です。

(結論)

 特許事務所に転職すべき。

 もし知的財産部に転職したいのであれば、IT系かベンチャー系のような、業務を全般的に担当できる知的財産部に転職すべき。

(理由)

・今後の社会では、自分でスキルを磨いてステップアップすることが求められるから

・ほとんどの知的財産部は専門的なスキルを磨く環境に至っていないから

  この点について以下に詳しく説明します。 

 特許事務所に転職すべき理由

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 上述の通り、「特許業界」にジョブチェンジを考え、「知的財産部」か「特許事務所」に転職すべきか迷った場合、「特許事務所」に転職すべきです。

 その理由は、上述のように、「今後の社会は、自分でスキルを磨いてステップアップすることが求められるから」です。この理由を深堀していきます。

 今の社会は、大手企業でも「45歳以上の早期退職」を促す企業が増えてきており、終身雇用が守られない時代です。特に早期退職を促す部門は間接部門が多く、大手メーカの知財部門も「間接部門」に該当します。実際にあるメーカの知財部門もコストカットのために早期退職を促されたり、別部門に異動させたりすることを聞いています。

 昔は、安定を求めて「特許事務所」から「メーカ知財部」に転職することが多かったですが、もう今は、10年後、20年後の自分を会社が守ってくれて安定に仕事ができる時代ではないのです。このため、今後は、会社の言うように仕事をすれば安定が求められるのでなく、スキルを磨き、積み上げてきたスキルを頼りにする時代です。

 これに対し、特許事務所は、スキルを磨いてステップアップするために最適な環境です。ここで特許業界におけるスキルとして重要なものは、「特許明細書を書くことができるスキル」です。特許業界では、出願業務、係争業務、鑑定などさまざまありますが、それらの根底をなすものが特許明細書を書けることです。係争業務や鑑定などにおいても、他社の特許明細書を読みこなす必要がありますが、十分に読みこなすためには特許明細書が書けるバックグラウンドが必要です。

  特許事務所の多くが、単純作業がなく、勤務時間のほとんどを特許明細書を書く時間に当てることができますので、スキルを上げやすいです。特許明細書を書くスキルは、特許業務において一部にすぎませんが、その一部が他のものの根底をなすものであり、その一部を極めてスキルを高める方がくいっぱぐれることもなく、自分の好きなように仕事ができ、今後の「積み上げてきたスキルを頼りにする時代」に適っています。

 このような理由により、僕は「知的財産部に転職すべきか特許事務所に転職すべきか」迷ったならば、特許事務所へ転職することをおすすめします。そして、1~3年間厳しいかもしれませんがそこで熟練者にきっちりと指導を受けてもらい、特許明細書を書けるようにするのがよいです。特許明細書が書ければ食いぱっぐれすることはないですし、年収も高くなり、正直人生イージーモード化します。どのくらい高くなるかというと、30代で1000万円は十分射程範囲内であるくらいです。「最初」は厳しいですが、この厳しさに耐えると「後」は楽になりますので特許事務所でしっかりとスキルを上げるべきです。

 特許事務所へ転職するならこの特許事務所へ行くべき

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 なお、どのような特許事務所に行ってもいいわけではありません。上述の内容を踏まえた上で、以下の条件を最低満たす特許事務所に行くべきです。

「熟練者から特許明細書の書き方を指導してもらえる事務所」

 特許事務所の中には、熟練者(所長等)から全く指導を受けてもらえない特許事務所があります。こういうところは、何もスキルが磨かれず、最悪単純作業を強いられやすい給料で働かされるので絶対やめたほうがいいです。

 特許事務所への転職の決め手の1つは、「熟練者から特許明細書の書き方を指導してもらえる事務所」です。

 後は、年収をなるべく維持できる特許事務所にするべきです。

 ただし、自分で上記のような特許事務所に合致したところを選び、更に年収を交渉するのは難しいです。

 そこで、おすすめなのが「転職エージェント」を利用することです。ここで、特許事務所に精通した転職エージェントを利用することにしましょう。そのような転職エージェントはいくつかありますが、「リーガルエージェント」1択です。その理由は以下のとおりです。理由の詳細については過去記事で詳しく書いていますのでご覧ください。

(I)年齢層が高い転職者でも対応可能⇒重要

(II)手厚くサポートしてくれる

(III)特許事務所に対して年収の交渉をしてくれる⇒特に重要

(IV)お祝い金がもらえる

www.mayaaaaasama.com

 「リーガルジョブボード」は、「こちらのサイト」から「無料」で会員登録できます。転職エージェントに登録しておけば、面倒な作業もサポートしてくれます。上記のサイトも登録は「5分」程度で終わりますので、登録してエージェントと相談し、効率よく転職活動しましょう。

 また、詳しい具体的な転職活動については過去記事で書いていますのでこちらをご覧ください。

www.mayaaaaasama.com

 

「知的財産部」への転職は慎重になるべき

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 一方、「知的財産部」でもスキルを磨いてステップアップできるのでは?との反論があると思います。

 しかし、「知的財産部」の転職にはデメリットが多く、慎重になるべきです。そのデメリットを以下に挙げます。

(1)「転職」そのものが難しい

(2)単純作業、会議、出張が多く、スキルが身につきにくい

(3)分業化されており、広く学べないことが多い

(4)別の部門に異動になったら、今まで積み上げてきたものが終わる

  以下順番に説明します。

(1)「転職」そのものが難しい

 メーカー知財部への「転職」は難しいです。一方、特許事務所への転職の方が「圧倒的に」簡単です。メーカー知財部は、「研究開発部」などの他の部門から「知財部」へ異動したりすることが多く、なかなか欠員になることがありません。また、採用するとしても、他のメーカー知財部の経験がある人を優先することが多いですし、転職回数にも縛りがあります(転職回数が2回まで)。

(2)単純作業、会議、出張が多く、スキルが身につきにくい

 メーカー知財部は、単純作業、会議、出張が多く、スキルが身につきにくいです。単純作業とは、例えば、代理人へ打合せ資料を送付するなどのメールのやりとり、特許庁提出などの上司への承認を求める手続きなどです。知財部(特にリエゾン)は、発明者と代理人との間にたってやりとりをする作業が多く、そのほとんどが単純作業です。また、会議に半日かかったり、会議のために出張で1日が終わるなど、スキルが身につきにくい環境です。また、新人はそれに加えて、雑用も強いられますので若い間にスキルが一層身に付きにくいです。

 これに対し、特許事務所は、単純作業もなく、会議もなく、よくも悪くも毎日事務所で仕事の毎日(たまにクライアントへ出張)ですので、スキルが身につきやすいです。

(3)分業化されており、広く学べないことが多い

 メーカー知財部というと、とにかく色々な仕事をするイメージを持たれる方も多いと思います。発明発掘、特許明細書、中間処理のサポートだけでなく、他者特許分析、鑑定、係争業務、法務(契約書の作成)など。しかし、知的財産部の規模が大きいほど、分業化されており、広く学べないことが多いです。例えば、出願業務をメインに担当する部門、係争部門、法務部などに分かれていることもあります。そして、分業化された上で、実質的な対応は代理人(弁理士又は弁護士)が対応することが多いため、スキルが身につきにくいことが多いです。

(4)別の部門に異動になったら、今まで積み上げてきたものが終わる

 別の部門に異動することは「普通」にありえます。例えば、「知財部」から「事業部」など。この場合、「弁理士」の資格を取得しても完全に無意味になりますし、今まで積み上げてきたものが終わってしまいます。このようなリスクは知財部にいる以上「普通」にありえます。

「知的財産部」に行くならIT系、ベンチャー系などの業務を全般的に担当できる知的財産部に転職すべき

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 以上のように、知的財産部に行くかどうかは慎重になるべきです。但し、どうしても「特許事務所」が嫌で「知的財産部」に行きたいのであれば、業務を全般的に担当できる(分業化されていない)知的財産部に転職すべきです。そういうメーカーは大手では難しく、IT系、ベンチャー系などに限られると思います。しかし、そういうところで業務全般を学んでいけば、例えば、経営コンサルタントとして独立することもでき、十分ステップアップが見込めると思います。

 この場合においても、転職を考えるなら、仕事と転職活動を両立させるために、「転職エージェント」を利用した方がよいです。おすすめの転職エージェントとしては、「リーガルジョブボード」と「MS-Japan」です。

 この双方を登録するのがよいです。「リーガルジョブボード」は、前述の通り、「年収交渉してもらえる」ところと、「数万円のお祝い金をもらえる」ところが魅力です。「リーガルジョブボード」は、「こちらのサイト」から「無料」で会員登録できます。  

 ただし、「リーガルジョブボード」は、主に特許事務所を扱っているエージェントですので、選択肢を広げるために「MS-Japan」も併用することを提案します。「MS-Japan」は士業全般に特化したエージェントであり、知的財産部について豊富に案件をもっています。「MS-Japan」は、こちらのサイト から「無料」で登録できます。登録してエージェントと相談し、効率よく転職活動しましょう。

以上