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特許図面をエクセル(Excel)で描く方法|庁提出用データの作成まで解説します

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 僕は、とある法律事務所で働く弁理士🙈

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  弁理士の仕事は、特許明細書を書く仕事です。この特許明細書には、必要に応じて図面(特許図面)も必要です。例えば、構造物の発明の場合、文章だけではその発明が伝わりにくい場合があります。そこで実施品が描かれた図面も用意します。この図面の作成について、複雑なものについては外注していますが、簡単なものについては自分で作成しています。そして、その図面の作成を僕はエクセルで作成しています。

 そこで、以前に特許図面を描くのにエクセルがおすすめな理由について記事を作成しました。その記事がこちらです。

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  この記事はなかなか反響がよく、より具体的にエクセルで特許図面を描く方法について聞きたいという要望もありましたので、今回は、特許図面をエクセル(Excel)で描く方法についてお話ししたいと思います。

目次です

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特許図面を自分で描いた方がいいものと描かない方がいいもの 

 まず、特許図面を自分で描いた方いいものと描かない方がいいものについてお話しします。自分で描いた方がいいものは、ブロック図、フローチャート図、簡単な構造物の図面(積層体等)です。これらは、簡単に書けますし、誰かに頼んで書くとやりとりに手間がかかることから自分で描いた方が早いです。また、このような図面を描く技術を身に着けていれば、期限ぎりぎりになって、誰かに頼むということもなく、安心できます。

 一方、複雑な構造物は自分で描かない方がいいです。理由は、時間がかかるからです。この仕事は、なるべく時間をかけずに売り上げを稼ぐことにありますので、複雑な図面に時間をかけるのはかえって損です。この場合は業者か図面担当者に依頼しましょう。

エクセルでフローチャート図を描く方法

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 まず、上図のフローチャート図を描くことを想定して説明します。上図のフローチャート図は、特開2006-048269号公報に記載されたフローチャート図を引用しています。ここで、文字は簡略化することとします。

 なお、ブロック図についても、フローチャート図と同じ要領で描くことができますので、参考になると思います。

 以下の順序で説明します。

1.フローチャートと文字の挿入

2.フローチャートと文字の位置の調整

3.複数のフローチャートの位置の調整

4.矢印の挿入

 1.フローチャートと文字の挿入

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 上図のように、「挿入タブ」から「図形」を選択すると「フローチャート」が表示されます。エクセルには様々なフローチャートが用意されていますので、フローチャート図の作成にエクセルは最適です。

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 では、まず一番上のフローチャートを作成します。上図のように、フローチャートから丸みを帯びた長方形を選択し、この長方形を描きます。ここで、線の太さは、「2.25pt」が理想です。

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 また、一つ一つの図形を描くごとに線の太さを設定するのは面倒なので、ここで線の太さを「2.25pt」に固定します。やり方は、上図のように、図形を右クリックして、「既定の図形に設定」を選択すればよいです。

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 次に、文字を作成します。ここでは簡潔に「処理開始」のみとします。フォントは「MSゴシック」が理想です。文字は見やすさのために「太字」にしましょう。文字の大きさは図形の大きさに合わせます。

2.フローチャートと文字の位置の調整

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 では、次にフローチャートの図形と文字の位置を調整します。すなわち、図形の中に、文字を上下左右方向の中央にもっていきます。やり方は、まず、図形と文字を両方選択(図形を選択して、shiftを押しながら文字も選択)して、「ページレイアウトタブ」を選択して、「配置」を選択し、「左右中央揃え」と「上下中央揃え」をそれぞれ選択します(上図参照)。

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 すると、上図のように文字が図形の上下左右方向の中央にもってきます。この後は、図形と文字の両方を選択した上で右クリックをしてグループ化を選択して「グループ化」します。

3.複数のフローチャートの位置の調整

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 同様にして、上図のように、他の図形と文字も作成します。この段階ではそれぞれの図形の位置がばらばらなので調整します。

 まず、すべての図形を選択して、「ページアウト」タブから「配置」を選択し、「上下に整列」を選択します。これにより、上図のとおり、上下方向の各図形の距離が等しくなりました。

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 次に、すべての図形を選択して、「ページアウト」タブから「配置」を選択し、「左右中央揃え」を選択します(上図参照)。これにより、左右方向でばらばらだった各図形が、そろうようになりました。

4.矢印の挿入

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 さいごに矢印と必要に応じて文字を挿入して完成です。矢印は、図形が等間隔に配置されているため、コピペで貼りつければよいです。文字のフォントは、「Arial」が理想で太字にしておくのがよいです。

エクセルで簡単な構造物の描く方法

 エクセルで簡単な構造物を描く方法は過去記事で紹介していますのでよければご覧ください。簡単な構造物を描く場合には、エクセルを方眼紙にした状態にした方が書き易いです。

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エクセルで図面を作成してから庁提出用データまでの作成方法

 では、次に、エクセルで図面を作成してから庁提出用データを作成するまでの手順を紹介します。ここでは、「エクセルでフローチャートを作成する方法」で作成したフローチャート図を用いて庁提出用データを作成するものとします。手順は以下の通りとなります。

1.ワードに貼りつける

2.PDFデータで保存

3.PDFデータにてデータを拡大してコピー

4.フリーの図面編集ソフトで庁提出用のフォーマットに合わせる

 以下順番に説明します。

1.ワードに貼りつける

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 まずは、「F5」を選択し、「セル選択」を選択すると、上図のように「選択オプション」が表示されます。ここで、「オブジェクト」を選択して全てが選択された状態になるため、コピーします。そして、ワードに移動して右クリックして図面の状態で貼りつけます。

2.PDFデータで保存

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 ワードデータに貼りつけた後、ワードをPDFにて保存します。

3.PDFデータにてデータを拡大してコピー

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 次に、PDFにてデータを「スナップショット」で選択し、「400%」に拡大してコピーします。拡大する理由は解像度を高めるためです。

4.フリーの図面編集ソフトで庁提出用のフォーマットに合わせる

 次にフリーの図面編集ソフトを使って、庁提出用のフォーマットに合わせます。フリーの図面編集ソフトは、画像のサイズを調整できたり、色深度を2カラーにできるものであればなんでもいいですが、おすすめはInfanViewです。InfanViewは、このサイトから無料でダウンロードできます。英語ですが、使用するものは少ないので英語のままでよいと思います。

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  まず、上図のようにサイズを揃えます。サイズは、特許庁の推奨するサイズ(2007×3011ドット)に合わせます。ここでは、幅を「2000」に設定します。もし、高さが3000を超えているのであれば、「3000」に設定するのが理想です。

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 次に、上図のように色深度を2カラーにします。このとき、見た目が薄く見えたりしますが、上図のとおり、「400%に拡大する」ことによりある程度カバーできます。最後に「GIF」の拡張子で保存して終わりです。

 これにより、庁提出用データを作成可能です。

最後に|図解文章術マスター

 以上のとおり、「特許図面をエクセルで描く方法」について説明しました。このブログでは、他にも特許関係の記事を作成していますのでもしよければご覧ください。

 また、 宣伝で恐縮ですが、これまでの特許明細書を書き続けた経験を活かして、「図解文章術マスター」という電子書籍を出版させていただきました。

 この「図解文章術マスター 代筆職人「弁理士」が教える文章術」は、「図解」「弁理士が教える文章術」という点で他の文章術の本にない特徴を有しています。文章が苦手な方から慣れている人まで参考になる部分があるかと思いますので是非買って読んでいただければ幸いです。

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以上

開業予定の特許事務所です。お仕事の依頼があれば是非!

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