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40~50代の未経験者が特許事務所への転職は可能か|理由とともにお話しします。

僕は、とある法律事務所で働く弁理士🙈

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今回は「40~50代の未経験者が特許事務所への転職は可能か。」についてお話ししたいと思います。

目次です。

記事を書いたいきさつ

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 先日、元知的財産部の50代の男性から僕にメールを頂きました。その方は、今は、知的財産部とは全く異なる別の事業に異動しており、会社のお荷物状態にあるとのことです。

 そして、その方は、50オーバーで特許事務所の経験がなければ、弁理士の資格を保有しても特許事務所は興味を示さないと思われているようです。

 一方、40代半ばで早期退職をせまられ退職された元技術者やエンジニアの方や、人生100年時代において定年退職後もまだ働きたいという方にとって、特許事務所への転職を考えている方は多いと思います。

 そこで、今回は、40~50代の方が特許事務所への転職が可能なのか否かについてその理由とともに記事を書くことにしました。

特許事務所とはどんな所?

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 まず、これを読んでいる読者の中には、「特許事務所とはどんな所?」かよくわからない方もいると思います。そこで、簡単に「特許事務所とはどんな所」であり、「どんな仕事をするのか」「どんな能力が要求されるのか」簡単に説明します。

(特許事務所はどんな所?)

 特許事務所は、簡単に言うと、クライアント(主に企業)に代わって(代理して)特許の権利化の業務を行う事務所です。他の業務もありますが、ほとんどはこれです。これについて以下に具体的に説明します。

 上図の通り、クライアント(主に企業)は、特許を取得するために特許庁へ書類(特許明細書等)を提出をしなければなりません。しかし、特許を取得するためには、特許法に関する専門性が要求され、クライアントが自ら対応することが難しいことが多いです。そこで、クライアントは高度な専門性を有する特許事務所へ代理します。そして、クライアントから代理を受任した特許事務所は、その後の特許の取得までのやりとりを行います。このやり取りを通じ、たいていの場合、クライアントは特許庁から特許権を付与されます。

(特許事務所でどんな仕事をするのか?)

 特許事務所へ転職すると、特許技術者として、弁理士とともに、特許を取得するための書類(例えば、特許明細書等)を作成する仕事をします。この仕事がほとんどです。

(必要な能力)

この書類を作成するためには、発明の技術の理解力、法律についての知識、文章力の3つの要素が重要です。これだけ見ると、大変そうに思いますが、技術の理解力については大学初年度レベルの知識があれば十分であり、法律についての知識についてもその範囲は狭いのである程度経験していればなれますし、文章力も上手い人の書き方を真似れば慣れていきます。

 以上の通り、簡単に説明しましたがより詳しく知りたいという方は過去記事で紹介していますのでもしよければご覧ください。

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40~50代の特許事務所への転職は可能か

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 では、本題である「40~50代の未経験の特許事務所への転職は可能か」について結論を言います。結論は「可能」です。但し、以下の点を補足しておきます。

すべての特許事務所で転職できるというわけでない

職務経験ありが前提

特許事務所は企業よりもはるかに中年、高齢者の転職が容易

 通常、40~50代の方の場合、異業種、未経験職種にジョブチェンジすることは難しいと思いますが、特許事務所では「可能」です。なぜ「可能」でしょうか。その理由としては、以下の点が考えられます。

・人材不足

・若手に人気がない

・資格も不要

・試用期間がある

 以下順番に説明します。

(人材不足)

 まずは「人材不足のため」です。今は大手特許事務所から小さい特許事務所のどこの特許事務所も人材が不足しています。大手特許事務所では、頻繁に説明会も行っているところもあり、積極的に入所してもらおうとしている動きがあります。また、以前では求人広告を出さなかった大手特許事務所も今では人材不足のため求人広告を出しています。

(若手に人気がない)

 ここで、人材不足と言っても、どうせほしいのは若手なんでしょ?と思うかもしれません。確かにそれは間違いありません。しかし、特許事務所には若手が全く来ません。そのため、求人募集では「未経験者は35歳未満まで」と書いたりしていますが、実際には未経験者の上限を上げていることが多いです。つまり、特許事務所は、若手を募集しても来ないため、妥協して40~50代の未経験者を雇うことも多いです。大手特許事務所でもその傾向は強いため、零細特許事務所ならなおさらです。

(資格も不要)

 特許事務所の多くが仕事をまわせる人が多いので、必ずしも弁理士の資格は必要ではありません。このため、募集要件は低くなり、転職しやすいです。

(試用期間がある)

 ほとんどの特許事務所は、試用期間があるため、特許事務所側も使えなかったら切り易いというのも理由の1つです。

(実際に40代半ばの未経験が入所したことがある)

 以上の理由から、40~50代の未経験者の方であっても特許事務所への転職は「可能」です。実際に僕が前に勤めた特許事務所では40代半ばの未経験者が入所しました。その特許事務所については過去記事でも紹介した例の特許事務所です。この特許事務所は定着がきついですが、1年くらい修行して耐えれば相当スキルがつきます。

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定着が難しい

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 以上のように、40~50歳の未経験者であっても特許事務所への転職は「可能」です。しかし、そこでまったりできるかというとそうではありません。残念ながらそれほど世の中は甘くはありません。入所して定着することが難しいです。上述のように、試用期間があり、使えなかったら半年あるいは1年後に切られることもあります。また、実力勝負の世界なので、仮に切られなくても売り上げが伴っていないのであれば、1年後に年収ががくんと減ることもあります。このため、企業にいた時と比べ、完全に実力勝負の世界で頑張らないといけないので相当の覚悟が重要です。

定着のために重要なこと

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 上述の通り、40~50代の未経験者でも特許事務所への転職は可能ですが、定着が難しいです。定着のために相当の努力、意識改革などが必要です。定着のために重要なことは以下の通りです。

・日々勉強

・プライドを捨てる

・固定観念を捨てる

 以下順番に説明します。

(日々勉強)

 日々の勉強が重要です。発明を理解するための勉強、特許法の勉強、特許明細書の書き方の勉強等です。社会人になってから勉強していない人にとっては、きついかもしれませんが、日々勉強しないとスキルも向上できず、定着は困難と思います。勉強する習慣をつけることが重要です。

(プライドを捨てる)

 プライドを捨てることが重要です。年長者だからと偉そうにしたり、前職が一流の企業に勤めていたとかそんなものは関係ありません。若手や年下からも指導を受けることがもありますが、それに抵抗を感じず素直に謙虚な姿勢で対応することが重要です。プライドが高いと、定着は困難と思います。

(固定観念を捨てる)

 固定観念を捨てることが重要です。これはどういうことかというと、上司の言われたことに対し、自分の観念に基づいて反論せず、素直に従うといったことです。40代以降がスキルを向上できない理由がこれです。年をとるにつれて固定観念が定着し、新しいものを受け入れようとしない人が多いです。特許事務所の中にもこのような方は多いですが、そのほとんどが使えない人です。固定観念を捨てて柔軟に対応することが重要です。

最後に(転職エージェントの利用)

 転職の段階で十分な下準備をすることも重要です。そこで、おすすめなのが転職エージェントの利用です。

 もし、メーカー知財部や特許審査官などの経験があるのであれば、転職エージェントも歓迎するように思います。積極的に転職エージェントを利用するのがよいと思います。

 特許専門の転職エージェントのサイトに登録して、転職エージェントと無料で相談できます。これにより、自分に合った環境の特許事務所を選びやすくなります。また、内定までのサポートをしてもらえるので、仕事と転職をバランスよく両立できます。

 ここで、特許専門の転職エージェントとしておすすめなのが、「リーガルジョブボード」です。なぜなら、特許専門のエージェントから、具体的な特許事務所の内情を聞けたり、特許事務所との面接にも立ち会ってもらい年収交渉をしてくれたりもしますし、更にお祝い金ももらえたりするためです。

 「リーガルジョブボード」は、こちらのサイト」から無料で簡単に会員登録できます。まず、ここで会員登録して、その後特許専門のエージェントと相談して転職活動をすすめるのがよいと思います。

 最後に|もしご相談があれば…

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 最後になりましたが、特許事務所の転職などについて筆者に聞きたいことがあればご遠慮なくご連絡を頂ければと思います。答えられる範囲のことは答えます。

 メールアドレスはyamatenisan@gmail.comです。ツィッターのDMでも構いません。

以上