とある士業の知的な日常

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AIが人間の仕事を奪わない理由

僕は、とある法律事務所で働く弁理士🙈

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 今からおよそ3年前、野村総研の共同研究報告によれば、AIにより士業が代替されるというニュースがありました。それによれば、弁理士の代替可能性は92.1%だそうです。今後、AIにより弁理士の仕事は代替されるのでしょうか。

 それはないと思います。というか弁理士に限らず、AIは人間の仕事を奪わないと思います。

 そこで、今回は「AIが人間の仕事を奪わない理由」についてお話しします。

目次です

AIが人間の仕事を奪わない理由

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 それでは「AIが人間の仕事を奪わない理由」についてお話しします。その理由とは、以下の2点(1)(2)です。

(1)AIは人間が操作するツールに過ぎないため

(2)AI導入により、既存の仕事に置き換わる新しい仕事が生み出されるため

 以下、(1)、(2)について詳しくお話しします。

(1)AIは人間が操作するツールに過ぎないため

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 AIは人間が操作する「ツール」に過ぎません。これに対し、AIとは、ロボットのように思われることがあります。しかし、AIとは、上図の通り、「機械学習」「ディープラーニング(深層学習)」などの手法の包括的な概念を言います。AIという概念は、今から半世紀以上前に誕生した概念であり、これが1980年代に機械学習の手法に進化し、更に2000年代後半にディープラーニング(深層学習)の手法に進化しました。このように、AIは、「ツール」に過ぎず、「ロボット」のような姿のないものです。

 このため、「AI『が』~を予測する」というように、AIは、自ら意思をもって行動するというものではありません。「人間が、AI『を用いて』~を予測する」というように、人間が、AIをツールとして操作するというものです。このため、AIは、パソコン、インターネット、Eメールと同様、人間が操作する「ツール」にすぎないのです。

ほぼ全ての業界がAI導入されるが仕事を奪うということでない

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 今後、法律業界、金融業界、小売業界、物流業界、医療業界などほぼすべての業界にAIが導入されることは間違いないと思います。これは、パソコン、インターネット、Eメールがほぼすべての業界に導入されてるのと同じことだと思います。しかし、上述の通り、AIは、パソコン等と同様に人間が操作するツールに過ぎません。パソコン、インターネット、Eメールが導入されたことで、ほとんどの仕事が奪われたでしょうか。そんなことはありません。むしろ、各業界ではこれらを用いて一層効率よく仕事をすることができたと思います。AIもまた同様に、専門家が効率よく仕事をすることができるものであり、仕事を奪うようなものではないと思います。

(2)AI導入により、既存の仕事に置き換わる新しい仕事が生み出されるため

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 AI導入により、確かに既存の仕事(作業)が代替されることはあります。しかし、その代替により新しい仕事が生み出されるため、結果的にAIは人間の仕事を奪わないことになります。すなわち、仕事が、AIを用いない仕事から、AIを用いた新しい仕事に置き換わるのです。ここで、「新しい仕事」とはどういうものでしょうか。それは、例えば、AIを教育する仕事です。例えば、特定の業界におけるシステムにAIを導入したとします。この場合、AIは万能に全ての判断を行うことができるわけではありません。そこで、その判断を適切な方向に導き出すためにAIに教育させます。このような仕事が新しい仕事です。

  しかも、代替される仕事(作業)は、人間が行うには苦痛な仕事(作業)であり、これを人間が作業しなくてもよいことになります。そうすると、仕事を奪われるというネガティブな考えどころか、むしろAI導入は、とても利便性があるものであり、より仕事で疲弊しない働き方ができるとポジティブにとらえるのがよいと思います。実際、アメリカのとりわけシリコンバレーでは、「AIが自分の仕事を奪う」というよりも、AIはツールにすぎず、自分たちが使いこなすものとしてポジティブにとらえているようです。

弁理士の仕事がAIに代替されたら…

 より具体的な例として上述のAIに代替される可能性が高いと言われている弁理士の仕事を例に見てみます。弁理士の主な仕事は、特許明細書を作成する仕事です。通常、クライアントから頂いた発明提案書と、過去に出願された関連特許文献に基づいて、特許明細書を作成します。この特許明細書の作成にAIを導入するとどうなるでしょうか。膨大なデータ(過去に出願された関連特許文献)があるため、AIによりスムーズに特許明細書を作成できるように思えます。しかし、この場合でもAIが適切に判断できない場合があります。それは、例えば、発明提案書に記載された特定の部分が、ノウハウとして記載すべきか、そうでないかということです。特許出願した特許明細書は出願公開されてしまうので、ノウハウが公開されることは問題です。一方でノウハウを秘匿すればいいというものでなく、ノウハウを秘匿すると、記載不備により特許を取得できない問題も生じます。そこで、この場合の正しい判断は、これまでの弁理士の経験が重要となります。そこで、弁理士は、これまでの経験を元にAIに教育させます。このように、弁理士がAIが代替されると言っても、全てが代替されるというわけでありませんし、これまでの経験に基づいてAIに教育させるという新しい仕事も生まれます。しかも、特許明細書という膨大な量の面倒くさい作業をAIで効率化できるという利便性もあります。

AI時代に備えた勉強が重要

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 以上の理由から、AIによって人間の仕事は奪われないものと考えます。しかし、ここで注意すべき点があります。それは、ほぼすべての業界において、AI導入に不可避的なものであることから、AI時代に備えた勉強が必要であるということです。具体的には、上記の通り、AIに教育させる仕事が新しい仕事として生まれるとお話ししましたが、この仕事をするにはAIをツールとして用いる程度のAIの理解は必要です。そこで、このような勉強をすることが今後重要となっていきます。

 一方で、現代、社会人の1日あたりの勉強時間は平均6分であるそうです。以下に社会人が勉強していないかお分かりいただける数字であると思います。そのため、社会人になっても今後は勉強を継続するように努めるのがよいと思います。

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 まとめ

AIが人間の仕事を奪わない理由

(1)AIは人間が操作するツールに過ぎないため

(2)AI導入により、既存の仕事に置き換わる新しい仕事が生み出されるため

※ただし、AI時代に備えた勉強が必要である

 以上