とある士業の知的な日常

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零細の特許事務所は、特許実務スキルを学ぶための学校と考えた方がいい理由

僕は、とある法律事務所で働く弁理士🙈

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前回の過去記事にて、特許事務所の職場環境が、スキルを磨くには最高の環境であるというお話をしました。

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  このお話は、企業と比較した場合に、特許事務所の職場環境がスキルを磨くために最高の環境であるというお話しでした。

 今回は、特許事務所の中でも、零細の特許事務所がスキルを磨くために最高の環境であるというお話をします。前回の過去記事を作成中に盛り込む予定でしたが、ボリュームが大きすぎるため、2つの記事に分けました。図で表すと、過去記事との関係は以下のようになります。

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 しかし、タイトルのように、零細の特許事務所は、「特許実務スキルを学ぶための学校」ととらえたほうがよいです。この理由もあわせて今回お話ししたいと思います。

目次です。

零細の特許事務所は、特許実務スキルを学ぶための学校と考えた方がいい理由

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 零細の特許事務所は、特許実務スキルを磨くための学校と考えた方がいい理由は、以下の2点です。

・零細の特許事務所は、特許実務スキルを学べる最高の環境であるため。

・零細の特許事務所は、1~3年特許実務スキルを磨いて卒業した方がよいため。

 前者と後者の理由により零細の特許事務所は「学校」と表現しました。以下、この2点について詳しく説明します。

零細の特許事務所は、特許実務スキルを学ぶためには最高の環境

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 零細の特許事務所は、特許実務スキルを学ぶために最高の環境です。大手特許事務所では、職場環境は、前回の記事の通り、優れますが、ほとんど指導を受けることがありません。仮に大手特許事務所で、パートナーから指導を受けることがあっても、それは表面的なことが多いです。

 これに対し、零細の特許事務所では、所長から正しい方向で特許実務スキルを磨くための指導を受けることができます。所長は長年の経験のノウハウをもっており、小さい特許事務所であるにもかかわらず、クライアントから信頼されています。特許実務スキルは、絶対にこれが正解というような判断はできません。しかし、数多くのクライアントから信頼されているのであればそれが正しい方向であるといえます。そして、その長年の経験のノウハウをもった所長から指導を受けるのです。必死に学べばスキルが伸びないはずはありません。仮に所長から直接指導を受けていなくてもその所長の下で長年仕事をしてきた熟練者から特許実務スキルを学べます。

 但し、全ての零細の特許事務所が、最高の環境というわけでなく、所長が有能な場合に限ります。たまに、零細の特許事務所で所長が有能といえない場合がありますので、この点は気を付ける必要があります。これらの内容をまとめると以下の表になります。

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所長が有能か否かについて

 所長が有能であるというのは、所長が優れた特許実務スキルをもっていることをいい、所長が有能でないというのは、そうでないことをいいます。この業界では、所長が有能でなくても、単価を下げたりすることにより成り立っている特許事務所もあるようでそこで修行をしても何ら得られるものはありません。

 これは、僕の知人から聞いた話ですが、とあるAさんが、所長が有能でない特許事務所で2年ほど働いていました。その特許事務所は、クライアントの数がほぼ1つしかなく、そのクライアントに非常に安い単価で仕事を貰うということで成り立っているそうでした。そこで、彼は、特に所長から指導もなく、ひたすら明細書を作成し続けました。そして、彼はその特許事務所でエースとして活躍したそうです。しかし、単価が安すぎるので給料が上がらず、彼は大手特許事務所へ転職しました。しかし、その大手特許事務所で彼のスキルは全く生かされていなく、とても苦労しているそうです。しかも、彼はそこでエースとして活躍したプライドがあるのか、大手特許事務所のパートナーの修正指示に逆らったりするので、首になりかけているそうです。こういう零細の特許事務所に入ると、スキルが上がるどころかマイナススタートになります。

 なお、所長が有能な特許事務所の見分け方については過去記事でも紹介しています。もしよければご参考ください。

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零細の特許事務所は、1~3年で特許実務スキルを磨いて卒業する学校

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 零細の特許事務所では、1~3年修行して、特許実務スキルを磨いたら卒業するのがよいです。学校ですから卒業します。この意味でも、零細の特許事務所というのはスキルを学ぶための学校のようなものです。

 ここまで話すと、零細の特許事務所は、お金を貰えて特許実務スキルを学べるというありがたいところのように思うかもしれません。しかし、世の中そんなに甘くはありません。零細の特許事務所では、お金を貰えるといっても給料は安いところが多いですし、厳しい指導を受けたりします。零細の特許事務所は、「ブラック」が多いのです。このため、最初のうちは、い続ける方がスキルがぐんと向上してメリットが多いですが、長年い続けると、スキルがある程度伸びるもののメンタルがやられたり、健康を損なったりすることが多いのでデメリットの方が多いです。

 僕が経験した特許事務所でも、そこに何年もずっといる方は、所長からのパワハラで精神的に病んでしまい、長期間体調を崩したそうです。そして、その方は、弁理士試験に合格したのが40代半ばになってしまったそうです。このように、長いことい続ける人はメンタルがやられたり、健康を損ねていることが多いです。そこまでして居続ける必要がないと思います。

 もちろんすべての零細の特許事務所がそうであると限りませんが、いわゆる「ホワイト」な零細の特許事務所というのは、僕の知る限り聞いたことはありません。そして、僕が経験した零細の特許事務所や知人が経験したり、知人から聞いた零細の特許事務所はほぼ「ブラック」です。

ぐんと伸びる時期を3回経験したら1人前

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 僕が修行を受けた、有能な所長がよく言っていたのですが、この業界ではスキルがぐんと伸びる時期があって、それを3回経験したらこの業界では一人前のスキルを身に着けることができるそうです。これは、僕もそうだと思いますし、同じこの特許事務所を経験した知人もそうだと言っていました。これを経験するか否かはすごく大きいです。

 丁度、上図において、修業期間を横軸で、スキルを縦軸で表した場合、そのぐんと伸びる時期は、★に該当します。僕は、この所長の下で、死に物狂いで修行しましたが、★が3回には至りませんでした。おそらく★が2回行くところで、もう限界に達したので今の大手特許事務所へ転職しました。

 しかし、今の大手特許事務所へ転職して感じることは、★が1回到達した時点で大手特許事務所で十分やっていけます。正直言うと、今の大手特許事務所に数多くの弁理士がいるのですが、この程度のスキルでやっていけるのかと言う人はいっぱいいます。しかし、その一方で、今の大手特許事務所で新人さんが入所するのですが、相当苦労しているようで挫折して短期間でやめる方も多いのが実情です。そのため、上記でいう★を1回経験しているか、していないかがボーダーといえると思います。この1回目の★にたどり着くためには、個人差があると思いますが、全力で努力すれば、1年以内で到達することは十分可能であると思います。

スキルを身につけたら転職活動も並行する

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 このように、ある程度スキルを身につけたら(上記のように、1回目の★にたどり着いたら)水面下で転職活動もするのがよいです。というのは、このような零細特許事務所では急にいるのがつらくなる事が多いです。所長との関係、あるいは所長の夫人との人間関係が急に悪化することが少ないです。実際の所、計画的に卒業するというのはなかなかうまくいかないものです…突然卒業しなくなることも多いです。そういう場合、じっくりと選びながら転職にかける時間がなく、転職が失敗するおそれがあります。このため、ある程度スキルを身につけたら水面下で転職活動をするのをおすすめします。ただし、転職活動は準備など時間がかかりますので転職エージェントを利用することをおすすめします。

まとめ

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 いかがでしたか。零細の特許事務所は特許実務スキルを磨くための最高の環境ですが、1~3年で卒業した方がいいです。そして、短期間で卒業できるように必死で努力するのがよいです。この業界は才能でなく努力です。

 ちなみに僕の零細の特許事務所の体験談も過去記事に乗せていますのでもしよければご覧ください。

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 以上