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技術者、エンジニアが特許事務所に転職して高収入を得るために重要なことをお話しします。

は、とある法律事務所で働く弁理士🙈

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以前、技術者、エンジニアが特許技術者に転職することをおすすめする理由について記事を作成しました。

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  この記事によって、特許技術者という仕事を知った方も多くなかなか好評だったので、今回は、技術者、エンジニアが特許事務所に転職して高収入を得るために重要なことを紹介したいと思います。

なお、タイトルでは「技術者」「エンジニア」に絞っていますが、知財を含む間接部門の方や、特許翻訳者にとっても参考になる記事と思いますのでご覧いただければと思います。

目次です。

技術者、エンジニアが特許事務所に転職して高収入を得る方法

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 それでは、技術者、エンジニアが特許事務所に転職して高収入を得るために重要なことをお話ししたいと思います。その重要なこととは、以下の3点です。

(1)初めは特許明細書の作成に全てを注ぐ。

(2)最初に入所する特許事務所は、熟練者から指導を受けてもらえる特許事務所。

(3)特許明細書の作成において重要なことは、質重視⇒スピード重視の順序。

 以下、順番に説明します。

(1)まずは特許明細書の作成に全てを注ぐ。

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 まずは特許明細書の作成に全てを注ぐことが重要です。この理由は、特許事務所に転職すると、特許技術者は、様々な仕事を任されますが、これらの仕事の中で、特許明細書の作成スキルを身につけるとほぼ確実に稼げるからです。これについて詳しく説明します。

特許明細書とは

 クライアント(依頼者)から発明相談を受けると、その発明から特許を取得するために、国内特許出願をします。この出願に必要な書類が特許明細書です。特許明細書とは、依頼を受けた発明の技術的な思想を理解し、その思想と、特許法を踏まえて記載された発明の権利書です。本記事では、特許明細書について詳しく説明しませんが、過去記事で詳しく記載していますのでよければご参考ください。

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なぜ特許明細書の作成スキルがを身に着けると稼げるのか

 特許明細書の単価は20~30万円です。そして、特許明細書1件当たりに要する時間は、慣れれば1日半で作成可能です。そうすると1週間で2~3件分書くことができます。そうすると、休日出勤なしでも1ヵ月あたり10件書くことができます。ここで、特許明細書の単価を24万円としましょう。すると1月辺り、240万円(=24×10円)の売り上げです。そして、特許事務所では通常、売上の1/3が給料として支払われますから。毎月の給料は80万円です。すると1年あたり1000万円近く稼げることになります。

 但し、特許技術者の場合、特許技術者は代理人となれず、あくまで弁理士の補助的な位置づけですので、指導弁理士のチェックが入ります。しかし、この場合であっても、上記の売り上げのほとんどは特許技術者の売り上げとみなされることが多いです。

特許明細書が外国に行くと更に稼げる

 ここで、1ヵ月あたり10件も書くのはきついのではと思うかもしれません。1ヵ月あたりの件数を減らしても十分に稼げます。それは、売上は必ずしも特許明細書の作成に相当する単価だけではないためです。これはどういうことか以下に説明します。

 自分で作成した特許明細書を元に外国へ出願する場合があります。この場合、外国に出願するための特許明細書は、国内で出願した特許明細書と同一のものか、あるいはその特許明細書に少し修正を加えたものが多いです。しかし、それにも関わらず、外国出願料金が発生します。また、この外国出願は、1つの国だけでなく複数の国へ移行します。このとき、各国ごとに移行料金が発生します。通常、この外国出願料金、移行料金は、元の特許明細書を作成した者の稼ぎとなります。

 例えば、米国、中国、韓国、オーストラリア、ヨーロッパの5か国に外国出願することを想定します。まず外国出願料金が、15万円程であり、各国へ移行する移行料金が1か国辺り10万円とすれば、5か国で合計50万円です。ほとんど仕事をしていないのに65万円を稼いだことになります。このため、月に処理する件数を減らしても十分に稼ぐことは可能です。

 最初は特許明細書の作成以外の仕事を避ける

 このように、特許明細書の作成スキルを身につければいかに効率よく稼げるかお分かりに頂けたと思います。一方、特許事務所に入所すると他の仕事も任されることがあります。例えば、意見書・補正書の作成というものです。これは、特許出願後、特許審査官によりその発明が特許を与えてよいか審査され、特許性がないと判断された場合にそれに反論する応答書のようなものです。ある特許事務所では、入所するとまず意見書・補正書の作成ばかりやらされることがありますが、これではなかなか稼げません。というのも意見書・補正書の1件当たりの単価は8~10万円程度であり、しかも慣れないとなかなか時間がかかるものです。いずれはこの意見書・補正書の作成もまたいずれは身に着けないといけないスキルですが、最初にこればかりやっていると一向に稼げません。このような仕事は最初は避けたほうがよく、1日の大半を特許明細書の作成にあてるべきです。

(2)最初に入所する特許事務所は、熟練者から指導を受けてもらえる特許事務所。

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 次に、「最初に入所する特許事務所は、熟練者から指導を受けてもらえる特許事務所」であることが重要です。上述のように高収入を得るためには特許明細書の作成スキルを身につける必要があります。そして、このスキルは簡単に身につけられるほど甘くはないと思います。

 そこで、特許明細書の作成スキルを身につけるためには、熟練者から適切に指導を受けて実際に書いてみることが重要です。これが一番効率的な方法です。我流で書いたり、中途半端な指導を受けたりするとかえって身につかず、むしろマイナススタートにもなりえます。

 おすすめは所長が有能な零細特許事務所

 おすすめの特許事務所は、所長が有能な零細特許事務所です。なぜかというと、大手の特許事務所は指導しない特許事務所が多いからです。これに対し、零細特許事務所では、所員の数が少なすぎることもあり、所長が明細書を書いたりすることが多いです。そして、所長はできれば、入所した者に早く一人前になって代わりに書いてほしいため、自ら指導をすることが多いです。このため、零細特許事務所の場合、所長から指導を受けてもらえることが多くおすすめです。かくいう僕もまた、とある零細特許事務所出身で所長に直接指導を受けてスキルが一気に上がりました。

 但し、こういう特許事務所はシビアなところが多いですのである程度の覚悟はした方がいいです。また、このような特許事務所は年収が低いです。しかし、所長自ら指導というのはとても強力です。ここで頑張れば1年程度で、大手特許事務所でも普通に通用するレベルのスキルを身に着けることができます。シビア過ぎて耐え切れなくなったら、1年後に別の大手特許事務所に転職すればいいと思います。この業界は、特許明細書の作成スキルを身に着ければ、転職は簡単にできます。そして、最初は年収が低くても、転職により待遇のいい特許事務所に転職して売り上げを稼げばどんどん高収入を得ることができます。

 所長が有能かどうかの判断する方法

 ここで、零細特許事務所には有能な所長、有能でない所長の双方が混在しています。そこで、所長が有能かどうか判断する方法として、その特許事務所のクライアントと、クライアントの数を調べることです。通常、大手のクライアントを複数もっている事務所は所長が有能な場合が多いです。これは、複数の大手のクライアントから信頼されていることの裏付けにもなるからです。逆にクライアントがよくわからない名前のところだったり、クライアントの数が1つである場合は、そこの特許事務所はやめたほうがよいと思います。

 特許事務所のクライアントと、クライアントの数を調べる方法としては、IPDLという公開公報をサーチするサイトで、特許事務所の代理人を検索する方法があります。

https://www7.j-platpat.inpit.go.jp/tjk/tokujitsu/tjkt/TJKT_GM201_Top.action

上記サイトを検索すると下記の画面が出てきますので、要約/抄録のタブをクリックすると「代理人」が出てきます。そこに、気になる特許事務所の所長を入力すれば検索できます。

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 ここで、検索結果が3000以上を超えると、絞り込まないといけないので、下記の赤枠で囲んだ公知日で絞り込めばよいと思います(例えば、20180101~20190101)

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特許明細書の作成において重要なことは、質重視⇒スピード重視の順序。

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 最後になりますが、高収入を得るためには、特許明細書を速く作成することが重要です。そこで、特許明細書を速く作成するために重要なことは、質重視⇒スピード重視の順序を心がけることです。これはどういうことかというと、初学者のときは、質重視、慣れてきたらスピード重視ということです。まずは一つの明細書を慎重に時間をかけて丁寧に作成します。この時、何度も熟練者からチェックを受けて何度もやり直しをさせられると一層スキルが身につきます。こうして、まずは1つの明細書に何カ月かかってもいいので丁寧に仕上げます。なぜ、最初に丁寧に仕上げることが重要なのかというと、丁寧に仕上げると基本が身に付くことと、丁寧に仕上げられば、絶対に書くべきことと、特に書かなくてよいことが分かるからです。これが分かると、絶対に書くべきことだけを書いておけば、特許明細書の形にはなるので、言い方が変かもしれませんが要領よく手を抜くことができます。そうすると、効率よく質重視からスピード重視へ移行でき、速く特許明細書を仕上げることができます。一方、最初からスピード重視だと絶対に書くべきことを見落とすため、何度もやり直しをさせられ、結局時間がかかります。このように質重視⇒スピード重視で特許明細書を作成することが重要です。

まとめ

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 いかがでしたか。この業界で高収入を得るためには特許明細書の作成スキルを高めることが重要です。そして、特許明細書の作成スキルを高めるために、まずは質重視と、熟練者からしっかりと指導を受けることが重要です。もし特許事務所へ転職を考えている方はご参考になればと思います。

 

 このブログでは他にも特許に関する記事を掲載していますのでもしよろしければご参考ください。

https://www.mayaaaaasama.com/archive/category/%E7%89%B9%E8%A8%B1

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以上